『食糧人類-Starving Anonymous-』(しょくりょうじんるい -スタービング・アノニマス-)は、グロくて刺激的な食物連鎖系パニックサスペンス・ホラーの漫画作品です。
この作品は、人類が「ある者」たちの食糧となっている世界を描いています。地球の未来は、この食糧人類の世界になってしまったのです。
この作品は、食物連鎖と人間の生存本能を描いており、グロテスクな展開と驚きの真実が読者を引き込みます。
もしご興味があれば、漫画『食糧人類』を読んでみてください!
※この記事は『食糧人類』のネタバレを含んでいます。
あらすじ
ごく普通の高校生、伊江は友人カズと放課後のバスに乗車していました。
通学バスに謎のガスが撒かれ、多くの乗客が意識を失ってしまう。たまたまマスクをしていた伊江は難を逃れたものの、目の前には地獄のような光景が広がっていた。
凍った人間を解体する人間、そして肥え太った人間たち。
ここはなんと、人間を飼育する恐ろしい場所だったのです。
自分が食糧として飼育されていることを知った伊江は、施設で出会った山引とナツネと共に脱出を決意します。
物語は、彼らが施設の真実と、一般の人々には知られていない恐ろしい秘密を暴いていく過程で展開されます。
まるで豚を扱う工場のように、人間が人間を飼育しているのです。
餌として与えられるのは、高カロリーで一度食べたらやめられないという液体。その影響で、人々はブクブクと太り、まるで家畜のように扱われていました。
このような姿になった人々は、冷凍されてバラバラにされるか、謎の存在「あの方たち」の餌となります。
しかも、この巨体ですら幼体だというから驚きです。
さらに、繁殖部屋へ進むと、18歳で20人以上の子供を産み、24時間発情し続ける女性や、死んだ赤ん坊を抱えた女性など、衝撃的な光景が次々と現れます。
あの方たちとは?
万能の神に最も近い存在で宇宙から来たらしい、一見まったく会話が通じそうにもないですが、人間を解して会話が可能で人間側の声もわかりやすくはっきり発音すれば聞き取れるようです。
ゆりかご
一見、高レベル放射性廃棄物処理施設に見える地下施設。しかし、その奥深くに隠された真実とは、想像を絶するものでした。
潜入捜査を行った小倉によると、最初は作業員たちも死体を見て驚愕するものの、1年も経てば何の疑問も持たなくなるのだといいます。
人間の適応力は恐るべきものです。しかし、さらに驚くべき事実が判明します。
伊江たち一行は、一連の状況から巨大生物が人間を飼育しているという見解を持っていましたが、小倉が明かす真実とは、「人間が巨大生物に飼われていた」という衝撃的なものでした。
頭を深く下げているのは、政府の要人と内閣総理大臣です。彼らがひれ伏す相手とは、誰なのか?
ゆりかごと呼ばれるこの施設は、「あの方たち」と呼ばれる謎の存在の旺盛な食欲を満たすために作られたのです。人類の犠牲を最小限に抑えながらも、彼らを満足させる。これが、ゆりかごの目的でした。
登場人物一覧
伊江
地元の高校に通っている三年生、バスにガスを撒かれた際、たまたまマスクをしていて助かる。映像記憶能力があり、地図変わりに役に立つ以外はあんまり冴えない主人公
山引(やまびき)
男性も女性も愛せるメガネ、頭のネジが飛んでいる感はあるが100年に一度といわれるほどの頭脳の持ち主
人間をメガネザルに作り替えたり、キメラを作り出したりするほど
ナツネ
増殖種の唯一の成功例にして完全体、上半身を失っても再生するほどの異常な再生能力を持つ
つまり彼さえ研究出来れば人間を大規模に飼育必要がなくなるかも?
山引たちと同い年ぐらいに見えますが、なんと6歳
蝿だらけの赤ちゃんを抱っこした女を安楽死させたり、他にも「ここの女は助かるのか?」との問いに「ゆで卵から雛が孵るかよ」といわれ、激怒するなど狂気の中にあって多少、人間らしさを見せてくれる。
巨大生物に包丁一本で挑み勝利するなど驚異的な力の持ち主
小倉
天井裏に隠れている男性。元は施設の職員であるが、あることがきっかけに抜け出し、天井裏でひっそりと暮らしている。
裕子さん
長いこと1人でいた小倉が作りだした小倉のガールフレンド
施設の職員
桐生(きりゅう)
夕凪の会会長。マッドサイエンティストで自らの手で人体改造を行う。
山引の大学時代の先生
山引の才能に異常な嫉妬心を持ち、山引を殺そうとした際に、逆に最愛の娘をメガネザルに変えられてしまい、紆余曲折を経て狂科学者となる。
一連の薬液や、興奮剤などは彼と「あの方たちの技術力」によるもの
夕凪の会
桐生が率いるゆりかごの警備を目的とした部隊、桐生によって生み出された改造人間たち、犬並の嗅覚を持った人間、腕まで耳たぶになった人間、眼球が異常に大きい人間から透明人間までいます。
まとめ
タイトルが示す衝撃:人間が食糧となる狂気
漫画「食糧人間」は、そのタイトルが示す通り、人間の狂気と絶望を極限まで描いた衝撃的な作品です。
舞台は、謎の存在「あの方たち」の食糧として、人間が家畜のように飼育される地下施設。主人公・伊江たちは、そこで繰り広げられる非情な現実と、人間の残虐さを目の当たりにします。
現実とリンクする恐怖:家畜と変わらない人間
この作品で最も恐ろしいのは、「あの方たち」の存在よりも、むしろ人間自身の狂気です。
人間は、自らの種族を家畜と変わらない存在として扱い、容赦なく食料として消費していくのです。現実世界における家畜の扱いとリンクさせることで、読者に深い恐怖と倫理的な葛藤を投げかけます。
作者の執念:これまでにないグロテスクな描写
作者は、この狂気と絶望の世界を、これまでにないほどグロテスクな描写で表現しています。
容赦なく切り刻まれる人間の肉体、そして「あの方たち」の恐ろしい姿は、読者の想像を超える衝撃を与えます。
作者の執念ともいえるグロテスクさは、作品に圧倒的な説得力をもたらし、読者を恐怖のどん底へと突き落とします。
真の恐怖は「あの方たち」ではない
確かに、「あの方たち」の存在は恐怖そのものです。しかし、この作品で真に恐ろしいのは、人間自身の愚かさと残虐さです。「あの方たち」は、あくまでもその狂気を象徴する存在に過ぎません。
食糧人間:倫理と人間の闇を問う問題作
「食糧人間」は、単なるホラー作品ではありません。
人間の倫理観と、その闇の部分を深くえぐり出す問題作です。グロテスクな描写と衝撃的なストーリーは、読者に強いインパクトを与え、倫理観や人間の本質について考えさせられます。
「お肉を食べれなくなりそう」という感想は、作品の本質を捉えています。
読者が「お肉を食べれなくなりそう」と感じるのは、この作品が人間の狂気をリアルに描き出しているからこそです。
食糧人間は、私たちに「食」の本質と、人間という存在の闇について考えさせてくれる、重要な作品と言えるでしょう。
こういったセリフを見ていても、本当に怖いのは人間なんじゃないかなと思います。
大きな敵に出会った時、人間同士争いのほうが被害が大きかったり長期戦になったりしているような気がしてなりません
食糧人類では巨大な敵にこれからどう立ち向かっていくのか期待しましょう!
この漫画が面白い!って思う方はあまりいい趣味とは言えないかもしれないですが、ここまで読んで興味を持った方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか
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