
『進撃の巨人』の物語は、人類を食らう無垢の巨人と、知性を持ち特殊能力を備えた九つの巨人の存在によって成り立っています。
特に九つの巨人は、その力によって世界の歴史を動かし、主人公エレン・イェーガーの運命を決定づけた、まさに物語の核となる存在です。
この記事では、エレンが継承する「進撃の巨人」や「始祖の巨人」をはじめ、作中に登場する全ての知性巨人に焦点を当て、その固有能力、歴代継承者、そして歴史に隠された秘密を徹底的に深掘りし、解説していきます。
複雑に絡み合う九つの巨人の能力を理解することで、『進撃の巨人』の物語がさらに深く、面白くなることは間違いありません。
知性を持つ九つの巨人とは? 基本情報と物語における重要性
『進撃の巨人』において、巨人には大きく分けて二種類が存在します。
一つは知性を持たず、ただ人間を捕食する無垢の巨人。
そしてもう一つが、巨人化以前の知性を保ち、人間に戻ることができ、それぞれ固有の能力を持つ知性巨人、すなわち九つの巨人です。
この九つの巨人の力が、エルディアとマーレ、そしてパラディ島の三つ巴の戦いを形作っていくことになります。
九つの巨人の誕生と歴史:始祖ユミルからマーレの支配まで
九つの巨人の歴史は、今から約1820年前に遡ります。
エルディア人の祖先であるユミル・フリッツが、「有機生物の起源」とされる光るムカデのような生物と接触し、巨人の力を手に入れたことが全ての始まりです。
始祖ユミルの正体と巨人の力の起源
始祖ユミルは、巨人の力を得た後、初代フリッツ王の奴隷となり、その力を用いて多くの国々を滅ぼし、エルディア帝国を築き上げます。
彼女の死後、その力は九つに分割され、マリア、ローゼ、シーナという彼女の三人の娘、そしてその子孫たちへと継承されていきました。
この出来事が、「九つの巨人」の誕生です。
エルディア帝国の台頭と巨人大戦
九つの巨人の力を持ったエルディア帝国は、約1700年間にわたり大陸を支配しました。
しかし、マーレ人の内部工作や、巨人の力をめぐる内戦(巨人大戦)が勃発し、帝国は弱体化します。
最終的に、マーレは九つの巨人のうち七体の力を奪い取ることに成功し、以降、巨人の力を振りかざして世界を支配する側へと回ることになります。
145代フリッツ王の「不戦の契り」とパラディ島への逃避
巨人大戦で戦いを拒否したエルディア帝国の145代フリッツ王(カール・フリッツ)は、国民の一部を連れてパラディ島へと逃亡しました。
そこで巨大な硬質化巨人を並べて三重の壁を築き、「不戦の契り」を交わします。
この契りにより、王家の血を引く者が始祖の巨人を継承すると、初代レイス王の「争いを拒む思想」に支配され、その強大な力を行使できなくなるという制約条件が生まれることになりました。
九つの巨人に共通する特徴と代償
九つの巨人は、その強大な力と引き換えに、いくつかの共通する特徴と代償を背負っています。
固有の能力と人間に戻る力
九つの巨人の最大の特性は、巨人ごとに異なる固有の能力を持つこと、そして巨人化以前の知性を維持したまま活動できることです。
また、巨人の力を一時的に解除し、人間の姿に戻ることができるのも、無垢の巨人にはない大きな特徴です。
巨人化のトリガーとなる条件と強い目的意識
九つの巨人の継承者が巨人化するには、自傷行為によって出血させることと、強い目的意識や覚悟が必要とされています。
巨人化の練度が上がれば、巨人化のタイミングを自在に操ることが可能になりますが、目的意識を失ったり、心が折れたりした場合は、血を流しても巨人化できなくなるという、精神的な制約も存在します。
継承者の寿命を定める「ユミルの呪い」(13年ルール)
九つの巨人の継承者は、例外なく継承から13年で死を迎えるという「ユミルの呪い」にかかります。
これは、始祖ユミルが巨人化の力を手に入れてから13年で死亡したことに起因するとされており、巨人の力を維持するための避けられない代償です。
この短い寿命が、継承者に常に焦燥感を与え、物語の悲劇性を高める要素の一つになっています。
能力の継承方法:捕食とランダム継承
九つの巨人の能力は、無垢の巨人が知性巨人所持者を捕食することで、捕食した側の無垢の巨人に継承されます。
