【七つの大罪】妖精族の聖女エレイン！死の悲劇、闘級2万超えの覚醒、そして完全復活までの軌跡を徹底解説

鈴木央の漫画『七つの大罪』は、個性豊かな七人の大罪人たちの戦いと、その背後にある壮大なドラマが読者の心を掴んだ大人気ファンタジー作品です。

中でも、七つの大罪の一人「強欲の罪（フォックス・シン）」バンと、彼の愛した妖精族の少女エレインの物語は、作品の中でも屈指の純愛ストーリーとして高い人気を誇っています。

本記事では、約1000歳という長い時を生きる妖精族の姫でありながら、「泉を守る聖女」という重責を担ったエレインの壮絶な来歴、兄キングとの関係、そして一度は命を落としながらも奇跡の完全復活を遂げるまでの軌跡を徹底的に掘り下げます。

可憐な容姿の裏に秘められた、闘級2万超えという驚異的な強さの秘密にも迫ります。

エレイン（七つの大罪）の概要と基本プロフィール

エレインは、主人公たち七つの大罪のメンバーであるキングの実妹にあたります。

妖精族の王であるキングの妹であることから、妖精族の姫であり、代々受け継がれてきた「生命の泉」を守る聖女の役割を担っていました。

エレインの基本情報（年齢、身長、出身地、CVなど）

見た目は10代前半の可憐な少女ですが、実年齢は約1000歳を超えており、人間でいうと立派な大人です。

また、エレインは人の心を見通す能力を持っているため、聖女として泉を狙いに来る人間の醜い思考を読み取り、孤独な守護者としての冷めた感情を抱くようになりました。

妖精族としての役割：「泉を守る聖女」

エレインの最も重要な役割は、「生命の泉」を守ることでした。

この生命の泉は、妖精王の森の中心にある「神樹」の命の源であり、その水を飲むと不老不死が手に入ります。

しかし、泉が飲み干されてしまうと、神樹は枯れ、妖精王の森全体が死滅してしまうという運命にありました。

この重責を担い、何百年もの間、エレインはたった一人で泉を狙う悪意ある人間たちと対峙し続けました。

エレインの外見的特徴とファッションの変化

儚げで可憐な容姿を持つエレインのトレードマークは、白いドレスです。

物語の第二部では、植物の花弁で作った紅色のドレスを纏ったり、エスカノールが経営する酒場の制服を着たりと、様々な姿を見せています。

また、余談ですが、バンの証言によるとエレインは「フワフワスベスベの抱き心地で最高」とのこと。

兄キングとの類似点と相違点

エレインは兄キングと同様に、妖精族ですが羽根は生えていません（後に覚醒で出現）。

また、キングが巨漢の男に姿を変えられるように、エレインも変身能力を持っていることが示唆されていますが、彼女は兄とは違い「見栄を張らないので変身する必要はない」と語られています。

