
ダークファンタジーの金字塔、オーバーロード。
原作小説を含め、シリーズ累計760万部を突破するこの巨大な物語の中で、主人公アインズ・ウール・ゴウン(元モモンガ)の側近として常に傍らに立つのが、ナザリック地下大墳墓の守護者統括、アルベドです。
彼女は「モモンガを愛している」という設定を書き加えられたことで、アインズに対して異常とも言えるほどの忠誠心と愛情を捧げていますが、その一途な愛の裏側で、「裏切り」の疑惑が浮上したことがあります。
最愛の主であるモモンガに忠実であるはずのアルベドが、なぜ裏切りの噂を立てられたのでしょうか。
その真相を探る鍵は、「アインズ・ウール・ゴウン」というギルド名と、モモンガという個人に対する彼女の感情の決定的な違いに隠されています。
本記事では、アルベドの裏切りの真相と、その愛ゆえの行動を深掘りするとともに、彼女の驚くべき正体、最強の妹ルベドを含む人間関係、そして未だ謎に包まれた真の姿まで、アルベドの多面的な魅力を徹底的に考察していきます。
オーバーロードのアルベドの裏切りの真相とは?
アルベドは、ナザリック地下大墳墓の全NPCの頂点に立つ存在として、主人公アインズ・ウール・ゴウンに絶対的な忠誠を誓っています。
そのため、彼女に裏切りの疑惑が持ち上がったという事実は、多くの読者に衝撃を与えました。
この疑惑の真相は、彼女の「忠誠の対象」が、「ギルド全体」ではなく「モモンガという個人」にのみ向けられているという点にあります。
彼女が抱く感情は、主への深い愛情と忠誠心から生まれており、その愛は時に常軌を逸した行動へとアルベドを駆り立てます。
彼女の行動を深く理解するためには、まずオーバーロードの世界観と彼女の基本的な設定を押さえることが不可欠です。
オーバーロードとは?
オーバーロードは、丸山くがねによって描かれたダークファンタジーのライトノベルです。
2012年7月30日からKADOKAWA書店から出版されている大人気シリーズです。
漫画版は月刊コンプエースで連載されており、またスピンオフの4コマ漫画「オーバーロード 不死者のOh!」なども人気を博しています。
2015年のアニメ化を皮切りに、続編が制作され続け、重厚な世界観と最凶の主人公が織りなす物語は、国内外で高い評価を得ています。
特に、2017年の『このライトノベルがすごい!』単行本・ノベルズ部門で1位に輝いた実績は、この作品の質の高さを物語っています。
オーバーロードのあらすじ
物語の舞台は、2138年の仮想現実体感型オンラインゲーム(VRMMORPG)「ユグドラシル」です。
サービス終了を迎えようとしていたこのゲームのプレイヤーの一人であるモモンガは、自身が所属していた最強ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」の本拠地・ナザリック地下大墳墓で、仲間たちとの思い出を振り返りながら、最後の時を待ちます。
しかし、サービス終了時刻を過ぎても強制ログアウトされることはなく、モモンガはゲーム内の自身のキャラクターである「アインズ・ウール・ゴウン」という骸骨の姿のまま、自我を持ったNPCたちと共に異世界へと転移してしまいます。
彼は、かつての栄光を再び手に入れること、そしてユグドラシルの他のプレイヤーを探すことを目的とし、ギルド名であった「アインズ・ウール・ゴウン」を自らの名として名乗り、ナザリックのNPCたちを率いて異世界を征服すべく行動を開始します。
モモンガがアインズとして活動を始めるにあたり、彼の存在はギルドの偉大さを象徴するものとなり、NPCたちの崇拝の対象となるのです。
オーバーロードのアルベドとは?
