
ダークファンタジーの金字塔として絶大な人気を誇るライトノベル、オーバーロード。
その中でも特に「残虐」「悲惨」「バッドエンドの極致」と称され、多くの読者に衝撃を与えたのが、小説第7巻にあたる「ワーカー編」です。
主人公アインズ・ウール・ゴウンが、自らの存在を世界に知らしめるために仕掛けた「恐怖の罠」に、一握りの希望を抱いたワーカーたちが次々と飲み込まれていく様は、まさに圧巻の一言でした。
本記事では、このワーカー編の詳細なあらすじをネタバレでご紹介するとともに、物語の中心となったワーカーチーム「フォーサイト」のメンバーたちや、他のワーカーチームがどのような結末を迎えたのかを徹底解説します。
さらに、このエピソードがなぜファンからこれほどまでに語り継がれ、「自業自得」か「あまりに不運」かで議論が分かれるのかについても考察していきます。
オーバーロードとは?:ダークファンタジーの金字塔
オーバーロードは、丸山くがねによるライトノベルが原作であり、エンターブレインから小説が刊行されています。
小説が発売される前から、ウェブ版が小説投稿サイト「Arcadia」(後に「小説家になろう」が中心)で連載されておりました。
小説とウェブ版で基本的な設定は共有していますが、ストーリーの展開や、登場人物(及び迎えるキャラクターが迎える結末)に違いが生じているため、それぞれ別作品として楽しめるのが特徴です。
また、小説の他に2015年にはアニメ化され、その後は劇場版の総集編も公開されました。
オーバーロードのあらすじ:魔王アインズの誕生
物語は、環境破壊が進み貧困層にとっては過酷な環境下で生きるしかない現実世界で、長いこと人気を博していたDMMO-RPGの「ユグドラシル」が、遂にサービス終了の時を迎えようとしているところから始まります。
ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」のギルド長であった鈴木悟(すずき さとる)ことハンドルネーム「モモンガ」は、サービス終了の瞬間をゲーム内で過ごそうと、ユグドラシルにログインしていました。
ログアウトの時間を過ぎて目を覚ましたモモンガの目の前に広がっていたのは、ユグドラシルのようで何かが違う異世界でした。
NPCだったはずのキャラクターたちが自我を持って行動し、モモンガがアバターとして設定していただけの、異業種であるアンデットがモモンガ自身の体そのものとなってしまっていたのです。
ゲームの設定そのままに異世界へと転移してしまったモモンガは、かつての仲間たちも転移しているかもしれないと考え、拠点であるナザリック地下大墳墓の勢力をもって新たな世界で行動を起こし始めます。
ギルド名であったアインズ・ウール・ゴウンを名乗ることになったモモンガ、この世界において強大すぎるモモンガたちの力は、やがて世界に大きな混乱をもたらすとも知らずに物語は進んでいきます。
オーバーロードのワーカー編7巻のあらすじネタバレ
ワーカーとは?:アンダーグラウンドの稼ぎ手
オーバーロードの世界には、正当な依頼を受けて報酬を得る「冒険者」と呼ばれる職業が存在します。
これに対し、ワーカーとは、冒険者には依頼できないような「犯罪行為」を請け負う、アンダーグラウンドな領域で仕事をする集団のことを指します。
彼らの仕事は、違法な遺跡探索や盗掘など、危険と隣り合わせなものが多く、正義感よりも報酬を重視して行動するのが特徴です。
7巻ネタバレ① プロローグ:ナザリックの奸計が動き出す
リ・エスティーゼ王国での「ヤルダバオト侵攻」という、アインズたちが起こした究極のマッチポンプが一段落した後、ナザリックでは次の行動が議論されていました。
仲間がいるかどうか探したいだけのアインズに対し、かつてNPCだった家臣たちは、ナザリックの存在をもっと世に知らしめたいと考えます。
そのために、これまではひた隠していたナザリックの存在を、あえて明るみに出すという奸計が動き出すのでした。
これは、「誰がナザリックの脅威に気づくのか」「侵入者がどれほどのレベルで来るのか」をテストするための、アインズたちによる壮大な罠の始まりだったのです。
7巻ネタバレ② 1章:フォーサイト始動とアルシェの借金
舞台はバハルス帝国に移り、ワーカーチーム「フォーサイト」が次なる依頼に動こうとしていました。