また、巨人の継承者が巨人化せずに寿命を迎えて死亡した場合、その能力はエルディア人の新生児にランダムで引き継がれるという、予測不能な継承方法も存在します。
能力を継承した際には、前任者の記憶が流れ込んでくることもあり、継承者同士の血の繋がりによって、その記憶がどれだけ鮮明に見えるかが左右されると考えられています。
九つの巨人の弱点:本体の負傷と心の状態
無垢の巨人に比べて圧倒的な強さを持つ九つの巨人ですが、大きな弱点も存在します。
本体が四肢の切断などの大怪我を負った場合、巨人の高い治癒能力を使っても回復に時間を要するため、その間は巨人化が不可能になります。
また、前述の通り、強い目的意識や意志を失うと、巨人化も治癒能力も使えなくなるという、精神的な弱さも抱えています。
九つの巨人の頂点に立つ力:始祖の巨人
九つの巨人の頂点に位置し、全ての巨人の起源となったのが始祖の巨人です。
その力は絶大であり、マーレが最も奪還を望んだ巨人でもあります。
「始祖の巨人」とは? 座標と全巨人の支配
始祖の巨人は、「座標」と呼ばれる能力を介して、全てのユミルの民(エルディア人)と、そこから生まれた無垢の巨人を意のままに操ることができる、文字通りの最強の存在です。
この力を用いて、旧エルディア帝国は世界を支配していました。
始祖の巨人の特殊能力:記憶改ざん・身体構造操作・道を通じた発信
「座標」を通じて発動される始祖の巨人の能力は多岐にわたります。
記憶改ざんによって、パラディ島の壁内の人々の記憶を消して支配下に置いたり、身体構造の変化・操作によって、ユミルの民の肉体を操作したりすることが可能です。
また、ユミルの民同士が繋がる「道」を通じて、始祖の巨人の保持者はメッセージを発信したり、交流したりすることも可能です。
しかし、これらの能力が効くのは「道」で繋がっているユミルの民のみであり、マーレ人や東洋の国の人々など、ユミルの民以外の者には効果がありません。
さらに、アッカーマン一族もユミルの民ではあるものの、何らかの理由で記憶改ざんの能力が効かないことが作中で確認されています。
「不戦の契り」による能力制約と発動の例外条件
前述の「不戦の契り」により、王家の血を引く者が始祖の巨人を所持した場合、初代レイス王の思想に支配され、力を発揮できませんでした。
この制約を回避し、始祖の巨人の真の力を発動させるための例外的なやり方が存在します。
それは、始祖の巨人の保持者(王家の血を引かない)と、始祖以外の知性巨人の保持者(王家の血を引く)の二人が接触した場合です。
物語の序盤、エレン・イェーガーがカルライーター(ダイナ巨人)と接触した際に、巨人を操ることができたのは、この例外的な発動条件が適用されたためでした。
始祖の巨人 歴代継承者まとめ
始祖の巨人は、物語を通じて最も多く継承者が描かれた巨人です。
| 継承者 | 備考 |
|---|---|
| ユミル・フリッツ | 巨人の力を手に入れた最初の人物。13年で死亡。 |
| カール・フリッツ | 145代目の王。巨人大戦後にパラディ島へ逃れ、「不戦の契り」を結ぶ。 |
| ウーリ・レイス | ロッド・レイスの弟。父親から始祖の巨人と「世界の記憶」を引き継ぐ。 |
| フリーダ・レイス | ロッド・レイスの長女。ウーリから継承後、グリシャに捕食される。 |
| グリシャ・イェーガー | エレンの父親。フリーダから始祖の巨人を奪い、エレンに継承させる。 |
| エレン・イェーガー | 主人公。グリシャから始祖と進撃を継承。ダイナ巨人と接触して始祖の力を発動。 |
自由を求め進み続けた巨人:進撃の巨人
「進撃の巨人」は、その名の通り、「いついかなる時代においても自由を求めて進み続けた」と称される巨人です。
当初は目立った特殊能力がないと見られていましたが、その真の能力は物語の根幹に関わる重要なものでした。
「進撃の巨人」の真の特殊能力:「未来の記憶」の覗き見
進撃の巨人の真の固有能力は、「未来の継承者の記憶を見る能力」です。
この能力は始祖の巨人を受け継ぐフリッツ王家すら知らなかった秘密であり、過去の継承者は、未来の継承者であるエレン・イェーガーが見た記憶を垣間見ることができました。
