
漫画『ダンダダン』に登場し、その可愛らしい見た目と、怪獣のような強大な力を併せ持つキャラクター、バモラをご存知でしょうか。
初登場時は、透明化や巨大化といった驚異的な能力を駆使してオカルンたちに立ちはだかり、読者に強いインパクトを与えました。
しかし、激闘の末に彼女の怪獣スーツが破られると、中から現れたのは予想外にも可憐な美少女だったのです。
バモラの基本情報と物語への登場
まずは、バモラがどのようなキャラクターなのか、その基本的な情報と、物語への登場経緯を見ていきましょう。
バモラとは? 異星からの来訪者
バモラは、本作でも数少ない味方の女性キャラクターであり、その正体はなんと宇宙からやってきた異星人、シュメール人です。
彼女は遠い惑星から、とある事情を抱えて地球へとやってきました。
初登場はコミックス8巻64話。
「団地の幽霊」つまり「宙に浮かぶ金の玉」の噂を追って団地に訪れたモモとオカルンの前に、透明な怪獣の姿で出現しました。
バモラのプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種族 | シュメール人 |
| 出身 | 銀河系外の惑星 |
| 年齢 | 不明(見た目は高校生くらい) |
| メイン登場回 | 8巻64話~14巻120話 |
宇宙怪獣バモラとしての能力
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 宇宙怪獣バモラ |
| 分類 | 透明怪獣 |
| 生息地 | 宇宙 |
| 体長 | 1.6~45メートル |
| 概要 | 外宇宙から来た謎の透明怪獣。再帰性投影技術で敵を撹乱し、団地を一撃で破壊するパワーを持つ。 |
バモラは初登場時、光学迷彩を駆使して透明化し、モモとオカルンを翻弄します。
金太の助言で弱点を見破られ、モモに捕捉され、オカルンに蹴飛ばされて透明化が解除されると、今度は一転して50m級に巨大化し、モモたちを追い詰めました。
しかし、綾瀬家が変形した巨大ロボット「仏像ロボ」との激闘の末、パワーボムを受けて撃沈。
スーツを脱がされ、可愛らしい本体が現れたことで、物語は大きく動き出します。
バモラの持つ怪獣スーツの機能と謎
バモラが着用している怪獣スーツは、地球外の高度なテクノロジーが詰まった高性能な装備です。
このスーツには様々な機能が備わっています。
怪獣スーツの主な機能
1. 光学迷彩(透明化)
科学的技術によって透明になることができる機能です。
しかし、スーツのエネルギー源である「金の玉」だけは透明にならず、「宙に浮かぶ金の玉」という噂話が広まり、金玉を探すオカルンたちの耳に入ることとなりました。
この「金の玉」は、オカルンが探しているものとは全くの別物で、犠牲となったシュメール人の怨念によって作られた呪物のようなものだと判明します。
「なぜ金の玉だけ透明にならなかったのか?」という疑問については、作中で「もしかしたら知ってほしかったのかも、私達(シュメール)の大切な子はここにいるって」という仮説が提示されており、深い意味が込められていると考える読者もいるでしょう。
2. 巨大化・超パワー
怪獣スーツの基本的な能力で、サイズを自由に、変幻自在に変更することが可能です。
最大で50m近いまさに怪獣サイズまで巨大化できます。
巨大化してから放たれるパンチの威力は絶大で、大抵の攻撃では中にいるパイロットを傷つけることもできないほどの頑強な素材でできています。
この性能は、敵である「深淵の者」たちにとっても「ビッグママ」がなかなか作ってくれないレアものらしく、人気が高い様子が描かれています。
しかし、あまりに振り回されると乗り物酔いでダウンしてしまうという、意外な弱点も持ち合わせています。
3. 自動殺戮モード(大虐殺モード)
緊急防衛システムとして機能するモードです。
スーツに強い衝撃が加わり、操縦者が操縦不能、または危機的状況だと判断された場合に自動的に起動します。
このシステムが起動してしまうと、元の可愛げのある姿から、禍々しく凶暴な怪獣へと変貌し、対象となった敵を殲滅するか、スーツが行動不能になるまで、操縦者の要求を受け付けなくなってしまいます。
4. コピー能力
スキャン機能により、衣服をスキャンすることで、任意のデザインの服装に変更することが可能です。
この機能により、バモラはモモの制服をコピーして、モモたちと同じ学校に転校生として通うこととなります。
怪獣スーツの元ネタ:ゴモラとレッドキング?
