
武井宏之が描く「シャーマンキング」は、1998年から2004年にかけて「週刊少年ジャンプ」で連載され、多くの読者を熱狂させたシャーマンバトル漫画の金字塔です。
霊と心を通わせ、時に戦い、時に共に生きるシャーマンたちの姿は、その独創的な世界観と魅力的なキャラクターデザインで、瞬く間に読者の心を掴みました。
しかし、連載終了が「打ち切り」という形で訪れたことに、多くのファンが未練を抱いたことでしょう。
そんなファンからの熱い要望に応える形で、2008年には「完全版」として復活し、コミックスでは描き切れなかった真の結末が描かれました。
そして2011年、ファンが待ち望んだ正統続編「シャーマンキングFLOWERS」が「ジャンプ改」で連載を開始。
今回は、この「シャーマンキングFLOWERS」の魅力と、前作の主人公・麻倉葉の息子であり、新たな物語の主人公である麻倉花について深掘りしていきます。
「シャーマンキング」とは?唯一無二の世界観が多くのファンを魅了
「シャーマンキング」は、現世と霊界をつなぐ役割を持つ「シャーマン」たちが、それぞれの目的のために霊を武器として戦う「シャーマンファイト」を描いたバトル漫画です。
霊とシャーマンの絆、そして彼らが織りなす人間ドラマが大きな魅力であり、多種多様な霊やシャーマン、そして卓越したデザインセンスが、連載当時から圧倒的な人気を誇りました。
特に、霊を武器として憑依させる「オーバーソウル」という概念は、その視覚的なインパクトと戦略性で、読者に強い印象を与えました。
作者である武井宏之の圧倒的なデザイン力は、この作品を語る上で欠かせません。
1994年の読み切り漫画「ITAKOのANNA」で手塚賞を受賞後、1997年からの「仏ゾーン」連載を経て「シャーマンキング」を執筆しました。
彼の描く独特かつ魅力的な線、特にロボットや武器などのメカニックデザインは非常に高い評価を得ています。
その後も「週刊少年ジャンプ」で「重機人間ユンボル」、「ジャンプスクエア」でスタン・リー原作の「機巧童子ULTIMO」を発表するなど、その才能をいかんなく発揮しています。
「シャーマンキング」ほどの爆発的なヒットとはならなかったものの、どの作品も武井宏之の魅力的なデザインセンスは健在であり、ファンの間では名作として語り継がれています。
「シャーマンキング」の連載は、2004年40号をもって惜しまれつつも完結しましたが、いわゆる「打ち切り」という形で、紙面最後のコマには作者が未完であることを示す「みかん」の絵が描かれたことは、当時のファンの間で大きな話題となりました。
アニメで恐山アンナ役を務めた林原めぐみのラジオ番組では、武井宏之からの手紙を通じてその無念が伝えられたというエピソードもあり、作者自身も作品の結末に強い思いを抱いていたことが伺えます。
しかし、単行本を買い支えていたファンの声と、作品自体の高い評価から、2008年には「完全版」として復活を遂げました。
コミックス版では描き切れなかった真の結末が380ページもの大ボリュームで描かれ、ファンの長年の思いが報われる形となりました。
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ファン待望の続編!【シャーマンキングFLOWERS】の魅力
「シャーマンキングFLOWERS」は、全世界のシャーマンキングファンが待ち望んだ「シャーマンキング」の正統続編として、2011年に「ジャンプ改」での連載が発表されました。
2012年からは、読み切り連作「シャーマンキング0-ZERO-」の掲載を経て、ついに本連載が開始。
前作「シャーマンキング」の主人公である麻倉葉の息子、麻倉花を主人公とした完全新作の物語です。
残念ながら、「シャーマンキングFLOWERS」は掲載誌であった「ジャンプ改」が2014年10月に休刊となってしまったため、未完のまま連載終了という形になってしまいました。
形は違えど、前作「シャーマンキング」と同じく未完の結末を迎えてしまったことは、多くのファンにとって惜しまれる点でしょう。
