『BLEACH』には、護廷十三隊二番隊隊長と隠密機動総司令官を兼任する砕蜂(ソイフォン)が登場します。
小柄ながらも圧倒的なスピードと「弐撃決殺」という特殊な能力を持つ彼女は、かつては四楓院夜一の直属の部下であり、深い因縁を持つ人物としても描かれています。
この記事では、砕蜂の斬魄刀の能力や、そのあまりに独特な卍解、そして四楓院夜一との複雑な関係性や過去を詳しく解説します。
また、アニメ版での声優交代の理由についても深掘りしていきましょう。
二番隊隊長・砕蜂とは?プロフィールと隠密機動の要
プロフィール:小柄な体躯に宿る強い意志
砕蜂は『BLEACH』に登場する、二番隊隊長にして隠密機動総司令官、そして第一分隊「刑事」総括軍団長を務める女性死神です。
本名は蜂梢綾(フォン シャオリン)と言います。蜂家は代々暗殺を生業とする家系で、刑軍(第一分隊)に所属することが義務付けられていました。
砕蜂も刑軍に入隊した際に本名を捨て、現在の「砕蜂」を名乗るようになりました。
項目 | 詳細 |
---|---|
誕生日 | 2月11日 |
身長 | 150cm |
体重 | 38kg |
本名 | 蜂梢綾(フォン シャオリン) |
所属 | 護廷十三隊二番隊隊長、隠密機動総司令官、第一分隊「刑事」総括軍団長 |
特徴 | 小柄、勝気、忠誠心が強い |
尊敬する人物 | 四楓院夜一 |
彼女は非常に小柄な体躯ですが、その内には確固たる意志と勝気な性格を秘めています。
任務に対しては一切の妥協を許さず、規律を重んじる生真面目な一面も持ち合わせています。
また、かつての上司である四楓院夜一に対しては、複雑な感情を抱きつつも、深い敬愛の念を抱いています。
護廷十三隊とは異なる「隠密機動」の司令官
隠密機動は、護廷十三隊とは別の独立した組織です。
しかし、代々総司令官を四楓院家が務めてきたため、四楓院家の者が隊長に就任すると、死神と隠密機動の結びつきが強くなります。
『BLEACH』の過去篇で、四楓院夜一が二番隊隊長になった際には、隠密機動は二番隊の直属組織として認識されていました。
その後、夜一が失踪したことで、二番隊隊長に就任した砕蜂が隠密機動の総司令官を兼任することになります。
彼女は隠密機動の最高責任者として、尸魂界の闇の部分を担い、暗殺や諜報活動を統括しています。
砕蜂の斬魄刀「雀蜂」と卍解「雀蜂雷公鞭」の能力
始解「雀蜂」:二撃必殺の恐るべき暗殺術
砕蜂の斬魄刀は「雀蜂(すずめばち)」と言います。
始解前の刀は通常の形状ですが、解号「尽敵螫殺 雀蜂(じんてきしゃくせつ すずめばち)」と共に、その姿は大きく変貌します。
雀蜂は右手の中指に装着する針状の斬魄刀となり、相手に針先を刺すように攻撃します。
一度刺すと、刺した部分を中心に「蜂紋華(ほうもんか)」と呼ばれる蝶のような模様が浮かび上がります。
これが「死の刻印」であり、二撃目に同じ場所に刺されると、相手は必ず死に至るという恐るべき能力を持っています。
かつては時間制限がありましたが、現在は克服され、完全に能力を発揮できるようになっています。
また、必ずしも同じ方向から攻撃する必要はなく、臓腑など同じ部位に二撃与えれば効果を発揮します。
空座決戦篇でのジオ=ヴェガとの戦いでは、一撃目を前面から、二撃目を背面から同じ臓腑に刺すことで、その能力を実証しました。
この能力の真価は、砕蜂の「死神最速」と謳われる瞬歩の速さと組み合わせることで発揮されます。
四楓院夜一との戦いでは間隔を開けて二撃を与えましたが、ジオ=ヴェガ戦では相手が一撃にしか感じない速度で二撃目を叩き込むなど、そのスピードはまさに神速です。
しかし、この能力の弱点は、二撃を与えなければ相手を殺せないことと、相手に接近しなければ攻撃できない点にあります。
時間や距離を操る能力を持つバラガン・ルイゼンバーンのような相手には、近づくことすら叶わず、攻撃を見切られてしまうなど、相性の悪さも露呈しました。