この能力により、過去の継承者(クルーガーやグリシャ)は、未来を知った上で行動することが可能になり、物語の展開に決定的な影響を与えました。
進撃の巨人が「始祖の巨人」の支配を受けない理由
進撃の巨人は、始祖の巨人の支配下に入らない唯一の巨人です。
その根源的な特性として「自由を求める気質」を持っていることが、始祖の巨人の力に屈しない理由だと考えられています。
この「自由」を象徴する特性と「未来の記憶」を知る能力こそが、エレンを突き動かし、物語を大きく動かしていく原動力となりました。
進撃の巨人 歴代継承者まとめ
| 継承者 | 備考 |
|---|---|
| エレン・クルーガー | マーレに潜伏したエルディア人のスパイ「フクロウ」。グリシャに使命を託す。 |
| グリシャ・イェーガー | クルーガーから力を継承し、パラディ島へ。始祖の巨人も奪取。 |
| エレン・イェーガー | グリシャを捕食し継承。進撃と始祖の二つの力を所持。 |
破壊神と呼ばれる最大級の巨体:超大型巨人
『進撃の巨人』という作品の象徴とも言える存在が、超大型巨人です。
その巨大な体躯と、圧倒的な破壊力は、壁内人類にとって最大の脅威となりました。
「超大型巨人」の脅威:推定60mの巨体と圧倒的な破壊力
超大型巨人は、通常の巨人(最大15m級)を遥かに凌駕する推定60mという巨体が特徴です。
巨人化する際の爆撃のような衝撃と爆風は、周囲に大規模な被害をもたらし、その巨大さゆえ、腕を振るうだけでも大規模な破壊活動が可能です。
マーレでは「破壊神」と呼ばれており、その脅威度は計り知れません。
超大型巨人の特殊能力:肉体を消費して放つ広範囲の熱風
超大型巨人のもう一つの武器は、全身の肉を消費して放つ大量の熱風です。
体温が約$600^{\circ}$Cにも達するとされる超大型巨人は、この熱風によって広範囲の敵を焼き尽くすことが可能で、アルミン・アルレルトも長時間この熱風に晒されて瀕死の重傷を負いました。
超大型巨人の弱点:低い機動力と短い持続力
圧倒的な巨体と破壊力を持つ超大型巨人ですが、その代償として機動力がかなり低いという弱点を持ちます。
また、熱風を放つ際に肉体を消費するため、持続力も低いという欠点もあります。
この弱点こそが、ベルトルト・フーバーがシガンシナ区で敗北する要因となりました。
超大型巨人 歴代継承者まとめ
| 継承者 | 備考 |
|---|---|
| ベルトルト・フーバー | 壁を破壊し、人類に巨人の脅威を思い出させた戦士。 |
| アルミン・アルレルト | ベルトルトを捕食し継承。知略で巨人の力を運用する。 |
最強の防御力を持つ全身硬質の盾:鎧の巨人
鎧の巨人は、全身が強固な鎧で覆われている巨人であり、その防御力は九つの巨人の中でも随一です。
「鎧の巨人」の特殊能力:全身硬質化による鉄壁の防御
鎧の巨人の能力は、全身硬質化です。
この硬質化は他の巨人の硬質化能力とは異なり、常に全身を鎧のように覆っており、化学兵器が発達していない時代の武器では傷一つつけられません。
巨人の弱点であるうなじも硬質化で覆われているため、討伐は非常に困難でした。
その防御力に加え、瞬発的なタックルは強力無比であり、ウォール・マリアを破壊するほどの破壊力も持ち合わせています。
硬質化を貫く武器の登場:雷槍と対巨人兵器
かつては鉄壁を誇った鎧の巨人ですが、物語が進み、パラディ島のハンジが開発した「雷槍」や、中東連合の「対巨人兵器」など、科学力の発展による新たな武器が登場したことで、その防御力も絶対的なものではなくなっていきます。
これらの新兵器の前では、鎧の巨人の硬質化も「薄氷のように割れてしまう」状況が描かれています。
鎧の巨人 継承者まとめ
| 継承者 | 備考 |
|---|---|
| ライナー・ブラウン | 第104期訓練兵団の兄貴的存在。鎧の巨人の継承者。 |
汎用性と機動性に優れた女性型巨人:女型の巨人
九つの巨人の中で唯一女性的な容姿をしているのが、女型の巨人です。
その能力は、高い汎用性と機動力に優れているとされています。
「女型の巨人」の特徴:高い機動力としなやかな肉体