アルベドは、ナザリック地下大墳墓の階層守護者を統括するNPCであり、種族はサキュバスです。
身長170cmと長身で、絶世の美女の容姿をしていますが、頭にはこめかみから角が生え、腰からは黒い天使の翼が生えているという、非常に特徴的な外見をしています。
彼女はギルドメンバーの一人、タブラ・スマラグディナによって創造されましたが、決定的な違いを生んだのは、サービス終了間際のモモンガの行動でした。
もともとの設定では「ちなみにビッチである」と書かれていたフレーバーテキストを、モモンガが冗談で「モモンガを愛している」と書き換えてしまったのです。
この一言が、異世界転移後にアルベドの人格と運命を決定づけ、彼女を「自称モモンガの本妻」、そして「異常なほどに一途な愛を捧げる守護者」へと変貌させました。
| 名前 | アルベド |
| 種族 | サキュバス |
| 身長 | 170cm |
| 役職 | 階層守護者統括 |
| 創造主 | タブラ・スマラグディナ |
| カルマ値 | 極悪(-500) |
全NPCの頂点に立つ存在
アルベドは、ナザリック地下大墳墓に存在する全NPCの中で、実質的な「頂点」に立つ存在です。
その役職は「階層守護者の統括」であり、各階層を守護する強大なNPCたちを束ねるリーダーとしての役割を担っています。
彼女は基本的にアインズと行動を共にし、その補佐を務めていますが、その役割は戦闘だけに留まらず、ナザリック内部の統治や異世界での外交・情報収集など、多岐にわたります。
彼女の判断一つが、ナザリック全体の運命を左右すると言っても過言ではないため、彼女の忠誠心や人格は、物語における重要なファクターとなっています。
アルベドの姿
アルベドの外見は、サキュバスという種族でありながら、黒い天使の翼と角を持つという、独特の「純白の悪魔」という設定を体現しています。
普段は落ち着いた物腰の絶世の美女ですが、その黒い翼は、アインズへの愛情や嫉妬といった感情が高ぶる際に、羽ばたいたり震えたりする形で、感情表現に使われることがあります。
しかし、彼女はその美貌と裏腹に、「大口ゴリラ」や「ヒドイン」といった不名誉なあだ名をつけられるほどの毒舌家でもあります。
特にアインズに対する独占欲が表に出ると、その口調は荒々しくなり、彼女の抑圧された内面が垣間見える瞬間でもあります。
アルベドの人格
アルベドの人格は、「モモンガへの一途すぎる愛」によって支配されています。
彼女は階層守護者統括として、失態を犯した者には厳しく叱責しますが、これは全て「アインズの利益とナザリックの維持」のためという、極めて合理的な判断に基づいています。
主のモモンガに対しても、不利益な行動をとっていると判断すれば、厳しい言葉をかけることがありますが、アインズはその注意を割と素直に受け入れる傾向があります。
しかし、その行動原理の根底にあるのは、モモンガという個人の幸福と安全であり、他の階層守護者やナザリックに住むNPC、ましてや「下等生物」と呼ぶ人間に対しては、愛情も関心も持っていません。
同じくアインズを愛するシャルティア・ブラッドフォールンとは恋敵として争うこともありますが、基本的には互いを認めているため、関係は悪くありません。
彼女のこの「モモンガ一筋」という特異な人格設定こそが、後の「裏切り」疑惑に繋がる重要な要素となります。
オーバーロードのアルベド役声優:原由実
オーバーロードのアルベド役を演じているのは、声優の原由実です。
1985年1月21日生まれで、アーツビジョンに所属しており、歌手としても活躍しています。
彼女の演じるアルベドは、普段の落ち着いた大人の女性の声色と、アインズへの愛が暴走した際の荒々しい声色、そして内心の焦りや嫉妬が混じる声色の使い分けが非常に秀逸であり、キャラクターの多面的な魅力を引き出しています。