キングは膨大な魔力を持ちますが、エレインは魔力こそ膨大ではありませんが、妖精族の中では実力があるという点で、二人は似て非なる強さを持っていました。

スピンオフ作品『七つの大罪学園』での新たな設定

スピンオフ作品『七つの大罪学園』では、キングの妹としてエレインが登場しています。

ここで、裁縫が得意な兄とは反対に、エレインは不器用であるという新たな事実が発覚しています。

エレインの魔力「神風（ミラクルウィンド）」の詳細

エレインは、風属性の魔力である「神風（ミラクルウィンド）」を操ります。

彼女の魔力は、攻撃力よりも相手を状態異常にさせるなどの補助効果や、広範囲の相手を吹き飛ばす防御・迎撃能力に秀でています。

相手を状態異常にさせる風属性の魔力

神風は、風を自在に操り、相手を麻痺状態にするなど、トリッキーな効果を持つ魔力です。

その強さはキングほどではありませんが、妖精族の中でも実力者であるエレインの戦闘能力を支えています。

主要な技：そよ風の逆鱗（そよかぜのげきりん）

エレインの代表的な技の一つが「そよ風の逆鱗（そよかぜのげきりん）」です。

手を払った先に突風を巻き起こし、相手を遥か彼方へ飛ばすことができる技です。

バンが泉を狙ってやってきた頃には、エレインはこの技で何度もバンを吹き飛ばしていました。

主要な技：金風の逆鱗（まんぷうのげきりん）

「金風の逆鱗（まんぷうのげきりん）」は、強力な風を発生させる技であり、大多数の相手を吹き飛ばすほどの威力を持つ広範囲攻撃です。

これは、妖精王の森の「聖女」として、泉を狙う複数の賊を一掃するために磨かれた、エレインの守護者としての強さが現れた技と言えます。

主要な技：追撃のつむじ風（ついげきのつむじかぜ）

「追撃のつむじ風（ついげきのつむじかぜ）」は、風を刃のように変化させ、追尾機能のあるつむじ風を飛ばして敵を襲い、斬撃を繰り出す技です。

バンが十戒のメラスキュラに捕らえられた際には、エレインはこの技で追撃し、バンを救い出す活躍を見せました。

覚醒後の必殺技：嵐瀑布（テンペスト･フォールス）

後に、メラスキュラの禁呪によって復活し、覚醒したエレインが使用した必殺技が「嵐瀑布（テンペスト･フォールス）」です。

巨大な竜巻を複数出現させ、相手の動きを封じてしまう強力な風魔法であり、この技でメラスキュラを追い詰めて退路を封じ込めることに成功しました。

特殊能力：植物操作

エレインは風魔法以外にも、植物を触手のように動かし、相手の動きを封じるという特殊能力も持っていました。

これは、バンが生命の泉を飲もうとした際に使用され、森の守護者としての能力を遺憾なく発揮しました。

エレインとバン：運命的な愛の始まりと悲劇

エレインの物語は、七つの大罪のメンバーであるバンとの純愛抜きには語れません。

二人の出逢いから悲劇的な結末、そしてその後のバンの行動は、作品全体の大きなテーマの一つとなっています。

700年にわたる孤独な聖女の役割

700年前、友人ヘルブラムらを救出しに行った兄キングの代行として、エレインは「生命の泉」を孤独に700年間守り続けました。

妖精王の森を飛び出したキングに対して、エレインが負い目を感じるようになった背景には、この長きにわたる孤独な守護者の役割があったのです。

「生命の泉」を巡るバンとの出逢い

本編から20年前、「生命の泉」を狙って森へ侵入したバンとエレインは出逢います。

バンは当時、盗賊を生業としており、不死を求めてやってきたのですが、この出逢いが二人の運命を大きく変えることになります。

悪意ある人間との接触によるエレインの感情の変化

エレインは、生命の泉を狙って侵入してくる悪意ある人間たちと長い時を過ごす中、彼らの醜い心を見通し、いつしか人間を冷ややかに見る暗く冷めた感情を抱くようになりました。

元々は明るい性格であったエレインが、冷静沈着な性格になったのは、この重責と孤独による影響が大きいと考えられています。

相思相愛の仲となるまでの過程

初めは、これまで現れた賊と同じようにバンに対しても冷たくあしらっていたエレインでしたが、バンが不死を求めてきた他の人間たちとは違うことに気づきます。

バンは、エレインから「泉が飲み干されてしまえば妖精王の森が枯れてしまう」という事情を知ると、あっさりと泉を諦めるという破天荒ながらも正直な一面を見せました。

バンが心から嘘偽りなくエレインに話しかけていることで、エレインとバンは徐々に互いに心を通わせるようになり、僅か1週間で相思相愛の恋人同士となったのです。

赤色の魔神の襲撃とエレインの絶命

二人が幸せな時を過ごす中、突如、3000年前の聖戦で封印されていた赤色の魔神が襲来し、妖精王の森を焼き尽くしました。

エレインとバンは致命傷を負いますが、エレインは自身の最期を悟り、自らを投げ打ちバンを庇うとともに、生命の泉を口移しでバンに飲ませました。

これによりバンは不老不死の身体を手に入れましたが、エレインは負傷が原因で命を落とし、妖精王の森の中で永遠の眠りにつきました。

エレインの死とバンが背負う「強欲の罪」

エレインの死後、バンは「己の”強欲”がために、王国と友好関係にあった妖精王の森を破壊し”生命の泉”を我が物とし、聖女を殺害した」という冤罪を背負い、「強欲の罪（フォックス・シン）」としてリオネス王国に捕らえられます。

これは冤罪でしたが、エレインを失った喪失感で自暴自棄になっていたバンは、罪を否定することなく受け入れました。

そして、バンは「いつか必ずお前を奪う」と誓い、エレインを復活させるために不老不死の身で奔走することになるのです。

兄キングとエレインの関係性

エレインとキングは実の兄妹ですが、二人の関係性には複雑な確執が存在しました。

その根本には、キングが妖精王の森を飛び出したことによるエレインの孤独と、その後の悲劇があります。

700年の孤独とキングへの負い目

ヘルブラムや妖精族の救出に向かったキングは、エレインに頼りっきりで妖精王の森を飛び出しました。

その結果、エレインは700年間も孤独に森を守らなければならず、命まで落としてしまったため、彼女はキングに対して思うところがあるようでした。

一方キングも、エレインに対して負い目を感じており、その自責の念が後のバンの行動への怒りへと繋がります。

エレインの死をめぐるバンとキングの確執

エレインの死後、キングはバンがエレインの命を奪ったのだと勘違いしていた頃があります。

この勘違いと、森にエレインを独り置き去りにしたことへの後悔から、キングは怒りを露わにし、容赦なくバンの胸を霊槍シャスティフォルで突き抜いたり、霊槍の力でバンを石化させたりと、二人の間には長く確執が広がっていました。