女型の巨人は、女性のような丸みを帯びた胸部や臀部を持ち、人間に近いしなやかな体つきが特徴です。
この体型により、高い走力と瞬発力、そして機敏な動きが可能で、移動にも適しています。
その強さは、継承者であるアニ・レオンハートの格闘術に依存する部分が大きく、継承者の身体能力や戦闘能力がそのまま巨人の強さに直結する巨人であると言えます。
女型の巨人の特殊能力:部分硬質化と無垢の巨人への「叫び」
女型の巨人は、その機動力に加え、体の一部を部分的に硬質化する能力を持ちます。
さらに、叫び声によって無垢の巨人を操る能力も作中で披露しました。
他の巨人の能力を発現しやすい特性
女型の巨人には、他の巨人の脊髄液を取り込むことで、その能力が発現しやすいという固有の特性があることが、アニの告白によって明らかになっています。
作中でアニが自らを水晶化させた能力は、後に登場する戦鎚の巨人の能力と酷似しており、この「発現しやすさ」こそが、女型の巨人の最大の特性の一つだと考える読者は多いです。
女型の巨人 継承者まとめ
| 継承者 | 備考 |
|---|---|
| アニ・レオンハート | 優れた格闘術を持つ戦士。調査兵団の追及を逃れるため自らを水晶化。 |
投擲を兵器とする獣の姿:獣の巨人
獣の巨人は、その名の通り「獣」の姿をした巨人であり、継承者によってその外見が大きく変化するというユニークな特徴を持ちます。
「獣の巨人」の継承者による外見の変化:猿や羊、鳥の姿
獣の巨人は、継承者によって外見が変わり、ジーク・イェーガーの場合は猿のような長い手足と全身の体毛に覆われた姿をしています。
また、ジークの前任者であるトム・クサヴァーは羊のような姿をしていました。
さらに、ファルコ・グライスの記憶を通じて、過去の継承者には翼を持つ鳥のような姿の巨人(鳥の巨人)もいたことが示唆されています。
どの獣が選ばれるかは、継承者本人の記憶や憧れと対応している可能性があると考察されています。
獣の巨人の特殊能力:継承者の特性に応じた戦闘スタイル(ジークの投石)
獣の巨人は、元々は目立った取り柄のない巨人だと評価されていましたが、継承者ジークの卓越した投球技術と猿の長い腕という身体的特徴が合わさることで、岩を投げる長距離攻撃を強力な兵器として運用できるようになりました。
この投石能力により、ウォール・マリア奪還作戦や中東連合との戦争で、獣の巨人は大きな戦果を挙げています。
また、ジークの獣は人間に近い猿であるため、巨人体のまま発話できるという特徴もあり、戦場での兵士との連携を容易にしました。
ジーク・イェーガー固有の能力:王家の血による叫びでの巨人化と支配
獣の巨人としての能力に加えて、王家の血筋を引くジーク・イェーガーは、彼固有の特殊能力を発現させました。
それは、自身の脊髄液を注入されたエルディア人を無垢の巨人に変えること、そして叫び声によってその無垢の巨人をコントロールすること(月夜でも動かすことが可能)です。
この能力は歴代の獣の巨人には見られなかったもので、ジークが王家の血を引いていたからこそ可能になった、強力な戦術兵器となりました。
獣の巨人 歴代継承者まとめ
| 継承者 | 備考 |
|---|---|
| トム・クサヴァー | ジークの前任者。巨人の研究者。羊の姿。 |
| ジーク・イェーガー | エレンの異母兄弟。王家の血筋。猿の姿。 |
強靭な顎と爪を持つ最速の奇襲兵:顎の巨人
顎の巨人は、九つの巨人の中で最も小柄ながら、その名の通り強力な顎と爪を持つ強襲型の巨人です。
「顎の巨人」の特殊能力:硬質化をも砕く強力な顎と爪
顎の巨人が持つ強力な顎と爪は、戦鎚の巨人の結晶化や、鎧の巨人の硬質化すらも砕くことが可能なほどの強度を持ちます。
この破壊力と、小柄な体躯から繰り出される素早い動きが、顎の巨人の最大の武器です。
顎の巨人の特徴:小柄な体格と卓越した敏捷性・跳躍力
知性巨人の体高が$13\sim16$mであるのに対し、顎の巨人は5m級と非常に小柄です。
この小柄な体格により、卓越した敏捷性と跳躍力を誇り、戦場では特攻隊長として強襲作戦を担いました。
