
週刊少年ジャンプの看板作品であり、世界中で愛され続ける海洋冒険ロマン『ONE PIECE(ワンピース)』。
物語の最終章に突入し、麦わらの一味はエッグヘッド島で世界最大の頭脳を持つ天才科学者ベガパンクと出会いました。
ベガパンクは、自身の巨大な脳を切り離し、自立型思考を持つ分身(サテライト)を6体生み出しており、それぞれがベガパンクの異なる人格を反映させています。
中でも、ひときわ目を引くのが、暴力的な性格を持つ05暴アトラスです。
かわいい見た目とは裏腹に桁外れの戦闘力を持ち、ルフィに拳を突き出した衝撃的な登場シーンは、多くの読者に強烈な印象を残しました。
一方で、そのボディには「06」と表記されている箇所があり、「05」との矛盾から読者間で大きな議論を呼んでいます。
本記事では、ベガパンクのサテライト、05暴アトラスの強さの秘密、名前や外見の元ネタ・モデル、そして表記の間違いに隠された謎について徹底的に考察します。
ワンピースの作品情報
まず、ベガパンクのサテライトたちが登場するワンピースの概要とあらすじを確認しておきましょう。
ワンピースの概要
「ワンピ」の略称で親しまれる「ワンピース」は、漫画家・尾田栄一郎による海洋冒険ロマン作品です。
1997年に連載が開始されて以来、週刊少年ジャンプの看板作品として大ヒットを記録し続けています。
単行本は2025年9月現在までに計113巻が刊行され、2022年8月には国内累計発行部数が4億部を突破し、国内最高記録を更新しました。
世界各国をモチーフとした国々や緻密な世界観、物語全体にまたがる謎解き要素が老若男女問わず幅広い世代に愛される要因です。
国外でも高い人気を誇り、60以上の国と地域で翻訳版が刊行されています。
ワンピースのあらすじ
海賊王が残した「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を求めて、モンキー・D・ルフィ率いる麦わらの一味は偉大なる航路(グランドライン)に旅立ちます。
ライバル海賊との戦いや新たな仲間との出会い、大切な人との別れを経た一味の旅は、四皇のカイドウとビッグマムを倒し、ルフィが四皇入りを果たすなど、大きな転換期を迎えました。
旅が終盤に差し掛かる中、一味が上陸したエッグヘッド島でベガパンクと彼のサテライトたちとの運命の出会いを果たすのです。
ベガパンクのプロフィールとサテライト
ワンピース世界の科学を500年先まで進めた天才と呼ばれるベガパンク。
彼の本体と分身であるサテライトについて解説します。
ベガパンクのプロフィール
| 異名 | 世界最大の頭脳を持つ男 |
| 初登場(名前) | 45巻433話 |
| 本格登場 | 1060話 エッグヘッド編 |
| 能力 | ノミノミの実の能力者(脳が巨大化する) |
| 所属 | 海軍特殊科学班(SSG)班長 |
ベガパンクは、45巻433話で名前が登場して以来、その姿は長らく伏せられていました。
1060話のエッグヘッド編で本格登場を果たし、ノミノミの実の能力者と判明します。
肥大化した脳を切り取り、自身の分身であるサテライトを生み出す奇妙な姿をしています。
彼を知る者からはマッドサイエンティストとも噂されましたが、天才科学者らしからぬコミカルなキャラが読者の興味を掻き立てる存在です。
ベガパンクのその他のサテライト一覧(サテライト概要)
ベガパンクの本体をステラ(惑星)に例え、分身である6体のクローンはサテライト(衛星・猫)と呼ばれています。
本体の性格や欲求が反映され、個性豊かなキャラクター性を見せています。
サテライト① 01正シャカ
ベガパンクの正義の性格が組み込まれたサテライトで、防護スーツを着用しています。
他のサテライトを制止するなど、彼らのリーダー的存在と推測されます。
正義感の強さから世界政府や海軍に協力的な一方、本体のベガパンクには反抗的です。
独自の行動として、革命軍のドラゴンと無線で連絡を取ったり、生存が判明したサウロの身を案じるなど、謎の多い一面も持ち合わせています。
01正シャカのモデル・元ネタは、釈迦如来と推測されます。
サテライト② 02悪リリス