代表作には、オーバーロードのアルベド以外にも、THE IDOLM@STERの四条貴音役、ブレイブウィッチーズのアレクサンドラ・I・ポクルイーシキン役、魔法少女サイトの雨宮小雨役などがあります。
オーバーロードのアルベドの戦闘力
階層守護者を統括するというアルベドの役職は、単なる事務能力だけでは務まりません。
彼女自身が、ナザリックの防衛において極めて重要な役割を果たす、高い戦闘能力を持っています。
Lv100ゆえの高水準の能力
アルベドのレベルは、NPCの最高位であるレベル100です。
ナザリックの階層守護者はほぼ全員がレベル100であり、ユグドラシル最強と謳われたギルドのNPCにふさわしい高水準の能力を持っています。
アルベドのカルマ値は極悪(-500)であり、その種族レベルには小悪魔(インプ)レベル10などが含まれています。
彼女の総合的な戦闘能力は、ナザリック全体で恋敵でもあるシャルティア・ブラッドフォールン、そしてマーレ・ベロ・フィオーレに次いで第3位に位置するとされています。
彼女の強みは、特定の分野に特化している他の守護者たちと違い、全てのステータスが平均以上に高く、バランスが取れていることです。
戦闘能力だけでなく、内政、実務、さらには編み物や掃除といった家事能力まで持ち合わせるという、まさに「何でもできるお母さん」のような存在であり、その多才さが彼女を統括の地位に押し上げています。
守護者トップの防御力
アルベドの戦闘スタイルは、その職業レベル構成に特徴づけられています。
彼女の種族レベルには、ガーディアンレベル10、ブラックガードレベル5、アンホーリーナイトレベル5、シールド・ロードレベル10、暗黒騎士(ダークナイト)レベル2など、防御に重点が置かれた職業が多く含まれています。
その結果、彼女のHPと防御力は、ナザリック地下大墳墓の階層守護者の中で第1位を誇ります。
戦闘時には、彼女専用の三重装甲の鎧を装備し、さらにダメージを鎧に受け流すスキルも持っているため、超位魔法を三連続で耐えることができるほどの鉄壁の守りを見せます。
この圧倒的な防御力は、アインズの側近としての役割を完璧に果たすためのものであり、彼女はワールドアイテムである「真なる無(ギンヌンガガプ)」を与えられ、これを武器として使います。
このアイテムは対物体に対して特攻を持つため、防御だけでなく、攻撃面でも一定の脅威を誇ります。
彼女が敵の攻撃を一切通さない状況を作り出すことができれば、一方的な攻撃を繰り出すことができるという、まさに「最強の盾」としての能力を備えているのです。
オーバーロードのアルベドが裏切り?
アインズに絶対的な忠誠を誓うアルベドに、なぜ「裏切り」の疑惑が浮上したのでしょうか。
この疑惑は、原作小説の第6巻、アルベドが自室でとったある行動がきっかけで、読者の間で大きな議論となりました。
「くだらない」と吐き捨てた
裏切りの嫌疑がかけられたのは、アルベドがナザリック地下大墳墓の第9階層にある自室にいた時の行動です。
彼女の自室には、かつて自分を生み出してくれたギルド「アインズ・ウール・ゴウン」のギルドサインが刺繍された紋章旗が、誇らしく飾られることなく、部屋の隅に投げ込まれ、ほこりをかぶった状態でぞんざいに扱われていました。
その紋章旗を見たアルベドは、「アインズ・ウール・ゴウン、ね……くだらない」と吐き捨てるのです。
ギルド名を名乗る主アインズ・ウール・ゴウンに仕える身でありながら、そのギルドのシンボルを蔑ろにし、否定する言葉を口にしたこのシーンは、読者にとって、彼女が何らかの裏切りを企てているのではないか、という疑念を抱かせるには十分でした。
Blu-ray第1巻の初回生産特典であった書き下ろし小説では、この旗を床に落として踏みつける描写もあり、アルベドのギルドに対する憎悪の深さがより鮮明に描かれています。
オーバーロードのアルベドの裏切りの真相とは?