卍解「雀蜂雷公鞭」:一撃必殺の巨大ミサイル
「雀蜂」の卍解は「雀蜂雷公鞭(じゃくほうらいこうべん)」といい、その姿は始解とはかけ離れた、巨大なミサイルのような形状をしています。
右腕に装着され、顔の周りには衝撃から身を守るための盾も出現します。
始解が「弐撃決殺」であるのに対し、卍解は「一撃必殺」の威力を持っています。
狙った相手だけでなく、その周辺をも殲滅するほどの広範囲攻撃が可能であり、従属官レベルの虚であれば一度に多数を倒すことも可能と言われています。
この卍解は、接近戦を主とする始解とは異なり、遠距離からの攻撃に適しています。
空座決戦篇で砕蜂がすぐに卍解を使用していれば、従属官を一掃できた可能性も指摘されています。
しかし、隠密機動の性質上、仲間にさえも手の内を明かしたがらないため、ほとんど使用されることはありませんでした。
直属の部下である大前田希千代でさえ、空座決戦篇で初めてその卍解の能力を知ったほどです。
「雀蜂雷公鞭」は本当に「弱い」のか?
「雀蜂雷公鞭」は、その圧倒的な破壊力にもかかわらず、『BLEACH』に登場する卍解の中でも「弱い」と評されることがあります。
その理由は、隠密機動である砕蜂の性質と卍解の能力の相性が極めて悪い点にあります。
小柄な砕蜂は、この巨大なミサイルを撃つ際の反動で自身も吹き飛ばされてしまいます。
劇中では、鎧の下に巻く「銀条反」という重りをつけ、さらに体と建物を布で巻いて衝撃に耐える準備をしていましたが、それでも吹き飛ばされてしまうほどの威力です。
このような大掛かりな準備が必要なため、単独行動を基本とする隠密機動にとっては、非常に使い勝手の悪い卍解と言わざるを得ません。
また、隠密機動は基本的に仲間の助け合いを必要とせず、むしろ仲間がやられたら好機と捉えるように教えられます。
そのため、卍解の使用に仲間のサポートが必要となる点は、彼女の信条と矛盾しています。
卍解の威力が高いだけに、その扱いにくさが「弱い」という評価につながってしまっているのかもしれません。
読者からは、もう少し部下と連携していれば、この卍解をより活かせたのではないか、という声も聞かれます。
体術と鬼道の融合「瞬閧(しゅんこう)」
砕蜂は、体術と鬼道を併せた戦闘術「瞬閧(しゅんこう)」を使います。
この術を発動させると、肩と手から鬼道が放出され、その衝撃で肩と背部分の服が消し飛んでしまいます。
砕蜂が着用している刑戦装束の腕と背の部分に布がないのは、この術を使うためです。
瞬閧にはそれぞれ性質があり、砕蜂の場合は「風」の性質で、鬼道が体の回りを風のように吹き荒れます。
四楓院夜一の場合は「雷」の性質で、体から稲妻のように鬼道が放出されます。
砕蜂は、この術の名前すら知らずに習得したとされています。
砕蜂と四楓院夜一:愛憎入り混じる師弟関係
四楓院夜一:砕蜂の「崇拝」の対象
砕蜂にとって、四楓院夜一は単なる上司ではなく、まさに「崇拝」の対象でした。
褐色肌で抜群のスタイルを持つ夜一は、かつて名門貴族の四楓院家22代目当主であり、護廷十三隊二番隊隊長、隠密機動総司令官、そして第一分隊「刑事」総括軍団長を兼任していました。
『BLEACH』初登場時は黒猫の姿で、黒崎一護の卍解習得の修行にも協力しました。
代々四楓院家に生涯を捧げる蜂家に生まれた砕蜂は、刑軍に入隊して七年目で夜一直属の護衛を任されるようになります。
彼女には5人の兄がいましたが、全員が刑軍の任務で命を落としており、砕蜂は彼らの弱さを恥じました。
そんな彼女にとって、夜一の絶対的な強さは憧れそのものだったのです。
共に任務に当たり、食事を共にするなど、砕蜂は夜一の最も身近な存在となっていきました。
夜一の突然の失踪:砕蜂の「裏切り」と「憎しみ」
しかし、砕蜂の夜一への崇拝は、ある出来事を境に「憎しみ」へと変わります。
ある日、四楓院夜一は、浦原喜助の逃走を助けた罪で尸魂界を追放され、行方をくらましてしまいます。
