今回は、小説家になろうにて連載されている小説のコミカライズ版の「冒険家になろう」を紹介していきたいと思います。原作は萩鵜 アキ、作画は栗山康士、キャラクター原案、TEDDY、コミック一巻が発売されています。
作画の栗山康士先生は「王様ゲーム 終極」の作画も担当されており流石の画力ですが、なろう系のコミカライズ版では当たり障りのない最近流行りの絵という感じです。
あらすじ
今回の作品は、主人公が異世界に転生するのではなく現代日本が舞台になっています。
世界が異世界の世界と混ざり合ってモンスター現れるという大災害が起こり5年が経過しており、冒険家という国家資格ができています。
現代と異世界を行き来しているところは「100万人の命の上に俺は立っている」に似ています。
人から認識すらされないという存在感の薄い主人公、空星晴輝は突然自宅にダンジョンが現れて「除雪機」をダンジョンに奪われてしまいます。
ダンジョンに入ると、スキルボードというステータスを見たりスキルを割り振ったりできる魔導具をすぐ手に入れます。
晴輝は初心者冒険者ですが「成長加速」というワードに釣られてスキルポイントを沢山割り振ってしまいます。
ここで、一気にチート能力が発動というパターンを想像しましたが、そうではなく、皮の鎧と短剣を持って初心者御用達のモンスターであるゲジゲジをなんとか退治することに成功します。
異世界と現代の融合
ただダンジョンを攻略していく訳ではなく、WIKIや掲示板、ブログといった現代ならではのツールも活用していきます。
晴輝は認識されないという特徴を持っているので、ブログのアクセスも微々たるものでアクセス数を増やそうと頑張ります。
主人公が魅力的
今作の主人公、晴輝はちょっと天然っぽいところがあり、妙にRPGやネトゲの世界に詳しくもなくいきなりチートではなく序盤だけでもコツコツと経験値を積み上げている姿が描かれているのには好感が持てます。
こういう世界を描くならやっぱりコツコツレベル上げっぽいこともやったほうがリアルで好感が持てます。
画像では玉ねぎのモンスターを狩っているんですが、実は野菜はこの世界では高級食材で金持ちの食べ物となっていますが主人公の自宅のダンジョンでは豊富に取れるようです。
貴重なモンスターにたまたま出会いますが、ボロボロにした後で「ハッ」とする瞬間や、得た獲物を近所のおじいちゃんに分け与えマッタリするシーンなど日常でもありそうな光景に読んでいて一緒にマッタリしてしまいます。
押しつけられるように売られたいかにもな感じの呪いのアイテムを「神アイテムなのかも」と思ったり「違うだろ!」といいたくなりますがそこも憎めない奴です。
キャラクター紹介
空星晴輝
初心者冒険者で自宅にダンジョンを持っている。人から認識されないほど存在感が薄い
紅連
仲間の冒険者に囮として取り残されモンスターパレードに巻き込まれていたところを晴輝に助けられる。
夕月朱音
悪徳っぽい武器屋、気に食わないお客にスープレックスをお見舞いしたり、晴輝に呪いの仮面を売りつけたりしている。
大井素
モンスター素材買取店の店員、夕月とはライバル関係にありそう、見た目通り真面目
まとめ
画像のシーンでは「空気」(晴輝のブログのコテハン)の名前に触れていないのに>>587にはバレています。画像右上の男がモンパレに遭遇した時にいた男に似ていますが、違うとしたらなにか見えない存在が晴輝に近づいているのかもしれません。
晴輝の特徴である「認識できない」という特徴は黒子のバスケやハンターハンターのキルアのセリフを思い出しました。
レビューでは「存在感が薄いからって人間が見えないなんて有り得ない」「過度に演出しすぎ」とありますが、この「認識できない」という特徴は実は重要な伏線になっているんだそうです。
「なんだこれ?」という状態や表情も、実は伏線になっているそうなので、なろう系のコミカライズを見て初めて小説を読みたいと思いました。
まだ一巻しか読んでいないので、始まったばかりで「ここがいい!」という部分を挙げるのは難しいですがネット小説大賞受賞作だけあって面白いです。好みの問題ですが、今作はバトルシーンは少なめでスローライフが多く描かれています。RPGの舞台裏を見せられているようなスローライフが最近の好みで転生物ではこれまで読んだ中でトップ10には入るかなと思いました。
「冒険家になろう~スキルボードでダンジョン攻略~」を読んだことがない人には是非読んでほしい作品です。
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