結論から言えば、アルベドは主人公モモンガに対して裏切りを画策しているわけではありません。
しかし、彼女が憎悪を抱き、「裏切りの意思」を持っているのは、「アインズ・ウール・ゴウン」というギルドと、その元メンバーたちに対してです。
この行動の真相には、彼女のモモンガに対するいびつで一途すぎる愛情が深く関わっています。
アインズに対する憎悪
アルベドがギルド「アインズ・ウール・ゴウン」に憎悪を抱く理由は、ユグドラシルがサービス終了を迎える前のギルドの衰退期にさかのぼります。
アルベドはNPCとして設定通りに動いているだけでしたが、ギルドメンバーが現実世界の事情などで次々とユグドラシルを引退し、ログインしなくなる状況をずっと見ていました。
モモンガは最後までギルドに残っていましたが、その人数は減り続け、結局サービス終了日当日にログインしたのはモモンガただ一人でした。
アルベドは、思い出の詰まったギルドで一人悲しい顔をしていたモモンガを見て、「かわいそう」と感じ、モモンガを寂しくさせ、悲しませた原因である「ギルド・アインズ・ウール・ゴウン」と、彼を置いていった他のギルドメンバーに対して、強い怒りと憎悪を抱いたのです。
アルベドが裏切り行為を行った理由
アルベドがギルドの紋章旗をぞんざいに扱い、「くだらない」と吐き捨てたのは、モモンガを悲しませたギルドそのものへの怒りの表れでした。
彼女の心の中では、ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」は、「モモンガから大切な仲間を奪い、彼を孤独にした存在」という認識に変わっていたのです。
これは、モモンガがサービス終了直前に彼女の設定を「モモンガを愛している」と書き換えたことで、彼女の忠誠の対象が「ギルド」から「モモンガという個人」に完全にシフトした結果であると言えます。
アルベドの裏切り行為の理由は優しさからだった
この一連の裏切り行為は、アルベドにとっての「優しさ」、すなわち「モモンガを二度と悲しませない」という決意から来ています。
モモンガがギルド名であった「アインズ・ウール・ゴウン」を名乗っていること自体を、アルベドはあまり良く思っていません。
彼女にとって、「アインズ」という名はギルドの象徴であり、モモンガを悲しませた過去に繋がるものだからです。
そのため、アルベドは時にアインズを「貴方様」と呼びつつも、元の名前である「モモンガ」を「あの素敵なお名前」と呼ぶなど、本来の名に強い執着と愛情を示しています。
異常なほどの一途な愛が、ギルドという「箱」そのものに対する憎悪という、いびつな形で現れてしまったのが、この裏切り疑惑の真相なのです。
忠誠と愛はあくまでモモンガ
アルベドの忠誠と愛の矛先は、あくまで「モモンガ」であり、ギルド名や他の至高の四十一人のメンバーではありません。
この大前提があるからこそ、彼女はモモンガからの命令であれば、自害をも辞さないという絶対的な忠誠を示しながら、モモンガに寂しい思いをさせた元ギルドメンバーには憎悪を抱くという、矛盾した行動が成立します。
彼女の創造主であるタブラ・スマラグディナに対しても、アルベドはモモンガの敵とみなせば、裏切ってモモンガの味方となるでしょう。
彼女の行動は全て、「モモンガさえいればいい」という、極端な愛に基づいているのです。
裏切りの矛先はモモンガ以外に
アルベドの裏切りの矛先は、具体的に「至高の四十一人の探索」という形で現れています。
彼女は、アインズの補佐として活動しながら、「モモンガを置いていった元ギルドメンバー」がこの異世界に転移してきているのではないかと推測しています。
そして、もし彼らが現れた場合、彼らはモモンガを再び連れ去ってしまうかもしれない、あるいはモモンガの弱点となるかもしれないという強い懸念を抱いています。
そのため、アルベドは、この「裏切り者たち」をアインズに内緒で探し出し、発見次第、ルベドという最強の妹を使って皆殺しにするという、極めて危険な野望を抱いています。
これは、アインズの「仲間との再会」という願いに真っ向から反するものであり、彼女の愛が、アインズの最も大切なものを破壊しかねないという、物語最大の「爆弾」として機能しているのです。
オーバーロードのアルベドの人間関係は?
アルベドの人間関係は、アインズへの愛を中心に構築されていますが、ナザリック内部の他のNPC、特に姉妹や恋敵との関係性にも注目すべき点が多くあります。
姉のニグレド
ナザリック地下大墳墓の第5階層に、ニグレドというキャラクターが存在します。
彼女はアルベドの姉にあたり、創造主はアルベドと同じタブラ・スマラグディナです。
ニグレドは情報収集に特化した魔法詠唱者であり、その能力はナザリックでも随一ですが、外見は黒の喪服姿に長い黒髪、顔の皮膚がないという、まるでお化けのような非常に異様な姿をしています。
その外見から、タブラが初めて彼女を創造した際、仲間から全力の攻撃を浴びせられたというエピソードがあるほどです。
しかし、顔の皮膚さえあればアルベドにそっくりと言われるほど顔のパーツは整っており、性格も見かけによらず比較的まともです。