砕蜂は別れの言葉を告げることもできず、敬愛していた夜一が不名誉な罪で失踪したことを「裏切り行為」と受け止めました。
夜一が失踪した真相は、『BLEACH』の過去篇で詳しく明かされます。
101年前、流魂街で住民が着物だけを残して消えるという不可解な事件が起こり、藍染惣右介による死神の虚化の実験が原因であることが判明します。
浦原喜助は崩玉を使って虚化した死神たちを救おうとしますが失敗し、中央四十六室によって裁判にかけられます。
そこに夜一が現れ、浦原喜助と握菱鉄裁の脱出を助けたため、自身も共犯として内密に現世へ逃れることになったのです。
101年ぶりの再会と和解、そして再びの忠誠
『BLEACH』の尸魂界篇で、砕蜂は101年ぶりに夜一と再会します。
長年の恨みをぶつけるように夜一に襲いかかりますが、101年のブランクがある夜一に敵わず、敗北します。
戦いの最中、砕蜂は「なぜ自分も連れていってくれなかったのか」と、胸に秘めていた想いを夜一にぶつけました。
その後、二人は和解し、砕蜂は再び夜一を慕うようになります。
形式上は砕蜂が隠密機動総司令官ですが、砕蜂は夜一の命ならば何でも聞き入れるため、アニメ『BLEACH』のバウント篇では、ほぼ夜一の指示で隠密機動を動かしていました。
砕蜂の副官・大前田希千代との関係性
大前田希千代:巨漢の副隊長と金持ち社長
砕蜂の側には、常に二番隊副隊長であり隠密機動第二分隊「警邏隊」隊長である大前田希千代(おおまえだまれちよ)がいます。
巨漢で紫の襟が付いた死覇装に金のブレスレットとネックレスを着用しており、見た目は尖ったもみあげが特徴的ないかつい顔立ちです。
本名は「大前田日光太郎右衛門美菖蒲介希千代」と非常に長いですが、普段は「大前田」と呼ばれています。
5月5日生まれで身長210cm、体重151kgと、砕蜂とは対照的な大柄な体格です。
小心者な一面もありますが、いざという時には勇気を見せることもあります。
いつも油煎餅を食べているため肥満気味ですが、隠密機動だけあり移動速度は非常に速く、力持ちでもあります。
名門貴族の生まれではありませんが、実家は「大前田宝石貴金属工場」を経営する大金持ちで、彼自身も社長を務めています。
家族構成は父、母、姉、弟、妹の4兄弟で、末妹の希代は美人ですが、他の家族は彼と瓜二つの顔立ちをしています。
戦闘能力はそれほど高くなく、特に鬼道は苦手です。
砕蜂と大前田の関係:こき使われながらも忠実な部下
『BLEACH』では、砕蜂が大前田希千代をこき使う姿が度々描かれます。
空座決戦篇でバラガン・ルイゼンバーンと戦った際には、砕蜂の卍解の準備ができるまで囮にさせられるなど、文字通り捨て駒のような扱いを受けることもありました。
バラガンの「死の息吹」に触れるだけで体が老いて風化してしまうため、大前田はただ逃げ回ることしかできませんでした。
また、アニメのスピンオフ「死神図鑑」では、夜一への文句を言って砕蜂に殴られたり、夜一専用の建物を自腹で作らされたりするなど、理不尽な扱いを受けるシーンも多く描かれています。
しかし、このような扱いを受けながらも、大前田は砕蜂を信頼し、慕っている様子が伺えます。
砕蜂も、大前田のことは信頼できる部下として認めており、二人の間には独特の信頼関係が築かれています。
アニメでの砕蜂:声優交代の理由と担当声優
初代声優・川上とも子:惜しまれる逝去
『BLEACH』のアニメは2004年から放送が始まり、2012年の死神代行消失篇まで全366話が放送されました。
初代砕蜂役を務めたのは、声優の川上とも子です。
川上とも子は1970年4月25日生まれの声優で、1994年から2010年まで活動していました。『ヒカルの碁』の進藤ヒカル役、『ケロロ軍曹』の日向冬樹役など、数々の人気キャラクターを演じてきました。
しかし、2011年に川上とも子が41歳の若さで逝去したため、『BLEACH』の砕蜂役も交代することになりました。