バモラの怪獣スーツは、そのデザインや能力から特撮ファンにはたまらない元ネタが隠されていると考えられています。
頭部のデザインは、円谷プロダクションの「古代怪獣ゴモラ」に似ているという見方が強いです。
アニメ版ではデザインが変更されたものの、原作の三日月状の角はゴモラを彷彿とさせます。
また、胴体部分の鱗のデザインは「どくろ怪獣レッドキング」がモデルではないか、という考察もされています。
レッドキングはビームなどの特殊攻撃を持たず、純粋なパワーで圧倒する怪獣であり、バモラのスーツの主な攻撃手段がパンチやキック、尻尾の薙ぎ払いであることと共通点があります。
さらに、スーツの「光学迷彩」能力は、「どくろ怪獣(Skeleton Monster)」の「スケルトン」が日本では「骨組みが見える透明なデザイン」を指すことから、「スケルトン=透明」という誤解が元ネタになっているというユニークな考察も読者の間で話題になりました。
バモラの正体と故郷を失った悲しい過去
バモラの物語の核心には、彼女が地球にやってきた理由、そしてその壮絶な過去が深く関わっています。
古代シュメール人の子孫
バモラの正体は、メソポタミア最古の文明を築いたとされる「シュメール人」を先祖とする、地球人の近縁種です。
地球で文明を築いていたシュメール人が、転送装置を使って異星に移住した結果、遠い星で繁栄したのが、バモラたち「シュメール人」となります。
この設定は、旧約聖書のノアの方舟の元ネタともされる「ギルガメッシュ叙事詩」の大洪水神話を「他惑星への転送装置」と解釈していると考えられ、作品の壮大な世界観を構築しています。
つまり、シュメールという生命の種を守った方舟が、再び生命の種を守るためバモラを地球へ運んだ、というエモーショナルな展開が示唆されているのです。
「深淵の者」による故郷の壊滅
しかし、バモラたちが住まう惑星に、残虐な侵略者集団「深淵の者」たちが襲来します。
男たちが真っ先に殺され、捕らえられ、養分にされてしまうという悲惨な状況に陥り、残ったのは非戦闘員の女性のみでした。
それでも武器を取り、侵略者からなんとか逃げながら生活していましたが、「深淵の者」の罠にはまり、バモラのグループも壊滅状態に追い込まれてしまいます。
敵の本体は弱々しい軟体生物ですが、人間を食べることでその人間を武器に変換できる能力を持った「ビッグママ」という存在がおり、「深淵の者」たちはビッグママが生成した武器や装備をまとってシュメール人を襲いました。
バモラの怪獣スーツは、この「ビッグママ」から鹵獲した兵器であり、シュメール人が神に助けを求める古き伝承からのビジュアルを宿しているとされています。
育ての親・バンガとの悲しい別れと地球への脱出
「深淵の者」の侵略を受けて孤児になったバモラを、バンガという女性が引き取りました。
バモラはバンガのことを実の母親のように慕い、「お母さん」と呼び続けます。
バンガは元宮廷料理人で、人においしい料理を作るための手が、侵略によって武器を使って命のやり取りをするための手になってしまったことを気に病んでいました。
侵略から逃れ続けていたある日、バンガたち残されたシュメール人も敵の罠によって壊滅状態に追い込まれます。
絶望的な状況の中、バンガは古代シュメール人がイデア(地球)から転移してきたときに使った転送装置の存在を思い出し、それを使って地球への脱出を試みます。
何とか敵が占拠するピラミッドに攻め込み、最奥にまでたどり着きますが、転送できるのはたった一人分のエネルギーしか残っていませんでした。
バンガは、たまたま手に入れた怪獣スーツと一緒にバモラを装置に押し込み、地球へと送り出します。
彼女はバモラに「新しい惑星で新しく人生を始めろ」「そこでたくさん“恋”をしろ」「愛しい人と一緒になることを結婚って言うんだぜ。そして強い子どもを産んで、シュメールの血を後世につないでくれ」と伝え、さらに今まで一度も言わなかった「愛してるぜ」という言葉と共に、バモラとの別れを決断したのでした。
こうしてバモラは、バンガや仲間たちの命をかけた尽力によって、遠い地球へと逃れてきたのです。
バンガは生きていた!