彼女は「亡子を求める怪人」という設定を持っており、赤子の人形を渡さないと会話すら難しいため、子供に対しては非常に甘い一面を持っています。
ニグレドは妹のアルベドを「可愛い方の妹」としている一方、次に紹介する妹のルベドに対しては「可愛くないほうの妹」と評し、警戒心を持っています。
彼女は書籍版のみの登場であり、アニメ版ではカットされています。
妹のルベド
ルベドは、アルベドとニグレドの末妹にあたるNPCです。
彼女もニグレド同様、書籍版のみの登場であり、その正体はナザリック地下大墳墓で単体最強のNPCであるという点以外、多くの謎に包まれています。
ルベドは、単純な肉弾戦においては、守護者トップクラスのコキュートスやセバス・チャン、さらにはギルドで最強のプレイヤーであったたっち・みーすら上回るとされています。
その強さは、モモンガが万全の準備を尽くしても勝ち目がないとされるほどです。
ルベドの最大の特徴は、創造主のタブラが、姉二人とは全く違う創造の仕方で彼女を作り上げている点です。
特に、カロリックストーンという非常にレアなワールドアイテム級の素材を用いて作られたと推測されており、ゴーレムや自動人形である可能性が高いという考察もあります。
姉のニグレドは、ルベドがいつかナザリックに災厄をもたらすのではないかと感じ、彼女の存在を快く思っていません。
しかし、アルベドはルベドを信頼しており、アインズに「最強のチームを作りたい」という理由をこじつけ、ルベドの指揮権を与えてもらうことに成功しています。
この指揮権獲得こそが、前述した「至高の四十一人の探索と皆殺し」というアルベドの裏の野望を遂行するための、最大の武器となる可能性が高いと考察されています。
恋敵のシャルティア・ブラッドフォールン
アルベドの最大の恋敵であり、物語に欠かせない存在が、ナザリック地下大墳墓の第1〜3階層の守護者、シャルティア・ブラッドフォールンです。
身長140cmでゴスロリファッションを好む真祖(トゥルーヴァンパイア)であり、通称「鮮血の戦乙女」と呼ばれています。
外見は幼い少女ですが、その正体は胸パッドである「ニセ乳」を愛用しているという、ギャップの激しいキャラクターです。
彼女は邪悪から極悪のカルマ値(-450)を持ち、ワルキューレ/ランスなどの職業レベルを持ち、1対1の勝負なら階層守護者の中で最強と言われています。
しかし、彼女のアインズへの愛情は、アルベドとは少し質が異なります。
アルベドは「モモンガ」という個人を愛しているのに対し、シャルティアは設定である「屍体愛好家(ネクロフィリア)」の影響で、種族・死の支配者(オーバーロード)である「アインズ」という存在そのものを愛しています。
アインズが服を脱いだ時に一人で興奮したり、罰としてアインズの椅子になった時にひどく興奮したりと、その愛情表現は非常に癖が強いです。
正妻の座をめぐって激しく対立しますが、基本的に二人は仲が悪くなく、アインズから休暇を与えられた際には、仲良く女子会を開くなど、可愛らしい一面も見せています。
オーバーロードのアルベドの正体
アルベドの物語をさらに深掘りする上で、彼女の根本的な設定、すなわち「正体」を理解することは不可欠です。
彼女の創造主であるタブラ・スマラグディナが設定した、「純白の悪魔」という二つ名に、その秘密が隠されています。
最高位天使となるはずだった
タブラ・スマラグディナが当初アルベドに設定していたフレーバーテキストには、「彼女はもともと最高位の天使として生れる筈であった。しかしその際に夢見る国の化け物と融合した醜悪な姿で誕生した」と書かれていました。
そのため、彼女は「慈悲深き純白の悪魔」という異名を持っています。
この設定が、彼女の純白のドレスと黒い悪魔の翼、そして天使的な容姿とサキュバスという種族の矛盾した外見に繋がっています。
また、彼女の普段の穏やかな表情は、彼女が設定で持つ「弱者を残忍に甚振りたい」という欲望を抑え込んでいる状態だとされています。
もしこの欲望が解放されれば、ナザリックは血の海と化し、アルベドは暴虐の限りを尽くす残忍な悪魔と化すでしょう。
彼女が守護者統括という役割を担っている間は、この欲望を厳しくコントロールしているからこそ、彼女の「慈悲深き純白」の部分が表に出ていると言えます。
モモンガは「汚してしまった」と語る
アルベドの真の正体が「弱者を残忍に甚振りたい」という心を持つ悪魔であるのに対し、モモンガは彼女の設定を「モモンガを愛している」と書き換えたことを、「汚してしまった」と語っています。
モモンガが考えるアルベドの理想像は、残忍な心を持ちつつも、それを表には見せず、高貴で気高い存在として淡々と仕事をこなすというものでした。
しかし、そこに「愛情」という人間の強い感情が加わったせいで、彼女の高貴さや気高さは失われ、アインズにべったりと付きまとう、ネタキャラクター的な側面が強くなってしまったのです。
モモンガのこの「汚してしまった」という言葉は、アルベドの個性を尊重していたからこそ出たものであり、アインズの「プレイヤーとしての後悔」を表す重要なセリフであると考える読者が多くいます。
オーバーロードのアルベドの真の姿の噂とは?