リーダーはヘッケラン・ターマイト。
彼らが受けた依頼は、敵対している王国の国土で突如として発見された謎の地下墳墓の調査で、帝国の伯爵から舞い込んだものでした。
未発見の墳墓ということでお宝にも期待ができますが、他のワーカーチームにも依頼がきており、引っかかる点もある依頼ではありました。
ヘッケランが依頼を受ける決定打となったのは、チームメンバーであるアルシェが、多額の借金をしていると告白したことでした。
没落した貴族の家柄であるアルシェの両親は、体裁を保つために美術品などを買い集めて豪華な生活を維持しており、その元手はタチの悪い金貸しからの借金でした。
アルシェは、ヘッケランたちの与り知らぬところで、ワーカーの仕事で必死にその借金を返していたのです。
彼女の切羽詰まった状況と、家族を思う気持ちが、彼らをナザリックという破滅へと導くことになります。
7巻ネタバレ③ 2章:アダマンタイト級冒険者モモンの登場
同じく地下墳墓の調査を依頼されたワーカーチームの中には、「ヘビーマッシャー」や「天武」といったヘッケランも既知のチームや、齢80歳にもなるベテランのパルパトラも含まれていました。
そして依頼人の執事からは、調査には冒険者も同行する旨がワーカーたちに伝えられます。
冒険者の腕は確かなのかと訝しむワーカーたちのもとに現れたのは、最高ランクであるアダマンタイト級冒険者であるモモンだったのです。
パルパトラの要望で腕試しをして圧倒的な実力を見せつけたモモンに対し、ワーカーたちもその実力に納得せざるを得ません。
その後、目的の地下墳墓に到着したワーカー一行は、夜になったら侵入を決行することにします。
四方から各チームに別れて周囲の霊廟を探索し、その後中央にある霊廟で落ち合うという手筈です。
その様子を遠目から見守るモモンは、元の姿であるアインズに戻り、転移によりナザリックに帰還します。
ナザリックが発見されワーカーたちに調査させることは、アインズたちによって織り込み済みの事態だったのです。
つまり、ワーカーたちを迎撃する準備は万全だということを、ワーカーたちは知る由もないのでした。
7巻ネタバレ④ 3章:ワーカーチームの壊滅
地下墳墓に侵入し、そこに現れたスケルトンたちと戦闘を開始するワーカーチーム。
しかし、彼らが侵入したのは、この世界の常識を遥かに超えた強者が待つ、レベル100のギルドの本拠地でした。
先に皆を先行させて様子見をしていたパルパトラたちの前に、ナザリックの誇る戦闘メイド「プレアデス」のメンバーが姿を現します。
彼女たちは戦闘をする意思を見せませんでしたが、その様子から彼女たちを侮ったパルパトラは、その場に召喚されたスケルトンの集団によって、あっという間に全滅してしまいます。
一方、グリンガムたちヘビーマッシャーの面々は、エルダーリッチと交戦した後に散り散りとなってしまいます。
リーダーのグリンガムは、30センチほどの直立するゴキブリである恐怖公の部屋に閉じ込められ、大量のゴキブリに体一面を覆われてそのまま餌となってしまうという、想像を絶する最期を迎えます。
また、とあるヘビーマッシャーのメンバーは、ナザリックの特別情報収集官(拷問官)であるニューロストに捕らえられ、想像を絶する拷問を受けることになるのでした。
エルヤーたち天武は、魔獣ハムスケと対峙していました。
自分の腕試しだとのたまうハムスケに激昂するエルヤーでしたが、仲間のエルフに補助魔法をかけてもらってもハムスケとの実力差を埋めることはできません。
結局、ハムスケの技術が向上しているのかをテストする恰好の練習相手として、あっさり瞬殺されてしまうのでした。
7巻ネタバレ⑤ 4章:アインズとの対決と帝国の脅迫
自分たち以外のワーカーチームが全滅していることなど全く知らないヘッケランたちフォーサイトは、突如として闘技場のような場所に転移されてしまいます。
そこに対戦者として現れたのは、ナザリックの主であるアインズその人でした。
何とかこの場を凌ぐため、勝手に侵入したことを詫びるヘッケランですが、アインズは聞く耳をもちません。
そこでヘッケランは、「ここに来ることの許可をもらっている」というブラフを告げますが、さらに「アインズによろしく」と言っていたと伝えてしまいます。
自分(モモンガ)のことを「アインズ」と呼ぶことはあり得ず、この言葉がアインズの怒りの琴線に触れてしまいます。
