
原泰久先生による大人気漫画『キングダム』には、秦の勢力圏外に暮らす「山の民」という存在が登場します。
その中で、山の民の王・楊端和の右腕として、圧倒的な武勇で活躍するキャラクターが、謎多き戦士バジオウです。
常に仮面で素顔を隠しているバジオウですが、時折見せるその顔立ちや、楊端和との深い絆に魅了されている読者は少なくありません。
この記事では、ウェブライターとして、『キングダム』に登場するバジオウの秘められた強さ、その気になる素顔、そして楊端和や信たちとの関係性に迫ります。
さらに、実写映画での描かれ方や、読者の間で語られる彼の人気についても深掘りしていきましょう。
『キングダム』のバジオウとは? その正体と背景
まずは、『キングダム』に登場するバジオウの基本的な情報と、彼の物語における立ち位置について解説していきます。
山の民を束ねる楊端和の右腕
バジオウが『キングダム』に初登場したのは、成蟜の反乱によって政が国を追い出され、援軍として山の民の協力を求めた時です。
楊端和と共に秦の援軍要請を了承し、信と協力して王都奪還に貢献しました。
バジオウは、山の民を束ねる楊端和の右腕として絶大な信頼を寄せられる戦士です。
彼は幼少期、戦で滅んだバジ族の生き残りで、人間を狩って生き延びていた過去を持ちます。
そんな彼を拾い上げ、人間らしさを取り戻させたのが楊端和であり、その経緯からバジオウは楊端和に強い忠誠心を誓っています。
普段は仮面で素顔を隠し、口数も少ないですが、山の民の中では楊端和に次いで唯一人間の言葉を話せる人物であり、信たち味方には友好的に接するよう努めるなど、内面には温かい感情も秘めているようです。
バジオウのプロフィール
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 氏名 | バジオウ |
| 性別 | 男性 |
| 所属 | 楊端和軍(山の民) |
| 特徴 | 仮面を着用、楊端和の右腕、驚異的な身体能力、寡黙、忠誠心が強い |
バジオウは史実に実在した?
『キングダム』の登場人物の多くは、中国史に実在した人物をモデルにしていますが、実はバジオウは史実に存在しない『キングダム』オリジナルのキャラクターです。
史実に記されている山の民は多数いたとされており、有名な部族の族長は名前や活躍が残されています。
しかし、バジオウほどの実績を持った人物は確認されていません。
作者の原泰久先生が、楊端和の側近として魅力的なキャラクターを生み出すために、創作したキャラクターであると考えられています。
史実にはないからこそ、彼の今後の活躍や描かれ方に、読者の期待が高まるという見方もありますね。
『キングダム』作品概要とあらすじ
『キングダム』は、原泰久によって『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で2006年から連載されている大人気漫画作品です。
古代中国の春秋戦国時代末期を舞台に、天下統一を目指す主人公・信と、若き王・嬴政の壮大な戦記が描かれ、多くの読者を魅了しています。
2025年4月時点で累計発行部数は1億1千万部を突破しており、集英社の青年誌としては初の1億部超えを達成しています。
現在、コミックスは2025年3月18日に最新刊となる75巻が発売されています。
この人気に伴い、テレビアニメは2012年から放送が始まり、2024年には第5シリーズが放送されるなど、様々なメディアミックスでファンに親しまれています。
物語は、戦争孤児として下僕生活を送っていた信と漂が、共に「天下の大将軍」になることを夢見て修行に励む日々から始まります。
しかし、漂が秦国の大臣に才能を見出されて仕官した後、深手を負って信の元に戻り、地図と大将軍の夢を託して息を引き取ります。
漂の思いを受け継いだ信は、地図に記された場所へ向かい、そこで後の始皇帝となる若き王・政と出会い、共に中華統一を目指す壮大な旅へと足を踏み出すのでした。
バジオウの素顔と規格外の強さ
バジオウは普段顔を仮面で覆っており、その素顔は謎に包まれていましたが、物語が進行するとその一部が公開され、『キングダム』ファンの間で「かっこいい」と大きな話題になりました。
ここでは、バジオウのかっこいい素顔の描写や、彼の過去に秘められた強さの秘密、そして死亡説の真相についても併せて紹介していきます。
仮面の下はやはりイケメン?