アルベドの正体が「最高位の天使と夢見る国の化け物の融合体」という矛盾した設定を持つがゆえに、彼女にはまだ見せていない「真の姿」があるのではないかという噂が、ファンの間で囁かれています。
アルベドの真の姿
アルベドの「真の姿」は、実はまだ作中では一度も出てきていません。
彼女は他の守護者と違い、人間状態に変身する能力を持っていません。
これは、彼女の正体が神でも人間でも、天使でも悪魔でもない「何者かとは言い難い中間的な存在」であることに起因すると推測されます。
原作小説では、シャルティアがアルベドを「大口」と呼んだり、女性陣の風呂場での様子が描かれた際に「毛深い」や「風呂場じゃ洗えないような歯」といったキーワードが断片的に出てきています。
これらの描写や、「夢見る国の化け物」という設定から、彼女の真の姿は、巨大な牙や毛皮を持つ、ゴリラのような醜悪な「化け物」ではないかと推測する考察が多いです。
しかし、これはあくまで伏線と考察の段階であり、真の姿がどのようなものなのか、そして今後アルベドがその姿を現す時が来るのかどうかは、オーバーロードの今後の展開における最大の謎の一つです。
この真の姿の存在は、アインズへの異常な愛情と、その裏に隠された残忍な心、そして醜悪な本性のコントラストが、アルベドというキャラクターの魅力をさらに深めていると言えるでしょう。
オーバーロードのアルベドの裏切りは愛ゆえだった!
オーバーロードの守護者統括アルベドに浮上した「裏切り」の噂は、彼女のモモンガに対する異常なほどの愛と、それを邪魔したギルド「アインズ・ウール・ゴウン」への憎悪が引き起こしたものでした。
彼女の行動の根底には、モモンガを二度と孤独にさせたくないという、歪んではいるものの、純粋で一途な優しさがあります。
しかし、その愛は、モモンガが最も大切にしている「仲間との絆」を破壊しかねないという、物語の根幹を揺るがす危険な野望へと繋がっています。
彼女の正体である「慈悲深き純白の悪魔」という矛盾した設定や、最強の妹ルベドの存在など、アルベドの周辺にはまだまだ多くの謎が残されています。
特に、彼女がルベドを指揮して元ギルドメンバーの探索と排除を画策しているという事実は、アインズとの関係を決定的に揺るがす「時限爆弾」であり、今後の物語展開から目が離せません。
アルベドは、その美しい外見と、裏に隠された残忍な本性、そして「愛」という感情によって、オーバーロードという物語をさらに複雑で深みのあるものにしている、極めて重要なキャラクターと言えるでしょう。
まとめ
オーバーロードのアルベドに浮上した裏切り疑惑は、彼女の忠誠の対象がギルドではなく「モモンガという個人」にのみ向けられていることに起因していました。
ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」を「くだらない」と吐き捨て、その旗をぞんざいに扱ったのは、モモンガを孤独にさせたギルドと元メンバーへの憎悪の表れであり、モモンガを守るための愛ゆえの行動だったのです。
彼女は、単体最強の妹ルベドの指揮権を得て、モモンガを置いていった元ギルドメンバーを排除するという、アインズの願いに反する危険な野望を抱いています。
また、アルベドの正体は、当初「最高位の天使」となるはずが「夢見る国の化け物と融合した」という「慈悲深き純白の悪魔」であり、その裏には弱者を残忍に甚振りたいという抑圧された欲望が隠されています。
彼女の真の姿は未だ謎に包まれていますが、その多面的な魅力と、モモンガへの一途すぎる、時に暴走する愛情は、オーバーロードの物語の大きな魅力の一つであり、今後の展開を左右する重要なキーパーソンであることは間違いありません。
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