
『メイドインアビス』とは?可愛さの裏に潜む奈落の物語
つくしあきひと先生が手がける『メイドインアビス』は、竹書房のウェブコミック配信サイト『WEBコミックガンマ』で連載中のダークファンタジー作品です。
柔らかなタッチで描かれた可愛らしいキャラクターと、緻密に描き込まれた美しい背景が魅力ですが、そのビジュアルからは想像もつかないほど過酷でグロテスクな描写が随所に散りばめられています。
この強烈なギャップが、多くの読者にトラウマを植え付けつつも、中毒的な人気を誇る理由の一つとなっています。
物語は、孤児院で暮らす少女リコと、記憶を失った少年型ロボットのレグが、人類最後の秘境と称される巨大な縦穴「アビス」の底を目指す冒険を描いています。
アビスには、不思議な原生生物や遺物、そして探窟家たちを苦しめる「呪い」が存在し、彼らの旅は常に危険と隣り合わせです。
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『メイドインアビス』が鬱展開と言われる理由
『メイドインアビス』には、見ているだけで心がえぐられるような鬱展開や、目を覆いたくなるようなグロいシーンが数多く登場します。
特にアニメ版では、美しい作画と声優陣の迫真の演技が相まって、その描写はさらに強調され、視聴者に深い衝撃を与えました。
なぜこの作品は、これほどまでに残酷な物語を描いているのでしょうか?
1. 少年少女の冒険が過酷すぎる
『メイドインアビス』は、10代の少年少女が主人公です。
にもかかわらず、彼らは原生生物に襲われ、毒に侵され、体の一部を失うほどの致命傷を負います。
アビスで起きる出来事は予測不能で、その都度、仲間同士で協力して乗り越えますが、その過程で常に命の危険に晒されます。
リコがタマウガチの毒を受けて左腕を切断しようとするシーンや、レグがボンドルドによって解体されるシーンなどは、その壮絶さから読者に強いトラウマを与えました。
無垢な少年少女が悲惨な目に遭う様子は、多くの読者の心を強く揺さぶり、鬱展開の代表例とされています。
2. 登場人物が抱える悲惨な過去
物語に登場するキャラクターたちは、皆それぞれに悲惨な過去を背負っています。
主人公のリコは、死産として生まれたものの、アビスの遺物「呪い除けの籠」によって命を吹き返しました。
彼女の出生の秘密は、探窟家オーゼンによって明かされますが、その際に見る動物の死体の描写は、多くの読者に恐怖を植え付けました。
また、リコたちと旅を共にする成れ果て、ナナチも、人間だった頃にボンドルドの非道な人体実験の犠牲となり、親友ミーティに上昇負荷の呪いを押し付ける形で生き延びました。
このような、登場人物たちが抱える壮絶な過去が、物語に深い悲しみと絶望をもたらし、読者の心を締め付けます。
3. 生と死の境界線が曖昧なアビスの世界観
アビスは、探窟家を死へと追いやる場所であると同時に、生命の概念が地上とは異なる世界です。
ナナチの親友ミーティは、不死の力を得て何をしても死ねない存在となりました。
ボンドルドは「精神隷属機(ゾアホリック)」という遺物を使って、複数の分身体を作り出し、肉体を失っても存在し続けることができます。
そして、イルミューイの願いによって生まれた異形の赤ん坊たちや、成れ果て村の住人たちのように、アビスの力によって生と死の境界線が曖昧になった存在が多数登場します。
このような設定は、読者に「死んだら終わり」という常識を覆し、アビスの恐ろしさと不条理さをより強く感じさせます。
『メイドインアビス』屈指のトラウマシーン
ここでは、特に多くの読者にトラウマを植え付けた、作中屈指のグロいシーンをいくつか紹介します。
1. リコの左腕を切断するシーン
深界四層でタマウガチに襲われたリコは、毒が全身に回る前に左腕を切断しようとします。
レグに「骨を折って」と指示し、実際にレグがリコの腕をへし折る描写は、その音や悲鳴も相まって、アニメでもっとも痛々しいシーンの一つとして知られています。
このシーンは、多くの視聴者に『メイドインアビス』がただのファンタジーではないことを痛感させました。
2. ナナチとミーティの実験シーン
ナナチとミーティがボンドルドの実験台となり、深界六層からの上昇負荷を受けるシーンは、全編の中でも一二を争う鬱展開として有名です。
ミーティが呪いを一身に受け、悲痛な叫び声を上げながら徐々に異形の姿へと変貌していく様子は、見る者に大きな衝撃と絶望を与えました。
また、ミーティの不死性を解明するために、ボンドルドが彼女に凄惨な実験を繰り返す描写も、ナナチの絶望と読者の心を深くえぐりました。
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3. プルシュカのカートリッジ化
ボンドルドに娘として育てられたプルシュカは、彼が上昇負荷を回避するための「カートリッジ」にされてしまいます。
生きたまま人間を解体し、液体状にしてケースに詰めるという恐ろしい描写は、多くの読者にトラウマを植え付けました。
この時、リコが発した「プルシュカがこぼれちゃう」というセリフは、作品を象徴する言葉としてファンの間で語り継がれています。
4. イルミューイの悲劇
成れ果て村の成り立ちが明らかになるイルミューイの過去は、物語の中でも特に悲しく、残酷なエピソードです。
子どもが産めない体だったイルミューイは、欲望の遺物を使って願いを叶えますが、生まれてくるのはすぐに死んでしまう異形の赤ん坊ばかりでした。
さらに、飢えに苦しむガンジャ隊のメンバーのために、ワズキャンはイルミューイが産んだ赤ん坊を毎日取り上げて食料として提供します。
我が子を目の前で殺され続けるイルミューイの悲劇は、読者の心を打ち砕きました。
『メイドインアビス』のボンドルドは死亡したのか?