麦わらの一味が最初に出会ったサテライトであり、ベガパンクの悪や残忍な性格を持ちます。
ボーイッシュな美少女の外見で、エッグヘッドに到着直前に巨大なロボットから出現し、自らをベガパンクと名乗りました。
悪の性格から財宝を奪おうと試みたり、世界政府や海軍に対しても反抗的な考えを示しています。
彼女の「悪」には、頭の悪さも含まれていると考えられ、ベガパンクの欠点が反映されたサテライトでしょう。
リリスのモデル・元ネタは、ユダヤの伝承で語られる女性の悪霊・リリスと推測されます。
サテライト③ 03想エジソン
サテライトの中では珍しいロボットタイプです。
ベガパンクの発想の性格を持ち、新たな発明のアイデアを生み出し、図面に書くことを得意としています。
一人称が「ワイ」で、関西弁を話すコミカルなキャラクター性がかわいらしい存在です。
03想エジソンのモデル・元ネタは、発明王ことトーマス・エジソンと推測されます。
ベガパンクの本体がテスラと呼ばれていることから、二コラ・テスラとの因縁を彷彿とさせ、2人の関係が他のサテライトとは異なるという見方もあります。
サテライト④ 04知ピタゴラス
ベガパンクの知識面を持つサテライトで、実験データの収集や解析を得意としています。
03想エジソンのアイデアをインプットする役目を担っており、エジソンと対を成す存在でしょう。
頭頂部にぜんまいを施した姿が特徴で、エジソンに対して敬語を使っています。
04知ピタゴラスのモデル・元ネタは、古代ギリシャの哲学者・ピタゴラスと推測されます。
サテライト⑤ 06欲ヨーク
ベガパンクの欲求の人格で、他のサテライトの食事・排泄・睡眠(KDN)を代行するサテライトです。
そばかすがチャームポイントの美少女で、「KDN」という指令を合図に行動を開始します。
彼女の登場によって、ルフィが遭遇したアトラスの「06」表記に関する謎がさらに深まることになりました。
ベガパンクの05暴アトラスとは?
ここからは、本記事の主役である05暴アトラスに焦点を当てて解説と考察を深めます。
05暴アトラスのプロフィール
| 名前 | アトラス |
| ナンバー | 05 |
| 性格 | 暴力(凶暴) |
| 外見の特徴 | 身長3m超えの長身、ツートンカラーのくせっ毛、しっぽ |
| 初登場 | 1062話 |
ベガパンクの分身であるサテライトの一人、アトラスは、ベガパンクの暴力的な性格を反映させた分身です。
1062話で登場し、身長3mを越える長身と、ツートンカラーが特徴のくせっ毛が外見の特徴です。
かわいい見た目をしているにも関わらず、男勝りな性格で、その戦闘シーンでは驚異的な強さを発揮しています。
05暴アトラスの強さ
目の前の人物をホログラムだと思い込み、拳を突き出したルフィ。
しかし、殴った相手は、ベガパンクのサテライトの中でもっとも凶暴なアトラスでした。
怒りに任せてルフィを殴り飛ばし、彼の顔に傷をつけるほどの怪力を見せています。
「ゴム人間」のルフィに覇気を纏わない攻撃は通用しないというのがこれまでの常識でしたが、アトラスはそれを覆しました。
この描写から、アトラスは覇気をコントロールできる能力がプログラミングされた個体、もしくは科学の力でゴムの性質を超える攻撃力を獲得していると推測されます。
サテライト中でも最強の戦闘力を誇るアトラスの能力は、ベガパンクの科学力の集大成の一つと言えるでしょう。
05暴アトラスの元ネタやモデル
アトラスの名前のモデルは、ギリシャ神話の神アトラスと推測されます。
神話に登場するアトラスは、巨体で並外れた怪力を持つ神であり、天空を支える役割を担っています。
巨大なサイズと暴力を司るアトラスの設定は、この神話が元ネタになっているでしょう。
また、「アトラス」は英語で「地図帳」を意味し、地理学者メルカトルが地図帳にこの神の名前を付けたことが由来です。
一方で、アトラスの見た目は、腕と足が太く描かれていることから、手塚治虫作品の人気キャラクター「鉄腕アトム」に似ているという指摘もあります。
体形やパワー、さらにツートンカラーの髪色はブラックジャックを彷彿とさせるなど、手塚治虫作品のキャラクターがモデル・元ネタという考察も根強く支持されています。
05暴アトラスの06表記は間違い?