継承者によって微妙に見た目が異なり、ファルコ・グライスが継承した顎の巨人は、ジークの脊髄液の影響で鳥のような姿となり、飛行能力までも獲得するという例外的で特殊な進化を遂げました。
顎の巨人 歴代継承者まとめ
| 継承者 | 備考 |
|---|---|
| マルセル・ガリアード | ライナーの同期。パラディ島上陸直後にユミルに捕食される。 |
| ユミル(104期生) | 偶然マルセルを捕食し継承。後にポルコに自ら能力を渡す。 |
| ポルコ・ガリアード | マルセルの弟。ユミルから継承。ライナーに対して複雑な感情を持つ。 |
| ファルコ・グライス | ポルコから継承。ジークの脊髄液の影響で鳥のような姿となる。 |
最長の持久力を持つ四足歩行の運搬兵:車力の巨人
車力の巨人は、九つの巨人の中で唯一四足歩行をする巨人であり、他の巨人が持たない圧倒的な持久力を誇ります。
「車力の巨人」の特殊能力:長期間の巨人化と驚異的な持久力
車力の巨人の最大の能力は、長期間にわたる巨人化を可能にする驚異的な持久力です。
継承者であるピーク・フィンガーは、最大で2ヶ月間も巨人化した状態で任務を遂行していました。
最終決戦時には、巨人のうなじから脱出して即座に巨人化を繰り返すという、高い機動性も披露しました。
四足歩行による高い走破性と運搬能力
車力の巨人は、四足歩行による高い走破性を持ち、重荷にも耐えうるため、補給物資の運搬や偵察などが主な任務となります。
戦闘時には、背中の鞍に重機関銃や対巨人砲などの外部兵装を装着し、移動砲台として活躍しました。
また、巨人体のまま流暢な会話が可能であり、兵士との連携が非常に強固であることも大きな特徴です。
一方で、防御力は高くないため、近接戦闘ではリスクが伴う巨人であると言えます。
車力の巨人 継承者まとめ
| 継承者 | 備考 |
|---|---|
| ピーク・フィンガー | 鋭い判断力を持つ戦士。長期間の巨人化により二足歩行を忘れる癖がある。 |
硬質化で武器を創造する特殊兵器:戦鎚の巨人
戦鎚の巨人は、九つの巨人の中で最も登場が遅かった巨人であり、硬質化を応用した特殊な能力を持ちます。
「戦鎚の巨人」の特殊能力:硬質化を応用した武器の生成と操作
戦鎚の巨人の能力は、硬質化(結晶化)を応用し、戦鎚、ボウガン、鞭、剣といった様々な武器を瞬時に創造し、操る能力です。
この造形能力は、武器だけでなく、巨人と同じ大きさの体や、地中に武装を創造するなど、地形変化をも伴う攻撃が可能であり、その汎用性は非常に高いです。
戦鎚の巨人の特徴:本体を巨人から切り離す遠隔操作と水晶化
戦鎚の巨人の最も特殊な特徴は、巨人の本体(継承者)がうなじではなく、水晶体として地中に隠れ、そこから巨人の体を遠隔操作できることです。
この結晶化(硬質化)の硬度は鎧の硬質化をも超える強度を持ち、並大抵の攻撃では傷一つ付きません。
しかし、弱点として消耗が激しく、力を使い果たすと水晶体のまま無力になってしまうという持久力の低さがあります。
戦鎚の巨人 継承者まとめ
| 継承者 | 備考 |
|---|---|
| ラーラ・タイバー | タイバー家が代々継承。ヴィリー・タイバーの妹。 |
| エレン・イェーガー | レベリオ襲撃時にラーラを捕食し、戦鎚の巨人を継承。 |
無垢の巨人の種類と特徴
九つの巨人が知性を保ち特殊能力を持つ一方で、それ以外の巨人はすべて無垢の巨人に分類されます。
無垢の巨人も、その行動や発生理由によっていくつかの種類に分けられます。
無垢の巨人(通常種)とは? 知性巨人との決定的な違い
無垢の巨人は、巨人化以前の知性を失い、本能的に近くにいる人間を襲う習性を持つ巨人です。
この無垢の巨人になるためには、エルディア人(ユミルの民)が知性巨人の「脊髄液」を注入される必要があります。
マーレ人や東洋の人々など、ユミルの民ではない人々は巨人になることはできません。
無垢の巨人の習性と身体的特徴:うなじ、再生力、高温の体
無垢の巨人は、呼吸器や生殖器を持たず、消化器も不完全であるため、口に入れた人間は後に吐き出されます。
歳を取らず寿命もない一方で、後頭部から下の「うなじ」を削がれると消滅するという致命的な弱点を持ちます。