バジオウの素顔の一部が公開されたのは、鄴(ぎょう)攻略戦での出来事です。
楊端和と行動していたバジオウが趙軍に包囲された際、窮地を脱するために楊端和を抱きかかえて対岸の崖までジャンプするという驚異的な身体能力を見せました。
しかし、対岸まで追ってきた犬戎族に踏みつけられ、仮面が割れてしまい片目が公開されました。
顔のすべては描かれなかったものの、バジオウの目つきは非常に男前で、多くのファンから「美形でかっこいい」と絶賛されました。
『キングダム』にはイケメンなルックスをしたキャラクターが多くいますが、バジオウも彼らに埋もれないほどの顔立ちをしていると考える読者が多いでしょう。
いつか仮面が完全に外れた素顔が描かれる日を、多くの読者が期待しています。
バジオウの強さの秘密と過去
山の民は一般人よりも高い身体能力を持っているとされていますが、楊端和の右腕であるバジオウは、その中でも特に強い戦闘力を持っています。
『キングダム』作中では、桁外れの強さを持つ巨人・ランカイに対して、野性的だった昔を思い出し、一時的ながら脅威的な身体能力で彼を圧倒する場面がありました。
彼の強さの秘密は、その過酷な過去にあります。
バジオウは元々バジ族の出身でしたが、戦で部族が滅ぼされてしまい、一人で獣同然の生活を送っていました。
この頃の彼は人間性がほとんど失われ、化け物のように凶暴な状態だったとされています。
そんな彼を救ったのが楊端和でした。
楊端和軍との争いに紛れた際、楊端和に完敗したバジオウは、「人間らしさを取り戻すのであれば、家族として仲間に引き入れよう」という言葉をかけられ、山の民として生きていくことを決意します。
この経験が、バジオウの類稀なる戦闘能力と、楊端和への絶対的な忠誠心を育んだと言えるでしょう。
死亡説の真相は?
読者の間で一時、バジオウの死亡説が囁かれたことがありました。
橑陽城(りょうようじょう)を取ったことで戦が一段落ついた楊端和の元に、鳥牙族のシュンメンがやってきて「バジオウが静かに息を引き取りました」と伝えたシーンがあったためです。
これを聞いて楊端和は驚愕しますが、シュンメンはすぐに「というのは冗談で」と続け、楊端和にボコボコにされてしまいます。
実際にはバジオウは深手を負ってしまったものの、死亡してはいませんでした。
この一件は、バジオウが読者からいかに愛されているキャラクターであるかを象徴するエピソードであり、多くのファンが安堵した瞬間でもありました。
バジオウと楊端和、そして信たちとの関係性
バジオウは主に楊端和や信たちと深い関係を築いており、彼の存在が彼らに大きな影響を与えています。
ここでは、『キングダム』に描かれているバジオウと主要キャラクターたちとの関係性についてまとめていきます。
バジオウと楊端和:固い絆で結ばれた主従関係
幼少期の頃に楊端和と出会ったバジオウは、彼女に勧誘されたことで山の民として生きる道を選びます。
当時のバジオウは人間性がほとんど失われていた状態でしたが、楊端和の教育によって人間性を取り戻し、さらに戦闘と人間の言葉も学びました。
この経験から、バジオウは楊端和の右腕となるほどの強力な戦士へと成長し、人間とも会話できるようになりました。
バジオウにとって楊端和は、命の恩人であり、人間らしさを教えてくれた「家族」のような存在です。
彼女のためならば命も惜しまないという固い忠誠心は、読者からも高く評価されています。

バジオウと信:互いに認め合う戦友
『キングダム』の主人公である信とは、秦国の王都・咸陽(かんよう)を奪還するために共に行動したことで、深い関係を築きました。
王都に向かう際、信がタジフが乗っていたじゃじゃ馬を見事に乗りこなし、バジオウたち山の民を驚かせたエピソードは印象的です。
鄴攻略戦では楊端和軍と飛信隊が共に出陣することになり、そこで再会した二人は、互いの成長を喜び信頼の証として硬い握手を交わしました。
言葉数は少なくとも、互いにその実力と人柄を認め合う、信頼の厚い戦友関係と言えるでしょう。
バジオウとシュンメン:ライバルであり仲間
シュンメンは楊端和の軍に所属する鳥牙族の戦士で、バジオウとは共に戦場で戦う戦友という関係にあります。
王都奪還戦ではお互いに別動隊として動き、成蟜の用心棒・ランカイと共闘する場面もありました。
シュンメンはバジ族であるバジオウにライバル心を抱いているようですが、橑陽の戦いではタジフと共に彼の救出に向かうなど、仲間としての絆も深く描かれています。
そして、前述のバジオウ死亡の嘘をついて楊端和をからかうなど、お茶目な一面も見せており、二人の関係性の良さがうかがえます。
バジオウとタジフ:巨漢の盟友
タジフは楊端和の軍に所属する巨漢の戦士で、バジオウとは共に戦う仲間として関係を築いています。
全体的な戦闘能力はバジオウが秀でていますが、タジフはパワーが顕著で、巨大な石球がついたハンマーを軽々振り回すなど、その怪力でバジオウをサポートします。
タイプは違えど、互いの強みを理解し、助け合う関係性は、山の民らしい結束の強さを感じさせます。
バジオウとダント:古くからの知人
ダントは楊端和の軍に所属するフィゴ族の族長で、「フィゴ王」と呼ばれています。
彼は楊端和とバジオウの昔を知っている古くからの知り合いで、かつては楊端和と敵対し、バジオウと壮絶な殺し合いをしたと明かされています。
しかし現在は、楊端和に従う忠実な戦士として、バジオウと共に楊端和のために戦っています。
