
原泰久が描く壮大な歴史漫画『キングダム』は、週刊ヤングジャンプで連載され、単行本累計発行部数1億1千万部を突破する国民的作品です。
テレビアニメや実写映画といったメディアミックスも大成功を収め、その勢いはとどまるところを知りません。
物語の序盤、若き日の嬴政を追い詰めた竭氏軍の将軍、魏興は、短い登場ながらも強烈な印象を残しました。
この記事では、魏興の知られざる強さや、その劇的な最期、そして彼に命を吹き込んだアニメ声優や実写映画の俳優まで、詳しくご紹介していきます。
彼の活躍が『キングダム』の物語にいかに重要な意味を持ったのか、独自の視点と読者の考察を交えながら深掘りしていきましょう。
『キングダム』とは?:中華統一への壮大な物語
魏興について詳しく見る前に、まずは『キングダム』という作品の概要をおさらいしましょう。
『キングダム』は、紀元前の中国、春秋戦国時代末期を舞台にした歴史大河ロマンです。
「天下の大将軍」を目指す戦災孤児の少年・信と、中華統一を夢見る若き王・嬴政の二人が、互いに支え合いながら乱世を駆け上がっていく姿が描かれています。
緻密なストーリーテリングと圧倒的な画力で、読者を古代中国の世界へと引き込み、日本を代表する漫画の一つと称されています。
2013年には、その高い評価から第17回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しました。
連載は2006年から始まり、2025年3月18日には最新刊となる75巻が発売されるなど、今なお多くの読者を魅了し続けています。
テレビアニメ版『キングダム』の展開
『キングダム』は、NHKの各チャンネルでテレビアニメシリーズも放送されており、現在第5シリーズまで制作されています。
戦闘シーンではNHKの放送基準に合わせて表現が抑制されていますが、原作の迫力を損なうことなくアニメ化されており、多くのファンから高い評価を得ています。
・第1シリーズ:2012年6月4日~2013年2月25日(全38話)NHK BSプレミアムにて放送。初期はCGアニメーションが多めに使われていました。
・第2シリーズ:2013年6月8日~2014年3月2日(全39話)NHK BSプレミアムにて放送。
・第3シリーズ:2020年4月6日~2021年10月18日(全26話)NHK総合にて放送。新型コロナウイルス感染症の影響で一時中断期間がありましたが、多くのファンが再開を待ち望みました。
・第4シリーズ:2022年4月10日~10月2日(全26話)NHK総合にて放送。
・第5シリーズ:2024年1月14日よりNHK総合にて放送開始。令和6年能登半島地震の影響で放送が延期されたものの、無事にスタートを切りました。
魏興(ぎこう)とは?:竭氏軍を率いた将軍
魏興は、物語の序盤に登場する秦国の上級武官であり、王弟・成蟜の側近である竭氏の配下で将軍を務めました。
得物は剣であり、竭氏軍の中でも精鋭揃いの「弩行隊」を率いていたことで知られています。
弩行隊は、その高い攻撃力と非情な任務遂行能力で他国からも恐れられる存在でした。
魏興自身も根っからの軍人であり、任務のためには手段を選ばない冷徹な一面を持っています。
若き日の嬴政を王座から引きずり下ろそうとする竭氏の謀反において、魏興は嬴政を執拗に追跡し、物語の序盤における重要な敵役として信たちの前に立ちはだかりました。
魏興のプロフィール
| 名前 | 魏興(ぎこう) |
|---|---|
| 所属 | 竭氏軍将軍 |
| 得物 | 剣 |
| 率いる部隊 | 弩行隊 |
魏興の活躍と最期:王都奪還編の重要人物
魏興の主な活躍の舞台は、コミックス1巻から5巻に収録されている「王都奪還編」です。
この物語の序盤において、魏興は王座を狙う成蟜と竭氏の命を受け、追われる身となった嬴政の命を狙いました。
ここでは、魏興の初登場から、王弟の反乱における彼の行動、そしてその最期までを詳しく見ていきましょう。
初登場と嬴政への追撃
魏興が初めて登場するのは、コミックス1巻です。
竭氏軍の将軍として、既に弩行隊を率いていた魏興は、成蟜と竭氏によって王座を追われた嬴政を殺害するために追撃を開始します。
嬴政は、瓜二つの容姿を持つ漂を影武者にしたことで一度は難を逃れますが、それでも魏興の追撃は執拗であり、再び窮地に立たされることになります。
この序盤の緊迫した展開において、魏興は信と嬴政の出会い、そして彼らの絆が深まるきっかけを作る重要な役割を果たしました。
王弟の反乱での活躍:弩行隊の猛攻
王弟の反乱において、魏興は自らの率いる弩行隊を率いて、嬴政と山の民連合軍と激しく戦いました。
戦闘の最中、魏興は嬴政自身が前線で戦っているのを目撃し、大将の首を狙って動きます。
しかし、嬴政の窮地は、大臣である昌文君が身を挺して庇ったことで回避されました。
その後も弩行隊は猛攻を続け、その精鋭ぶりを見せつけます。