作中のセリフでは、「05」と表記されているアトラスですが、ボディに記載された数字は「06」となっている箇所があります。
「05暴アトラス」という紹介から、「06」表記は作画の間違いだと推測するのが自然な見方です。
しかし、サテライトの説明図に間違いがあり、本当は「06」の可能性も否定できません。
実際に「06」には「欲ヨーク」が存在しているため、矛盾が生じています。
単行本で「06」の箇所が修正されるのか、この矛盾が今後物語の伏線として回収されるのか、読者の注目が集まっています。
ベガパンクの過去と研究内容
ベガパンクの天才的な頭脳は、彼の過去と研究に深く関わっています。
サテライトを生み出すに至った彼の背景を掘り下げてみましょう。
ベガパンクの出身地や過去(未来国バルジモアとの関係)
ベガパンクの出身地は、偉大なる航路にある未来国バルジモアのからくり島でした。
雪が降りしきる極寒の冬島に生まれたベガパンクは、島を快適にするために「島ごと温める土暖房システム」を思いつき、設計図を書き上げています。
技術力や費用の問題でアイデアは実現しませんでしたが、彼の優しさが島の人々の心を温めました。
このバルジモアは、フランキーがバーソロミュー・くまに飛ばされ着陸した場所でもあります。
フランキーはここでベガパンクの研究資料を発見し、2年間を過ごしたことが描かれており、物語における重要な場所となっています。
ベガパンクの登場回(シルエットから本登場まで)
ベガパンクの名前は45巻433話で初めて言及されましたが、その姿は長らく謎に包まれていました。
50巻485話と69巻684話ではシルエットが明かされ、怪しい雰囲気を醸していましたが、性別は作中のセリフから男性と断定されていました。
そして、1061話でようやく姿が披露されるも、まさかの女性という衝撃的な登場でした。
彼女の正体はサテライト02悪リリスと判明し、天才科学者らしからぬキャラデザとコミカルなキャラが、読者の興味を掻き立てる展開となりました。
ベガパンクはMADSに所属していた?
ベガパンクは、詳細不明の組織MADSの元メンバーだった可能性が極めて高いと考えられています。
MADSは違法で非人道的な研究を行っていた組織と考察され、ベガパンクと接点のあるキャラの研究分野がその根拠です。
元MADSと推測されるジャッジは、人体の改造やクローンの製造を得意とする科学者でした。
ベガパンクの逮捕理由は、生命の設計図「血統因子」の発見と言われ、その成果を世界政府が危険視したためとされています。
当時のMADSには、百獣海賊団のクイーンやシーザークラウンの所属も推測され、ベガパンクの研究が彼らの研究に大きな影響を与えていました。
ベガパンクは現在SSGに所属?
違法な研究で逮捕されたベガパンクですが、後に海軍特殊科学班(SSG)の班長に就任したことが判明します。
SSGは、王下七武海に代わる戦力と評される新組織であり、海軍大将藤虎と緑牛の会話で登場しました。
ベガパンクは、新パシフィスタのセラフィムなど、海軍の新兵器の開発に携わっていると考えられ、世界政府の科学技術部門のトップとして活動しています。
ベガパンクの研究内容
ベガパンクの研究内容は、ワンピース世界の根幹に関わる謎を解明するヒントが詰まっています。
カームベルトの走行を可能にした海楼石の加工や、バーソロミュー・くまをベースにしたサイボーグ兵器「パシフィスタ」の開発は有名です。
また、悪魔の実の研究も欠かせません。
無機物に悪魔の実を食べさせて能力を与える技術や、血統因子を応用した人造悪魔の実の開発に成功しています。
幻獣種のウオウオの実をベースにした人造悪魔の実は、モモの助の例からオリジナルに引けを取らない完成度を誇っていますが、ベガパンクは「失敗作」と評しました。
これは、研究がタブーとされていたため、またはその技術を悪用されることを防ぐためだと考えられ、彼の複雑な心情が垣間見えます。
ベガパンクの功績であるパシフィスタとは?
パシフィスタは、バーソロミュー・くまをプロトタイプとする人間兵器であり、個体は「PX-数字」で識別されています。
見た目はくまにそっくりであるものの、身体は鋼鉄以上の硬度を誇っています。
戦闘では、口と手掌から高熱のビームを発することが可能で、海賊たちから恐れられていました。
また、パシフィスタには、賞金首に関する情報もインプットされ、顔と名前、懸賞金を識別できる機能も備わっています。
新世界編では、王下七武海の遺伝子を組み込んだ新パシフィスタ、「セラフィム」を開発し、その脅威はさらに増しています。
ベガパンクの正体に関する考察
世界政府の人間でありながら、革命軍との関係が示唆されたベガパンクの正体は、物語の大きな謎の一つです。
ベガパンクの正体は革命軍?