彼女は2008年にがんが発見されて手術を受け、その後も自宅療養や入院を繰り返しながらも、一部の作品に出演を続けていました。
2008年公開の『劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ』が、彼女が砕蜂役として最後に出演した作品となります。
二代目声優・桑島法子:役を引き継ぐ名演
川上とも子の逝去後、『BLEACH』のアニメで砕蜂役を引き継いだのは、声優の桑島法子です。
彼女は元々、2007年から川上とも子の休業中に代役を務めており、そのまま正式に引き継ぐ形となりました。
『ケロロ軍曹』の日向冬樹役も桑島法子が引き継いでいます。
桑島法子は1975年12月12日生まれの声優で、1995年から活動を開始し、1996年には歌手としてもデビューしています。
『ONE PIECE』のゴーイングメリー号役、『宇宙戦艦ヤマト2199』の森雪役など、数々の有名作品に出演するベテラン声優です。
桑島法子の力強くも芯のある演技は、砕蜂のキャラクターを見事に表現し、多くのファンに受け入れられています。
もしも砕蜂があなたの職場にいたら?
ここでは、『BLEACH』の砕蜂がもしも現代社会の職場や学校にいたら、どのような人物になるのかを想像してみましょう。
上司篇
もし砕蜂が上司だったら、大前田希千代のようにこき使われることがあるかもしれません。
彼女は四楓院夜一のような、自分が慕う人間と部下への扱いに差がある人物です。
『BLEACH』の「死神図鑑」では、夜一のためなら大前田を容赦なくこき使ったり、しばいたりするシーンが度々描かれています。
しかし、彼女は非常に義理堅く、いざという時には頼りになる強い女性です。
隠密機動に所属しているものの、仲間意識も強いため、少々わがままに振り回されつつも、ピンチの時には必ず助けてくれる、そんな上司になるでしょう。
後輩篇(会社)
もし砕蜂が会社の後輩だったら、四楓院夜一のように慕ってくれるかもしれません。
しかし、もし期待を裏切るような行動を取れば、かつて浦原喜助に辛辣な態度を取ったように、厳しい態度に出る可能性もあります。
砕蜂は、慕う人には徹底的に忠義を尽くすタイプですが、一度裏切られたと感じると、その感情を根に持つことがあります。
そのため、彼女が信頼できる上司であれば、どんな仕事でも完璧にこなし、非常に頼りになる後輩となるでしょう。
後輩篇(学校)
もし砕蜂が学校の後輩だったら、四楓院夜一のような信頼関係を築ければ、徹底的に慕ってくれるでしょう。
しかし、学生という未熟な立場では、少し注意が必要かもしれません。
なぜなら、砕蜂は慕う人を徹底的に調べ尽くす傾向があるからです。
『BLEACH』の「死神図鑑」では、部下に四楓院夜一の写真を隠し撮りさせていたエピソードもあります。
ストーカー気質の一面があるかもしれませんが、その分、一度心を許した相手は絶対に裏切らない、最も信頼できる後輩になるはずです。
『BLEACH』最速の暗殺者・砕蜂の魅力
『BLEACH』の砕蜂は、華奢な体躯からは想像もつかないほどのスピードと、独特な能力を持つ斬魄刀「雀蜂」を操る死神です。
四楓院夜一との複雑な師弟関係、そして卍解「雀蜂雷公鞭」の運用上の難しさなど、その人物像は多面的に描かれています。
しかし、彼女の任務への忠実さ、義理人情に厚い一面、そしていざという時に見せる隊長としての強さは、多くの読者を惹きつけています。
小柄な体で「死神最速」と謳われるスピーディーな戦闘スタイルは、他のキャラクターとは一味違う魅力に溢れています。
尸魂界篇から最終章の千年血戦篇まで、砕蜂の活躍は物語の重要なアクセントとなっていますので、ぜひ漫画やアニメでその姿を追いかけてみてください。
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