フォーサイト4人とアインズによる戦闘が始まりますが、魔法詠唱者であるアインズに対して、近接戦でも全く対抗できません。
意を決したヘッケランたちは、仲間のアルシェだけでも逃すことにするのでした。
しかし、そのアルシェもナザリックから脱出することは叶わず、愚かにもナザリックへの侵入を試みたワーカーの面々は、1人も生きて帝国へと戻る者はいなかったのでした。
今回の迎撃テストの結果に満足したアインズは次なる一手として、ワーカーを仕向けてきた帝国に対して謝罪に出向いてこい、そうでなければ帝国を滅ぼすと脅しをかけるのでした。
「圧倒的な力の差」と「問答無用の非情さ」が際立つ、ワーカー編はこうして幕を閉じるのです。
オーバーロードのフォーサイトの紹介:バランスの取れた最凶の運命
フォーサイトとは?:男女2人ずつの均衡チーム
ワーカー編の中心となったチーム「フォーサイト」は、戦士、レンジャー、信仰系魔法詠唱者、魔力系魔法詠唱者というバランスの取れた構成で、男女各2人ずつで構成されていました。
圧倒的な実力差で一切のダメージは与えられませんでしたが、アインズ戦では連携のとれた攻撃を披露しており、ワーカーの中では高い実力を持ったチームであったことが伺えます。
フォーサイトの結末とアインズ戦
フォーサイトも、あらすじネタバレでご紹介した通り、不幸にもアインズの対戦相手に選ばれてしまいます。
この時のアインズは、ワーカーたちを生きたまま捕獲するために様々な制限をかけたハンデ戦の状態でしたが、それでもフォーサイトが勝利することは叶いませんでした。
彼らがナザリックの恐怖の実験台として利用された結末は、オーバーロードという物語の「非情さ」を象徴しています。
メンバー① ヘッケラン:悲惨な最期を遂げたリーダー
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 職業 | 戦士(二刀流) |
| 人間関係 | イミーナと恋仲 |
| 結末 | 餓食狐蟲王の巣の材料に |
フォーサイトのリーダーであるヘッケランは、二刀流の戦士であり、イミーナとは恋仲の関係にありました。
アインズ戦では、真っ先に麻痺で戦闘不能となり、生きたままナザリック第7階層の支配者である餓食狐蟲王(がしょくこちゅうおう)が管理する巣の材料とされてしまうという、最も残虐な結末の一つを迎えます。
彼が最期まで見せたリーダーとしての責任感と、イミーナを想う一途な愛は、読者の涙を誘いました。
メンバー② イミーナ:愛する者と共に巣の材料に
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 職業 | レンジャー |
| 種族 | ハーフエルフ |
| 人間関係 | ヘッケランと恋仲、アルシェを気にかける |
| 結末 | 餓食狐蟲王の巣の材料に |
イミーナはハーフエルフのレンジャーで、同じ女性メンバーであるアルシェをよく気にかけています。
アインズとの闘いでアルシェを説得して逃した後は、抵抗虚しく戦闘不能となります。
そして、ヘッケランと同じく餓食狐蟲王の巣の材料となる最期を迎えてしまいます。
愛するヘッケランと同じ運命を辿るという最期は、悲劇的でありながらも、二人の絆の強さを感じさせるものでした。
メンバー③ アルシェ:魔力感知のタレントとナザリックの有効活用
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 職業 | 魔力系魔法詠唱者 |
| 能力 | タレント(魔力感知) |
| 結末 | 苦痛なき死を与えられナザリックのために有効活用 |
魔力系魔法詠唱者であるアルシェは、タレントと呼ばれる固有能力をもっており、相手の魔力を感知することができます。
しかし、その能力が災いして、アインズが魔力の制御を解放した際は、その絶大な魔力に耐え切れずにアルシェは嘔吐してしまいます。
闘技場から逃亡を試みるもシャルティアに捕縛され、アインズの慈悲により苦痛なき死を与えられます。
そしてアルシェの死体は、一片の無駄なくナザリックのために有効活用されることとなります。
彼女の悲劇的な動機(家族の借金)と、ナザリックでの非情な有効活用の対比は、ワーカー編の絶望感を深める大きな要素となっています。