ベガパンクの正体が革命軍と言われる理由は、バーソロミュー・くまとの関係にあります。
革命軍の幹部であったくまが、世界政府おかかえの科学者の実験台になったのは、非常に不自然です。
もし、ベガパンクが革命軍の人間であった場合、くまの行動に不自然さがなくなります。
実際、ベガパンクは人格を失う前のくまと約束を交わし、麦わらの一味が再集結するまでサニー号を守るプログラミングを施しています。
さらに、エッグヘッド編では、革命軍のドラゴンと連絡を取るシーンが描写され、ベガパンクの革命軍説の根拠を強めています。
ベガパンクの正体は未来人?
ベガパンクの科学力は、「人類が500年かけて到達する域」と説明されています。
この説明から、ベガパンクは500年後の未来から来た、いわゆる「未来人」と解釈する見方もあります。
彼が現代に来た理由は、世界がひっくり返るような大戦に関わっていると予想されます。
過去の大戦に干渉することで、最悪な未来を変えようとしているという考察は、彼の並外れた科学力を説明する説として注目されています。
ベガパンクの正体は月の民?
ベガパンクの故郷である未来国バルジモアは、天才科学者ツキミ博士の故郷でもあります。
ツキミ博士は、扉絵シリーズ「エネルのスペース大作戦」のカラクリロボット開発者であり、月との関連が深いキャラクターです。
月の古代都市には、ツキミ博士が作ったロボットと似たロボットが保管されており、ツキミ博士の科学力の正体は「月の力」と考察されています。
このことから、ベガパンクも「月の民」またはその末裔と関連があるという考察が浮上しています。
ただし、ベガパンクとツキミ博士の出身地の環境が異なっている点など、まだ謎が多く残されています。
05暴アトラスに関する感想と評価
ベガパンクのサテライトの中でも、特に戦闘力とかわいらしさで注目された05暴アトラスに関する読者の感想と評価を見ていきましょう。
感想1:アトラスがかわいい
丸みを帯びたかわいらしいキャラデザと、男勝りな性格とのギャップが、アトラスの大きな魅力の一つです。
ワンピースファンからは「かわいい」という多くの声が寄せられており、サテライト中でも高い人気を誇っています。
ギリシャ神話の神を元ネタと推測されるも、それらを感じさせない親しみやすい見た目が、彼女の人気の要因でしょう。
感想2:「06」の表記が気になる(作画ミスの可能性)
アトラスのボディに「06」と表記されていたことは、ベガパンクのサテライトの番号が個別に決まっているため、読者の間で大きな話題となりました。
「06」は欲ヨークの数字であるため、作画ミスと捉える見方が多くあります。
しかし、単なるミスではなく、何か意味のある描写だった場合、物語の奥深さを示唆する可能性も否定できません。
単行本での修正の有無が、その真意を測る鍵となるでしょう。
感想3:アトラスのモデルは手塚治虫作品の人気キャラ?
アトラスの体形やパワーは、手塚治虫作品の「鉄腕アトム」に似ているという指摘があります。
さらに、ツートンカラーの髪色は「ブラックジャック」を彷彿とさせ、キャラデザのモデルは「アトム」とその妹「ウラン」であるという考察もあります。
日本を代表する漫画家の作品からインスピレーションを受けているとすれば、尾田栄一郎の作品への敬意が感じられる興味深い視点です。
まとめ
ベガパンクの分身として登場した05暴アトラスは、その強さとかわいらしさで読者の関心を集めました。
彼女の「暴力」は、単なる物理的な力だけではなく、ベガパンクの科学の力が生み出した驚異的な戦闘力を象徴しています。
「06」表記の謎や、名前や外見のモデルに関する考察は、ベガパンクが持つ過去の闇や、彼の研究の根幹に迫るヒントを含んでいる可能性があります。
ベガパンクのサテライトたちは、それぞれが本体の複雑な人格を表し、彼の研究の真の目的を解き明かす鍵となるでしょう。
最終章の物語が進むにつれ、アトラスたちサテライトの役割と、天才科学者ベガパンクの全貌が明らかになることが期待されます。
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