読者からは、「弩行隊の攻撃は非常に正確で、もし山の民が援軍に来なければ、嬴政はさらに追い詰められていたかもしれない」という見方もあります。
劇的な最期:王騎との遭遇
魏興の運命が大きく変わったのは、信たちが竭氏の首を取ったことで成蟜と肆氏が混乱に陥った時です。
そこへ、秦の六大将軍の一人であり「怪鳥」の異名を持つ王騎が、偽の昌文君の首を持って現れます。
予期せぬ大物の登場に魏興たちは驚愕しますが、王騎が自分たちの味方ではないと悟ると、魏興は果敢にも王騎に戦いを挑みました。
しかし、王騎の圧倒的な実力の前に、魏興の抵抗は通用しませんでした。
王騎は自慢の大矛を振るい、魏興の体を一瞬で真っ二つにし、その命を絶ちました。
この魏興の最期は、王騎の強大さと、秦の六大将軍の恐ろしさを読者にまざまざと見せつける場面として、非常に印象的なものとなっています。
原作漫画と実写映画の描写の違い
『キングダム』の実写映画版では、魏興の登場シーンや最期が原作漫画と異なる描写がされています。
実写映画版では、魏興は嬴政の追っ手としてではなく、王宮にて成蟜軍を率いて信たちの部隊を迎え撃ちました。
そして、彼の最期のシーンも原作漫画とは異なり、信に向かって突進し、信の剣によって斬られて死亡するという展開になっています。
また、原作漫画では化け猿のランカイがいわゆるラスボス的な存在でしたが、実写映画版ではラスボスが左慈に変更されている点も大きな違いと言えるでしょう。
これらの変更は、映画としてのテンポや構成を考慮したものと見られており、読者の間では「王騎に斬られる展開の方が原作ファンには嬉しい」という意見と、「映画独自の解釈も楽しめる」という意見の両方があります。
魏興を演じた人々:声優と俳優
魏興というキャラクターに命を吹き込んだのは、アニメと実写映画で異なる実力派の面々です。
彼らの演技が、魏興の存在感をさらに際立たせました。
アニメ声優:青木強
テレビアニメ版『キングダム』で魏興の声を担当したのは、声優の青木強です。
青木強は1977年5月30日生まれ、東京都出身のベテラン声優であり、アクセントに所属しています。
趣味は水泳と録音、普通自動車免許と普通自動二輪免許を所持しています。
これまでアーツビジョンやエーエス企画といった声優事務所を経て、現在の事務所に所属しています。
青木強の主な出演作品
青木強は、魏興以外にも数多くのテレビアニメや吹き替え作品で活躍するバイプレイヤーです。
・『魔法つかいプリキュア!』朝比奈大吉
・『神達に拾われた男』フェイ
・『池袋ウエストゲートパーク』塚本孝造
・『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない』ダグラス
・『探検ドリランド-1000年の真宝-』獄炎王子ヘルメレク
・『灼眼のシャナⅢ』”興隷の御者”パラ
また、実写映画『トランスフォーマーシリーズ』や『トワイライトシリーズ』、『X-MEN:ファーストジェネレーション』などの洋画、韓国ドラマ『鉄の王 キム・スロ』や『馬医』などの吹き替えも数多く手掛けています。
さらに、NHKのドキュメンタリー番組『地球ドラマティック』でボイスオーバーを担当するなど、活動の幅を広げています。
実写映画俳優:宇梶剛士
2019年に公開され、大ヒットを記録した実写映画『キングダム』で魏興を演じたのは、俳優の宇梶剛士です。
宇梶剛士の演技は、原作ファンからも「ビジュアルが似ている」と好評を博しました。
実写映画『キングダム』は、現在パート4までの制作が決定しており、その人気は留まるところを知りません。
宇梶剛士のプロフィール
宇梶剛士は1962年8月18日生まれ、東京都出身の俳優です。
血液型はO型で、オフィス33に所属し、劇団PHATOS PACKを主宰しています。
大の甘党として知られ、一日に甘いものを一つ食べないと落ち着かないほどだと言います。
特にチョコレートと餡が好物とのことです。
若かりし頃には暴走族の名誉総長を務め、少年院に入所した経験を持つという異色の経歴を持っています。
少年院で読んだチャップリンの伝記が、彼の更生と俳優を目指すきっかけとなりました。
出所後、高校に復学し、にしきのあきらの付き人を経て菅原文太の付き人となり、俳優としての基礎を学びました。
その後、美輪明宏に見出され、舞台『青森県のせむし男』で初舞台を踏み、1980年代後半からテレビドラマに出演し、知名度を上げました。
宇梶剛士の主な出演作品
宇梶剛士は、その個性的な存在感で多くの作品に出演しています。
・映画『お父さんのバックドロップ』主演・下田牛之助
・『20世紀少年シリーズ』モンちゃん(子門正明)
・『仮面ライダーシリーズ』鴻上光生
・『野球部員、演劇の舞台に立つ!』八幡浩一郎
・NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』井伊直満
・『軍師官兵衛』清水宗治
・『平清盛』源頼政
など、幅広い役柄を演じ分けています。
魏興の弩行隊:精鋭部隊の強さとは?