彼らの過去の因縁が、現在の固い絆へと繋がっていると考えると、より深みを感じられますね。
バジオウを演じる声優と実写映画キャスト
『キングダム』の人気は原作漫画に留まらず、アニメ、実写映画作品としても大きな話題を呼んでいます。
ここでは、バジオウという魅力的なキャラクターに命を吹き込んだ声優と、実写映画版で彼を演じた俳優について紹介していきます。
アニメ版の声優は「新垣樽助」
アニメ版『キングダム』でバジオウを演じた声優は、新垣樽助です。
落ち着いた声質が特徴的で、大人びた演技に定評があります。
『テニスの王子様』にて木手永四郎を演じたことで広く知られるようになり、現在まで様々なアニメや洋画吹き替えなどを担当しています。
バジオウの寡黙で冷静な中に秘めた熱い思いを、彼の声が巧みに表現しています。
新垣樽助のプロフィール
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 本名 | 新垣正明 |
| 性別 | 男性 |
| 出生地 | 沖縄県島尻郡久米島町 |
| 生年月日 | 1976年6月18日 |
| 血液型 | B型 |
| 身長 | 172cm |
| 事務所 | マウスプロモーション |
| デビュー時期 | 2000年 |
新垣樽助の主な出演作品
間桐雁夜(Fate/Zero)
木手永四郎(テニスの王子様シリーズ)
通形ミリオ(僕のヒーローアカデミア)
ヤロー(ポケットモンスター)
徐盛(真・三國無双8)
実写映画のキャストは「阿部進之介」
実写映画版『キングダム』でバジオウを演じたのは、俳優の阿部進之介です。
身長185cmの高身長俳優として人気があり、特撮テレビドラマ『超星神グランセイザー』のインパクターロギアを演じたことで知名度を集めるようになりました。
阿部進之介が演じるバジオウは、その大柄な体格と存在感で、原作のバジオウの雰囲気をよく再現していると評価する声も多いです。
寡黙でありながらも、内に秘めた闘志を表現する演技は、実写ならではの迫力があると考える読者もいるでしょう。
阿部進之介のプロフィール
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 性別 | 男性 |
| 出生地 | 大阪府 |
| 生年月日 | 1982年2月19日 |
| 血液型 | AB型 |
| 身長 | 185cm |
| 事務所 | スターダストプロモーション |
| デビュー時期 | 2003年 |
阿部進之介の主な出演作品
女衒(名もなき復讐者 ZEGEN)
浦井健介(刑事アフター5)
夏侯惇(新解釈・三國志)
明石幸次(デイアンドナイト)
鯨波兵庫(るろうに剣心 最終章 The Final)
バジオウに対する読者の評判と人気
『キングダム』に描かれたバジオウの活躍や生き様には、作品を愛読しているファンから様々な反応が寄せられています。
ここでは、バジオウに対する世間での評判や人気について、実際に寄せられているコメントを参照しながらまとめていきます。
隠れた人気キャラとして定着
バジオウは『キングダム』の主要キャラクターの一人ではないものの、読者からの人気は非常に高いという見方があります。
作中で信たちに協力したことや、桁外れの強さを持つランカイと激闘を繰り広げたことなどが人気の理由のようです。
作者の原泰久先生も、バジオウは地味に人気が高いと明かしていることから、その人気ぶりがうかがえます。
仮面で素顔を隠しているからこそ、彼の内面や、ふとした瞬間に見せる人間らしさに魅力を感じる読者が多いのかもしれませんね。
素顔への期待と想像
バジオウの素顔を気にしている読者は多く、鄴攻略戦で片目だけ公開された時には、そこから想像を膨らませる人が大勢いたそうです。
『キングダム』にはイケメンなルックスをしたキャラクターが数多く登場しますが、バジオウも彼らに埋もれないほどの美形であると期待する声が多数あります。
彼の仮面が完全に外れる日が来るのか、そしてその時どんな素顔を見せてくれるのか、読者の想像力を掻き立てる存在と言えるでしょう。
実写映画での扱いに意見も
実写映画版『キングダム』にもバジオウは登場していますが、一部のファンからは実写映画でのバジオウの扱いに不満を抱く声も聞かれました。
原作ではランカイを凌ぐほどの強さを持っていたバジオウですが、1作目の実写映画ではその強さが十分に再現されておらず、バジオウ好きなファンにとっては不服に感じたという意見が見られました。
キャラクターの魅力を最大限に引き出すのは難しい部分もありますが、それだけバジオウへの期待が大きいことの表れだと言えるでしょう。
まとめ:謎多き戦士バジオウの魅力
バジオウは、楊端和の側近として野性的な強さを持った戦士であり、仮面から覗かせた素顔はとても美形でかっこいいものでした。
彼の過去や楊端和との出会い、そして信たちとの固い絆は、読者に大きな感動を与えています。
中華統一を果たす上で、楊端和率いる山の民の存在は欠かせないものであり、バジオウの活躍も再び描かれることでしょう。
いつかバジオウの素顔がすべて明かされ、彼の物語が完結する日を、多くのファンが楽しみにしているはずです。
今後の『キングダム』で、バジオウがどのような姿を見せてくれるのか、期待して待ちましょう。
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