しかし、その短い連載期間の中にも、「シャーマンキングFLOWERS」の魅力はしっかりと詰まっています。
前作との繋がりと新たな世代
「シャーマンキングFLOWERS」は、前作「シャーマンキング」から14年後のふんばりが丘を舞台に物語が始まります。
前作に登場していたキャラクターたちが引き続き登場し、今作のメインキャラクターの多くは彼らの息子や娘たちです。
例えば、麻倉葉と恐山アンナの息子である麻倉花が主人公を務め、道蓮とアイアンメイデンジャンヌの息子である道黽など、主要キャラクターの子供たちが登場することで、親世代のファンも感情移入しやすい構成となっています。
物語序盤の流れは「シャーマンキング」のまん太のような解説役こそいませんが、大筋として前作と同じような導入部が描かれ、ファンには懐かしさを感じさせる一方で、新しい物語への期待感を高める工夫が凝らされています。
新たな主人公・麻倉花
「シャーマンキングFLOWERS」の主人公は、麻倉葉と恐山アンナの間に生まれた麻倉花です。
両親の才能をしっかりと受け継ぎ、シャーマンとして高い能力を持っていますが、シャーマンファイトがない現代ではその力を持て余し気味です。
プロフィールを詳しく見てみましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 麻倉花(あさくら はな) |
| CV | 日笠陽子(麻倉葉と兼任) |
| 両親 | 麻倉葉、恐山アンナ |
| 血液型 | A型 |
| 趣味 | 散歩 |
| 好物 | カレーパン |
| 性格 | 両親、特にアンナに似て攻撃的。衝動的だが、時に冷静で達観した一面も。 |
| 持霊 | 阿弥陀丸、闇鬼(体内に封印) |
| 特殊能力 | 憑依合体、甲縛式オーバーソウル「鬼兜」、鬼の召喚 |
花は、口癖が「なるようになる」だった葉とは異なり、どちらかと言えばアンナのような攻撃的な性格をしています。
目標が見つからず、その有り余る力を不良との喧嘩に明け暮れることで発散させ、養母のたまおからお仕置きを受ける日々を送っていました。
しかし、物語が進むにつれて、花が精神的に成長していく様が丁寧に描かれており、「シャーマンキングFLOWERS」は、花の成長物語として見どころが多い作品だと言えるでしょう。
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麻倉花の持霊とオーバーソウル
「シャーマンキング」といえば、魅力的な持霊たちの存在が欠かせません。
麻倉花のメインの持霊は、父・麻倉葉から受け継いだ侍の霊、阿弥陀丸です。
阿弥陀丸は元々ふんばりが丘で友を待ち続ける人間の霊でしたが、葉との出会いと数々の戦いを経て強力な刀の精霊へと変化しました。
葉が阿弥陀丸の剣技をトレースして戦っていたのに対し、花は我流でアレンジを加える戦い方を見せます。
さらに、花には隠された持霊が存在します。
幼い頃に命を落とした際、シャーマンキング・ハオによって鬼の霊「闇鬼」が仕込まれており、花の命の危機に反応して発動します。
闇鬼が発動すると、花は鬼の姿に変身し暴走してしまいますが、この能力はハオが将来の「フラワーオブメイズ」のために仕込んだものであることが示唆されています。
シャーマンと霊の絆の極意である「オーバーソウル(O・S)」は、「シャーマンキング」におけるシャーマンの基本技術です。
持霊を自分ではなく媒介(通常はその霊に深い関りを持つ品物)に憑依させることで、溢れた霊気が武器や生き物を形作り、人間としての力を遥かに超える性能を発揮します。
前作で麻倉葉が様々な試練を経てオーバーソウルを習得したのに対し、麻倉花は物語の始まった時点で既にオーバーソウルを使いこなしています。
葉が使っていたフツノミタマノツルギを媒介に、防御形態から攻撃形態への変化を見せる甲縛式オーバーソウル「鬼兜」が麻倉花の得意技です。
その威力と防御力は特筆すべきで、春雨がなく、超占事略決を学んでいないにもかかわらず、父親の「スピリット・オブ・ソード」と同等レベルの力を持つとされています。