魏興が率いた弩行隊は、秦国の精鋭部隊としてその名を馳せました。
その強さの源は、高い攻撃力を持つ武器と、魏興の非情な性格が反映された統率力にあると言えるでしょう。
弩行隊の武器と戦術
弩行隊の主な武器は、現代のクロスボウのような形状をした「弩(ど)」です。
弩は弓よりも命中精度が高く、強力な射撃能力を持つため、遠距離からの攻撃で敵を圧倒することが可能でした。
魏興の指揮のもと、弩行隊は組織的かつ非情な戦術を展開し、嬴政を追う途中で黒卑村を全滅させるなど、その冷酷さも際立っていました。
読者からは、「弩行隊の登場で、序盤の緊張感が一気に高まった」という感想も聞かれます。
山の民との対決:弩行隊の限界
王弟の反乱において、弩行隊は山の民との戦いを経験します。
山の民とは、秦国の西にある山々に住む民族で、幾多の民族に分かれ、それぞれが異なる仮面を被っています。
弩行隊は得意の弩で山の民を殲滅しようとしますが、山の民の中には、矢で射られたり剣で斬られたりしても効かない体を持つ者が多く、さすがの弩行隊もこれにはたじろいでいました。
この対決は、弩行隊の強さを示しつつも、彼らが万能ではないことを示唆する場面でもありました。
山の民の異様な強さは、読者にも大きなインパクトを与え、物語の深みを増したと言えるでしょう。
魏興に関する読者の声:短い登場も印象強く
魏興は物語の序盤に登場するキャラクターですが、その存在感は多くの読者に記憶されています。
インターネット上のファンの感想や評価を見ると、様々な意見が見受けられます。
実写映画版を見たファンからは、信が魏興を一刀両断にするシーンがお気に入りだという声が挙がっています。
このシーンは、主人公である信の成長と、若き王・嬴政との絆が確立された瞬間として、特に爽快感を感じた読者が多いようです。
また、実写映画版で宇梶剛士が演じた魏興のビジュアルが、原作漫画のイメージに非常に似ているという評価も多く、キャスティングの成功を示す声が目立ちました。
一方で、「魏興の最期は原作漫画の通り、王騎に斬ってほしかった」という感想も聞かれ、実写映画版と原作漫画の違いに対する、ファンの複雑な感情が垣間見えます。
これらの声から、魏興というキャラクターが、短い登場ながらも読者の心に深く刻まれていることが分かります。
まとめ:魏興が示した『キングダム』序盤の重要性
今回は、『キングダム』に登場する魏興について、その強さや活躍、劇的な最期、そして彼に命を吹き込んだアニメ声優と実写映画の俳優に焦点を当ててご紹介しました。
魏興は、物語の序盤における若き嬴政の最大の脅威として登場し、信たちの成長を促す重要な役割を果たしました。
彼が率いた弩行隊の精鋭ぶりや、その冷徹な性格は、『キングダム』の序盤の緊迫感を高める上で不可欠な存在だったと言えるでしょう。
ぜひ、魏興の存在に改めて注目しながら、『キングダム』の壮大な物語を楽しんでみてはいかがでしょうか。
キングダムをさらに楽しむならこちらもチェック!
























コメント