物語が進む中で、読者の間では「バンガは死んでしまったのだろうか」という悲しい憶測も飛び交いましたが、実はバンガたちは生きていたことが判明します。
バモラが地球に転移したことで、「深淵の者」たちが地球に目をつけ、本隊が地球侵略に舵を切ったため、バモラたちの故郷への侵略の手が緩んだのです。
恐怖の元凶だったビッグママも、怪獣スーツを着たバンガによって倒されていたため、増援も武器の追加もない「深淵の者」たちは徐々にシュメール人に押され、最終的にバンガたちは宇宙船を奪還します。
そして、バンガたちシュメール人の生き残りは、小型の宇宙船に乗り込み「時間はかかってもバモラのいる地球へ行こう!」と新たな旅路につくのでした。
この展開には、多くの読者が安堵し、バモラとバンガの再会を願う声が多く上がりました。
バモラの性格と人間関係
バモラは、その可愛らしい見た目と、怪獣のような姿とのギャップが魅力のキャラクターです。
可愛い見た目と純粋な性格
バモラは金髪のショートヘアで、少しボーイッシュな印象です。
スタイルも良く、正確な年齢は分かりませんが、見た目は高校生くらいに見えます。
本来はとても明るく元気な性格で、母と慕うバンガに可愛らしい笑顔を向けていました。
さらに、自分を助けてくれた人々をとても大切にしており、仲間が傷ついたときは真っ先に手当てしようとする優しさも持ち合わせています。
シュメール人の特徴として、頭に角のようなものが生えています。
初めは戦闘中に出会ったこともあり、みんなはもちろん、特にモモから警戒されていましたが、モモたちに保護され、一緒に生活していくうちに警戒も少しずつ解けていきました。
地球の言葉を使用することができないため、当初はコミュニケーションが難しく、お互い意図を勘違いすることも多かったものの、彼女なりに言葉を覚えようと努力しており、「タコヤキ」「ッテミホイ」「ヤバカタワ!」など、徐々に会話ができるようになっていきます。
素直かつ感情表現や表情も豊かであり、少しずつ周囲に馴染んでいく姿は、読者にとっても微笑ましいものと捉えられています。
オカルンへの一途な思い
バモラは、母バンガからの「強い男性と結婚して子孫を残せ」という言葉を頼りに地球で「強い男」を探していました。
初登場時のオカルンたちとの戦闘で、オカルンの強さに惹かれ、戦闘後も彼のそばから離れようとしませんでした。
シャコの翻訳機に断片ながら「強い人と結婚する」と発言しており、オカルンが自分を倒したと思い込んでいるようでした。
しかし、オカルンとモモはすでに両思いだったこともあり、オカルンはバモラの気持ちに応えられません。
それでも、彼の強さやモモの不器用な優しさに好感を持っているため、彼女たちに協力することを決めたのです。
この三角関係は、物語にコミカルさと切なさを加える要素として、読者の注目を集めています。
名前の由来:特撮とポルトガル語?
バモラの名前の元ネタについては、複数の説が考えられています。
特撮作品「電光超人グリッドマン」に登場する「弾力怪獣バモラ」との類似性が指摘されています。
この怪獣は高い柔軟性を持つタフな強敵で、ワープ装置を使って現実世界に転移しようとするところが、『ダンダダン』のバモラがワープして地球にやってきた経緯と共通しているため、モデルになった可能性は十分にあります。
また、獣電戦隊キョウリュウジャーのオープニング曲「VAMOLA! キョウリュウジャー」にある「VAMOLA」も関連が囁かれています。
「バモラ」はポルトガル語で「行くぞ!」という意味を持ち、故郷を脱出し、新たな人生を切り開こうとするバモラの決意とリンクするとして、この説も有力視されています。
バモラに残された謎と今後の考察
バモラの物語は多くの情報が明かされたものの、まだいくつかの謎が残されています。
ぴっちりスーツの疑問とバモラの実年齢
バモラが廃墟で見つけてきたという出どころ不明のぴっちりスーツについて、「速く走れる」と強調されている点に疑問を呈する読者もいます。
単に運動能力をサポートするだけならば、この強調は不自然に感じるかもしれません。
また、バンガに拾われた時のバモラはだいたい4歳くらいに見え、原作時間軸では15歳くらいの姿に成長しています。
この成長の様子から、バンガのもとでバモラが暮らしていたのはおおよそ10年ほどと考えられますが、シュメール人を一瞬で壊滅状態に追いやった「深淵の者」相手に10年も逃げることができたのか、という疑問も生まれます。
もし10年も経っていないとすれば、バモラの実年齢は見た目よりもずっと幼い可能性も考えられます。
これらの謎は、今後の物語で明かされていくかもしれません。
まとめ
宇宙からやってきたシュメール人、バモラは、その可愛らしい見た目とは裏腹に、故郷を失った悲しい過去と、それを乗り越えて生きる強さを持つキャラクターです。
特撮要素がふんだんに盛り込まれた怪獣スーツを操り、強力な戦闘能力を発揮する一方で、オカルンへの一途な恋心や、仲間への純粋な優しさを見せるなど、そのギャップが多くの読者を惹きつけています。
「深淵の者」との戦いが激化する中で、バモラはモモたちを救い、スパイではない亡命者としての真実を明かしました。
母バンガが生きているという希望も示され、今後の物語でバモラがどのように成長し、その謎が解き明かされていくのか、目が離せませんね!
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