新たなヒロイン・アルミ
「シャーマンキングFLOWERS」のヒロインは、3代目イタコのアンナを名乗るアルミ・ニウムバーチです。
彼女は「シャーマンキング」で麻倉葉のシャーマンファイト担当司祭を務めたシルバの娘にあたります。
「シャーマンキング」で恐山アンナが麻倉葉の許嫁を名乗って登場したように、「FLOWERS」でアルミは麻倉花の許嫁を名乗って現れます。
花が忘れてしまっている過去に、アルミを鴨川羊介の手から救ったことがきっかけのようです。
ツンデレ気味な性格ですが、花への強い想いを抱いており、先代のアンナと葉の関係を彷彿とさせる部分も、ファンにはたまらない魅力となっています。
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花の前に立ちはだかるライバルたち
「シャーマンキングFLOWERS」では、新たな主人公・麻倉花の前に様々なライバルたちが立ちはだかります。
麻倉葉王の正統な子孫と主張する裏・麻倉の人間、麻倉葉羽(ヨハネ)は、花に最初に襲いかかってくるシャーマンです。
阿弥陀丸と同じ精霊化した侍の霊「朧大凶」を持霊とし、傘を媒介とした巨大な鉾のオーバーソウル「月詠鉾(ツクヨミ)」を使用します。
また、「FLOWERS」における最大のイベント「フラワーオブメイズ」では、現シャーマンキングであるハオが麻倉花をリーダーとして結成するチーム「チームハオ」の一員として、秋田の不良少年・伊吹ガッコが派遣されてきます。
なまはげ少女の霊「ナマハ」を持霊とし、全身に鬼と戦うことに特化した甲縛式オーバーソウル「オーガハンター」を纏います。
そして、前作で葉のライバルを務めた道蓮と、作中強大な力を振るっていた少女・アイアンメイデンジャンヌの息子である道黽(タオ・メン)も登場します。
花よりも7歳年下ながら、父親の持霊・馬孫と母親の持霊である神クラスの精霊・シャマシュを同時に使用するほどの圧倒的な才能を見せつけます。
さらに、現シャーマンキング・ハオを最大の敵視する勢力「チームヤービス」として暗躍を見せる謎多き青年・鴨川羊介も、花の前に立ちはだかります。
彼の目的や能力は謎が多く、連れているヤービスと呼ばれる存在が持霊のように見えますが、実はそうではないと仄めかされており、元々シャーマンですらないようです。
鴨川羊介は「FLOWERS」連載前の読み切り漫画「ヤハべえ」の主人公であり、その頃は花と同じくらいの年齢に見えました。
性格もかなり違っているように見えますが、同一人物であるとされており、武井宏之の作品がお互いにリンクしている要素が多いことも、ファンの間で考察を深めるきっかけとなっています。
「シャーマンキング」の世界はまだまだ続く!
「シャーマンキング」は、未完で終わった本編が「完全版」として蘇り、さらに続編「シャーマンキングFLOWERS」として新しい物語が紡がれました。
しかし、惜しまれつつも「FLOWERS」も未完のまま連載が中断されてしまったため、多くのファンがその続きを熱望していました。
そんな中、武井宏之が「少年マガジンエッジ」で連載していた「猫ヶ原」と並行して、2018年1月には「シャーマンキング」連載20周年プロジェクトとして、新しい続編の連載が発表されました。
「FLOWERS」の時と同じように、数本の読み切り掲載後、2018年5月より同誌で連載が開始されました。
この新連載が「FLOWERS」の続き、花の物語であるかはまだ明らかになっていませんが、一つだけ言えるのは、シャーマンキングワールドはこれからも目が離せないということです。
それぞれの声優がキャラクターに新たな息吹を吹き込み、物語に深みを与え続けてきたように、武井宏之が描き続けるシャーマンキングの世界は、時代を超えて進化し続けています。
これからも、麻倉花たちの物語、そしてシャーマンキングの新たな展開に期待が膨らみますね。



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