死者の都での再会と確執の和解

バンとキングの確執は、二人が旅の途中で訪れた死者の都で、エレインの魂と再会を果たすことで終焉を迎えます。

死者の都は、互いを想う気持ちが強くなくては姿すら見ることができない場所であり、そこで二人がエレインと再会したことは、彼らの絆の強さを示しています。

エレインは、そこでバンとキングの確執を取り除き、二人を和解させるに至りました。

キングへの託言：「バンを守って欲しい」

死者の都で再会した際、エレインは信頼ある兄のキングに「バンを守ってほしい」という思いを伝えて、魂は消えてしまいました。

エレインのバンを想う強い気持ちと、兄への信頼が感じられる、非常に感動的なシーンです。

また、エレインは死者の都に行こうとしていたヘルブラムにも、しばらくは兄のもとにいるように頼んでいます。

エレインの不完全な復活：メラスキュラの禁呪

エレインの魂は死者の都へと行っていましたが、物語後半、十戒の復活により、彼女は不完全な形で再び地上に蘇ることになります。

十戒メラスキュラによる「怨反魂の法」

3000年前に封印されていた魔神族の精鋭部隊「十戒」が復活したことで、エレインの運命は再び動きます。

十戒の一人、メラスキュラは、魔界の魔術である「怨反魂の法」を使用しました。

これにより、ついにエレインは実体を伴って復活を果たすことになりますが、この魔術には大きな制約がありました。

蘇生の制約：未練の増幅と生命維持

メラスキュラの「怨反魂の法」は、死者の未練を増幅させ、その執着や怒りを生命力としてこの世に蘇らせる禁呪でした。

そのため、未練がなくなると命は消えてしまい、また、術者であるメラスキュラが死亡することでも、エレインは再び命を落としてしまうという難しい条件の元での復活となりました。

暴走と洗脳：ジェリコへの嫉妬とバンへの執着

バンと一緒に旅をすることができなかったという未練が増幅されたエレインは、バンと行動を共にしていた聖騎士ジェリコへの嫉妬と羨望、そしてバンへの執着が強まり、一時は暴走してジェリコに牙を向く事態に陥りました。

読者の間では、この復活後の嫉妬深く攻撃的なエレインの姿は、冷めた聖女として過ごしてきた彼女の少女らしい感情が歪んだ形で表面化したものだと考察する声が多く聞かれました。

バンの愛による洗脳解除と衰弱

暴走したエレインでしたが、バンとジェリコの必死の説得と、バンの愛によって正気を取り戻します。

しかし、術の影響で衰弱し、さらに十戒のガランとメラスキュラに襲撃され、エレインたちは3人で逃亡することとなりました。

エスカノールとの遭遇と十戒からの逃亡

逃亡の最中、エレインたちは洞窟でひっそりと酒場を経営していたエスカノールと遭遇します。

エスカノールの活躍により十戒の脅威を退けられた後、エレインはバンへの未練のおかげで幾分か調子を取り戻せました。

その後、駆けつけたキングと再会し、エレインは再びバンの旅に加わることになります。

エレインの完全復活と進化

メラスキュラの禁呪による不完全な復活状態にあったエレインでしたが、十戒との戦いの中で、ついに真の力を覚醒させ、そして完全な蘇生を果たすことになります。

闘級2万超えへ：想いの力による羽根の出現

城塞都市コランドで十戒のメラスキュラと対決した際、メラスキュラに襲い掛かられたバンを救いたいという大きな愛と強い思いから、エレインの背中に大きな羽根が出現しました。

この羽根の出現は、エレインが「愛する人を想う気持ちが力へと姿を変えた」結果であり、これによりエレインの闘級は2830から2万1050まで上昇しました。

この闘級2万超えという数値は、七つの大罪クラスの実力に匹敵し、エレインが守られるだけの存在ではなく、自らもバンを守れる存在へと大きく進化したことを示しています。

エリザベスの魔力による反魂術の維持

十戒との最終決戦において、メラスキュラの魔力が徐々に消耗されると、因果関係で繋がれているエレインも魔力が低下し、死が間近に迫る状況となりました。

この時、エリザベスが女神族特有の光の力で、反魂術の効果を無理やり維持し、エレインの命を繋ぎとめました。

また、エレインはメラスキュラに操られていたディアンヌとキングを重ね、「バンと私のような悲しい関係になってほしくない」と強く願い、その思いが二人を救う一助となりました。