メンバー④ ロバーデイク:人体実験の末に廃人化
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 職業 | 信仰系魔法詠唱者 |
| 特徴 | チームで一番年上、常に落ち着いた態度 |
| 結末 | 記憶操作実験の対象とされ廃人に |
信仰系魔法詠唱者であるロバーデイクは、フォーサイトでも一番年上ということもあり、常に落ち着いた態度でチームをサポートします。
信仰系魔法詠唱者ということにアインズに目を付けられ、信仰する神を別の神だと記憶操作するとどうなるかといった人体実験の対象とされてしまいます。
結果的に、その人体実験の影響で廃人同様の結末を迎えることになります。
「神への信仰」という精神的な拠り所をナザリックによって破壊されるという結末は、精神的・宗教的な側面から読者にトラウマを植え付けました。
オーバーロードのヘビーマッシャーの紹介:大所帯チームの悲劇
ヘビーマッシャーとは?:多人数編成のワーカーチーム
フォーサイトと同じくナザリックへと侵入したワーカーチームの一つに「ヘビーマッシャー」があります。
フォーサイトは4人編成のチームでしたが、ヘビーマッシャーは14人というかなり大所帯なワーカーチームとなります。
組み合わせにより様々な状況に対応できることが強みですが、1人あたりの報酬の分け前が減ってしまうという側面もあります。
なお、ナザリックの調査には5人しか参加していないため、残りの9人は命拾いしたと言えますが、裏を返せば、ナザリックに侵入した5人は最も不運なワーカーだったと言えるでしょう。
グリンガムの性格とリーダーシップ
リーダーのグリンガムは、元々は農家の生まれで、大所帯のヘビーマッシャーをまとめ上げているという点で高いリーダーシップを持ち合わせています。
「我」「汝」といった独特な喋り方をしますが、これは自らやチームが恥をかかないようにするため、威厳を保つことを目的にしております。
ヘビーマッシャーのメンバーしかいない場では、もっとフランクに喋っている場面もあり、仲間想いな一面もあるリーダーでした。
しかし、その強面な外見とは裏腹に、大量のゴキブリに体一面を覆われて餌となるという、凄惨な最期を迎えます。
その他のメンバーと共通の結末
ナザリックにはグリンガムの他に、戦士、盗賊、神官、魔術師が赴きました。
劇中での描写はあまり多くありませんが、結果として生きて帰還できなかったのは全員共通となります。
彼らの中には、ナザリックの拷問官ニューロストに捕らえられ、ナザリックの知識を増やすための素材として利用された者もいます。
オーバーロードの天賦の紹介:傲慢なリーダーと奴隷エルフ
天賦とは?:エルヤーによるワンマンチーム
ワーカーチーム「天武」は、リーダーのエルヤーに加えて、3人のエルフからなる計4人構成のチームでした。
しかしながら、3人のエルフは奴隷であり、実質はエルヤーによるワンマンチームです。
リーダーの支配欲と、奴隷の悲劇という、この世界の闇を象徴するようなチーム構成でした。
エルヤーの性格と傲慢さ
リーダーのエルヤーは、劇中では自信家で、傲慢な発言が目立ちます。
それ故に、周囲からもあまり良い印象を持たれていないことから、あまり相手の気持ちを考えることのない性格でもあります。
傲慢な性格が招いた結果か、彼は魔獣ハムスケの前に立ちはだかり、その腕試しの相手として、あっけなく命を落とすことになります。
奴隷エルフの概要と支援目的
チームメンバーとは名ばかりで、奴隷という隷属関係になっている3人のエルフがいました。
森祭司、レンジャー、神官とそれぞれ別の職業ながら、いずれも近接戦闘ではないことから、エルヤーの支援のみが目的という構成となっております。
彼らは、エルヤーに逆らうことができず、屈辱的な扱いを受けながら、彼のために働かされていました。
エルヤーの死と奴隷たちの解放
そんなエルヤーも、魔獣ハムスケの前に呆気なく命を落とすことになります。
その際、奴隷エルフはエルヤーの死を嘆くことなく、むしろ奴隷から解放されたことから彼の死体を蹴り続けるという、人間性の闇を感じさせる行動をとります。
エルヤーにとっては因果応報な最期であり、彼らの解放は、ワーカー編の唯一の救いとして機能しています。