『メイドインアビス』の登場人物の中でも、特にファンの間で評価が分かれるのが白笛の探窟家、ボンドルドです。
彼は「黎明卿」の異名を持ち、アビスの真実を追い求めるためなら、非道な人体実験も厭わない冷酷な人物として描かれています。
リコとレグは、彼の拠点である「前線基地(イドフロント)」で壮絶な戦いを繰り広げます。
レグの必殺技「火葬砲(インシネレーター)」を直接受けたボンドルドは、一見死亡したように見えました。
しかし、ボンドルドは「精神隷属機(ゾアホリック)」という特級遺物を使って、自分の意識を複数の分身体に転写していました。
レグに倒されたのはあくまで一つの肉体にすぎず、「ボンドルド」という概念そのものは生き続けているのです。
ナナチがゾアホリックを破壊したことで、これ以上ボンドルドの分身が増えることはなくなりましたが、物語の終盤でも、彼の意志を継いだ新たな「ボンドルド」がリコたちの前に姿を現しました。
ボンドルドは肉体的な死を迎えても、その探究心と存在はアビスの中に残り続けていると言えるでしょう。
ナナチは女の子?性別と人気の秘密
『メイドインアビス』のキャラクターの中でも、特に高い人気を誇るのがナナチです。
全身を覆う柔らかな体毛と、可愛らしい容姿から、ファンの中では彼女の性別について議論されることがよくあります。
ボンドルドの実験を受ける前は人間の少年でしたが、ナナチは自身の性別を「成れ果て」であるためどちらでもない、というような意味合いの発言をしています。
性別は不明ですが、その愛らしい外見と、冷静沈着な性格、そしてレグやリコに対する深い思いやりを持つギャップが、多くのファンを魅了しています。
ナナチとミーティのエピソードは、作品の持つ残酷さと感動が凝縮されており、多くの読者の心を強く揺さぶりました。
ナナチの存在は、『メイドインアビス』という作品に、絶望の中にも確かに存在する希望と絆を示していると言えるでしょう。
鬱展開やグロいシーンがこの作品に必要な理由
これほどまでに過激な描写が多い『メイドインアビス』ですが、これらの鬱展開やグロ要素は、単なるショック描写ではありません。
それらは、この作品の世界観を形作る上で不可欠な要素です。
1. 冒険の真実と覚悟を示すため
『メイドインアビス』は、「未知の世界を旅する」ことの厳しさを徹底的に描いています。
アビスという場所は、美しい景色や不思議な生き物だけでなく、死と隣り合わせの危険が常に存在する場所です。
これらのグロいシーンは、リコたちがアビスの底を目指すという行為が、どれほど覚悟のいる、命がけの冒険であるかを読者に伝える上で重要な役割を果たしています。
物語の残酷な側面を受け入れることで、リコたちが困難を乗り越えた時の達成感や感動は、より一層大きなものとなります。
2. 未知の世界の魅力を表現するため
アビスに存在する原生生物や成れ果ては、地上では考えられないような姿や生態をしています。
これらのグロテスクな生命体は、読者の想像力を掻き立て、「未知の世界」の不気味さ、そしてそこに潜む奥深さを表現しています。
人々が未知のものや不気味なものに惹かれる心理を利用し、読者を『メイドインアビス』の世界に深く引き込んでいるのです。
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まとめ
『メイドインアビス』は、可愛らしい絵柄と、トラウマ級のグロいシーンや鬱展開のギャップが特徴的な作品です。
これらの過酷な描写は、単なる見せ物ではなく、アビスという世界の不条理さ、そして冒険の厳しさを表現するために不可欠な要素でした。
多くの読者がその残酷さに心を痛めながらも、作品に惹かれるのは、その奥にある少年少女の勇気と、未知に挑む冒険の真実が描かれているからでしょう。
『メイドインアビス』は、精神的に鍛えられる作品と言われるほど過酷な物語ですが、その分、登場人物の感情や決断、そして彼らが築く絆は、深く、そして温かく心に響きます。
もし未読、未視聴の方がいたら、ぜひ一度その世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
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