バンの新魔力「贈与（ギフト）」による蘇生

メリオダスの意識を煉獄から連れ戻してきたバンは、パワーアップを果たし、新しく「贈与（ギフト）」という魔力を会得していました。

これは、自分の魔力や能力を相手に渡すことができる能力です。

バンは、この能力で自身の不老不死の能力をエレインへと渡しました。

これにより、メラスキュラの禁呪による不完全な反魂が上書きされ、エレインは蘇生を果たすことに成功したのです。

不老不死の身体の獲得

バンの「贈与」によって「生命の泉」の力を移されたエレインは、不老不死の存在となり、完全復活を果たしました。

一度は命を落とし、不完全な復活を遂げたエレインでしたが、バンとの愛の力により、永遠の命を得るという最高のハッピーエンドを迎えることができました。

エレインのその後と新しい命

全ての戦いが終わり、ブリタニア大陸に平穏が戻った後、エレインとバンの物語は新たな展開を迎えます。

バンとの結婚と新しい生活

「七つの大罪」解散後、エレインはバンと共に妖精王の森へと帰り、ベンウィックに移り住みました。

長年の悲しみや苦しみを乗り越え、二人はついに結婚し、幸せな日々を過ごします。

ファンからも「バンエレ」という言葉が生まれるほどの人気を集めていた純愛カップルにとって、この結末は最高の喜びでした。

息子の誕生と続編への登場

エレインは、バンとの間に新しい命を授かります。

二人の子供はランスロットと名付けられ、続編である『黙示録の四騎士』にて重要なキャラクターとして活躍することになります。

エレインは、息子ランスロットの成長を見守りながら、愛するバンと共に永遠に幸せに暮らしていくこととなりました。

エレインの裏話・トリビア・小ネタ

エレインの物語をより深く知るために、いくつかのトリビアやエピソードを紹介します。

エレインの服装にまつわるエピソード

エレインの初期の服装である白いドレス姿はトレードマークでしたが、実はエレインはノーパンであるという設定が作者のQ&Aなどで明かされており、これは読者の間で驚きと笑いを呼びました。

妖精族の歴史とエレインの役割

エレインは、ブリタニア大陸の5種族（妖精、巨人、人間、女神、魔神）が存在する世界創生の時代から生きる、非常に長い歴史を持つ妖精族の一員です。

彼女は代々「生命の泉を守る聖女」という役割を担っていましたが、これは妖精族の歴史における重要な位置づけを示しています。

エレインは変身可能だが使用しない

先述の通り、エレインは兄キングと同様に変身能力を持っています。

しかし、キングとは違い「見栄っ張りではない」ため、容姿で力の誇示はしないという理由から、作中でその能力を使うことはありませんでした。

エレインの名言・名セリフ／名シーン・名場面

エレインの感動的な物語を彩った、名言・名セリフ、そして名シーンを紹介します。

彼女のセリフは、その多くがバンへの愛やキングへの信頼に満ちています。

「なんだか…私も変な気持ち」

バンと心を通わせ始めた時に漏らしたセリフで、孤独な聖女が初めて恋を知った瞬間の少女らしさが伺えます。

赤色の魔神に殺されるシーン

自らを投げ打ちバンを庇い、泉を口移しで飲ませる一連のシーンは、エレインの献身的な愛を示す、物語の原点となる悲劇的な名シーンです。

死者の都でバンと別れるシーン

「いつか必ずお前を奪う」と誓ったバンに口づけし、別れを告げるシーンは、二人の強い絆が再確認される感動的な場面でした。

「バン…待っていてね…」

別れ際にエレインが残したセリフは、その後のバンの行動原理となり、多くの読者の心に響きました。

バンの愛で洗脳が解かれるシーン

メラスキュラの禁呪によって暴走していたエレインが、バンの愛情によって自我を取り戻すシーンは、愛が呪縛に打ち勝った瞬間を描いています。

お腹の子供に名前を付けるシーン

最終決戦後の平和な日常で、バンと共に新しい命の誕生を喜び合うシーンは、二人の純愛が実を結んだ象徴的な場面です。

まとめ

妖精族の姫であり、「泉を守る聖女」であったエレインは、キングの妹として、そして何よりもバンが愛し続けた女性として、『七つの大罪』の物語において非常に重要な役割を果たしました。

700年にわたる孤独な守護者としての悲しい過去、赤色の魔神による絶命、そしてメラスキュラの不完全な復活という壮絶な運命を辿りましたが、最終的にはバンの魔力「贈与」によって不老不死の身体を得て完全復活を遂げました。

彼女の強さは、風を操る魔力「神風」と、愛する人を守りたいという想いによって開花した闘級2万超えの覚醒にあり、その純粋で献身的な愛は、多くのファンを魅了し続けています。

キングとの兄妹の絆、そしてバンとの永遠の愛の物語は、作品のテーマである「大罪」を超えた、真の愛の力を体現していると言えるでしょう。