オーバーロードのパルパトラ紹介:慎重なベテランワーカー
パルパトラとは?:竜狩りのリーダー
パルパトラは、高齢であり、他ワーカーと比べると一風変わっているベテランワーカーです。
小説版ではワーカーチームの名称は不明でしたが、アニメ化にあたり「竜狩り」というワーカーチームのリーダーであることが判明しています。
パルパトラの性格と危険回避の姿勢
パルパトラは、非常に慎重な性格で、ナザリック調査の際にも、敢えて他ワーカーチームを先行させて、どのような危険が潜んでいるかを確認しようとしていました。
財宝をゲットし損ねるリスクもありますが、未知の危険を優先するからこそ、危険と隣り合わせなワーカーという職業を高齢でも続けられているとも言えます。
しかし、その慎重さもナザリックという規格外の存在を前にしては無力でした。
パルパトラの死とワーカー編最初の全滅
慎重ではあったものの、ナザリックではプレアデスの面々と遭遇してしまったのが運の尽きでした。
必死に抵抗を続けるものの、圧倒的な個々の戦力差を覆すには至らず、物語の展開では最初に全滅するワーカーチームとなってしまいました。
彼らの最期は、「どれだけ慎重になっても、運命からは逃れられない」という、ワーカー編の絶望的なテーマを強く印象付けました。
オーバーロードのワーカー編に関する感想や評価は?
感想:残虐描写への耐性と感情移入
オーバーロードのワーカー編は、読者から様々な感想や評価が寄せられています。
特に多いのは、「精神的にグロかったりエグかったりする作風がキツい」という意見です。
元々オーバーロードは残虐な描写が目立つ作品ではありますが、その中でもワーカー編は大人数かつ様々なパターンで悲惨な最期を迎えるため、そういった描写が苦手な人にとっては観るのがキツいという感想もあります。
また、冒頭からワーカー目線での展開が続くため、ワーカーたちに感情移入してしまうケースも少なくありません。
アインズ陣営は元から悪の立場でありますが、ワーカー編では殊更その悪が際立ってしまう構成となっており、「パラレルな世界では、ワーカーのフォーサイトの運命も変わってほしいな。あれはさすがに気の毒だった」と、彼らの不運を嘆く読者も多く見受けられます。
評価:ワーカーたちの「自業自得」という側面
ワーカーたちが可哀想という意見がある一方で、アインズ側の立場にたった評価もあります。
「ワーカーたち被害者の顔をしているが、あれは、常識で言ったら、不法侵入、あれはじつは、全部、自業自得」という意見に見られるように、ワーカーたちが違法な盗掘を目的としてナザリックに侵入したという事実は動かせません。
アインズたちがナザリックを発見されやすく罠を仕掛けたことは事実ですが、そこに不法侵入しようと最終的に決断したのはワーカー自身です。
侵入後に遭遇したものを考えると気の毒ではありますが、ワーカーという職業が持つ「リスク」を自ら引き受けた結果であり、自業自得であるという側面も持ち合わせています。
ワーカー編は、この「ワーカーの正当な欲求と、ナザリックの絶対的な非情さ」の対比を描くことで、アインズという「魔王」の存在を読者に強烈に印象付けたエピソードだったと言えるでしょう。
まとめ
オーバーロードのワーカー編について、あらすじやワーカーたちの迎える結末についてネタバレでご紹介いたしました。
オーバーロードの物語でワーカーという存在が明らかになる展開でしたが、冒険者に比べてアンダーグラウンドな生業であることから、リスクと隣り合わせの立ち位置であることが明確になりました。
しかしながら、今回はそのリスクがこの世界における最大級リスクと言っても過言ではない、アインズ率いるナザリック陣営だったことは不運以外の何物でもありません。
小説の文章内では、より具体的で残虐な描写でワーカーたちの最期を表現しており、「ダークファンタジー」としてのオーバーロードの真骨頂が描かれています。
ワーカー編の悲劇は、単なる悪の勝利ではなく、「弱肉強食」の世界観と、アインズの冷徹な合理性を読者に突きつける、物語のターニングポイントとして位置づけられています。
気になった方は、オーバーロード7巻を是非ご覧になってみてください。
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