また、傷を修復する再生力を持ち、体長に対して質量が極端に軽いこと、そして体が極端に高温であることも特徴です。
基本的に日中のみ活動可能であり、夜間は活動を停止します。
無垢の巨人の正体とマーレの兵器としての利用
壁の外側にいる大量の無垢の巨人の正体は、パラディ島を狙うマーレ国が、エルディア人反逆者を「楽園送り」として送り込んだものでした。
マーレ国は、この無垢の巨人を兵器として利用し、パラディ島や他国との戦争時に大量殺戮を繰り返しており、その結果、世界中で「巨人=驚異・憎悪の対象」という認識が広まりました。
奇行種とは? 通常種と異なる行動の謎
無垢の巨人の中には、通常の習性とは異なる予想外の行動をする奇行種と呼ばれる巨人たちが存在します。
奇行種は、最も近くにいる人間を狙わない、特定の場所に意思を持って向かう、あるいは言葉を発するといった、通常種では行わない行動をとります。
作中に登場した主な奇行種:ダイナ巨人(カルライーター)、コニー母巨人など
作中では、エレンの母親カルラを捕食したダイナ巨人(カルライーター)や、ラガコ村で不完全な姿でコニーに「オアエリ(おかえり)」と発言したコニー母巨人など、数多くの奇行種が登場しました。
特にダイナ巨人は、王家の血を引くダイナ・フリッツが無垢の巨人化した姿であり、エレンの告白により、その行動がエレンによって操られていた可能性が示唆されています。
奇行種の発生理由に関する考察:プログラムの「glitch(欠陥)」説
奇行種の発生理由については、様々な考察が飛び交いましたが、原作者の諫山創は、インタビューで、無垢の巨人は「プログラムされた存在」のようなものだが、そのうちのいくつかは「glitch(不具合/欠陥)」を含んでしまうのではないか、という見解を示しています。
その他にも、巨人化する際の明確な目的意識や、王家の血を引くといった要素が影響しているという説も存在しました。
月光の巨人:ジークの脊髄液による活動時間の延長
王家の血を引くジーク・イェーガーの脊髄液で巨人化した無垢の巨人は、日光が当たらない夜間、すなわち月夜でも活動することができます。
この「月光の巨人」は、ジークの言葉や命令に従う性質も持ちますが、基本的には通常種と同じように、目の前の敵を襲う習性があるため、通常種に近い存在であると考えられます。
九つの巨人の元ネタに関する考察
『進撃の巨人』の根幹をなす九つの巨人という設定には、我々の世界の神話が元ネタになっているという見方もあります。
北欧神話に由来する「ユミル」と「九つの世界」
すべての巨人の始まりとなった始祖ユミルの名は、北欧神話に登場する、氷河の雫から生まれた巨人「ユミル」に由来すると考えられています。
北欧神話のユミルから霜の巨人たちが生まれたように、『進撃の巨人』でもユミル・フリッツから巨人の力が継承されていきました。
また、北欧神話では全世界を示す際に「九つの世界」という表現が多用されており、「九つの巨人」という数も、この神話から着想を得たという説が有力視されています。
まとめ
『進撃の巨人』における九つの巨人は、それぞれが持つ固有の特殊能力と、「ユミルの呪い」という過酷な代償を背負った、物語の核心をなす存在です。
始祖の巨人の「座標」や進撃の巨人の「未来の記憶」といった特殊能力は、エレン・イェーガーの行動と世界の歴史に決定的な影響を与えました。
超大型巨人や鎧の巨人の絶大な破壊力や防御力、戦鎚の巨人のトリッキーな戦闘スタイル、そして顎の巨人や車力の巨人の機動性など、各巨人の能力と、それを継承したベルトルト、ライナー、アニ、ジーク、ピーク、ポルコ、ファルコといったキャラクターたちの葛藤や運命が絡み合い、この壮大な物語を形作っています。
この記事で九つの巨人の能力や継承者について深く理解することで、『進撃の巨人』の物語をさらに深く、多角的に楽しむことができるでしょう。
特に、エレンが始祖、進撃、そして戦鎚という三つの巨人の力を所持していたという事実や、各巨人特有の能力を改めて頭に入れたうえで作品を振り返ってみると、新たな伏線や発見があるかもしれません。
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