
『銀魂』という作品を象徴するキャラクターの一人に、常にプラカードを掲げている謎の宇宙生物「エリザベス」が挙げられます。
エリザベスは、白い巨大な鳥かペンギンのような可愛らしい見た目をしている一方で、彼の足には生々しい「すね毛」が生えており、ファンの間では「中身はおっさん」だと長年囁かれてきました。
実際に、エリザベスの正体は数度にわたって物語の核心に迫る形で明かされており、その真実は多くの読者や視聴者を驚かせました。
本記事では、桂小太郎の右腕として攘夷活動に貢献している人気キャラクター「エリザベス」の詳細なプロフィールや、物語で明かされた複数の「正体」について徹底解説します。
また、彼の「かわいい」と「かっこいい」という二面性に秘められた魅力、さらに実写映画でキャストを務めた俳優・山田孝之さんの話題まで深掘りします。
エリザベスとは何者か?基本プロフィールと初期設定
エリザベスは、『銀魂』の物語に欠かせないキャラクターであり、その謎めいた存在が多くの魅力を生み出しています。
エリザベスの誕生と桂小太郎との出会い
エリザベスは、元攘夷志士で宇宙商人を営む「快援隊」の坂本辰馬から、桂小太郎へ贈られた「謎の宇宙生物」として初登場しました。
坂本辰馬は、当時、地球との友好関係を築くための取引相手だと勘違いしてエリザベスを桂に託します。
桂小太郎は、その癒し系の見た目からエリザベスを「かわいいペット」として溺愛し、以降、攘夷党での活動を常に共にする右腕的な存在となりました。
| 項目 | 内容 |
| 名前 | エリザベス |
| 身長/体重 | 180cm/123kg |
| 特徴 | プラカードで会話、すね毛の生えた足 |
| 主人(相棒) | 桂小太郎 |
| 初期の正体 | 謎の宇宙生物(宇宙商人坂本の贈答品) |
| 愛称 | エリー(神楽から)、エリザベスさん/先輩(新八や隊士から) |
基本的な特徴:プラカードとすね毛
エリザベスの最もユニークな特徴は、口を開くことが稀であり、ほとんどの会話や意思表示を「プラカード」に書いた文字で行う点です。
しかし、稀に口頭で発言する時は、その見た目に反して「口が悪い」というギャップも見せています。
また、彼の足はダボダボの着ぐるみの下から伸びており、そこに「生々しいすね毛」が生えていることから、「中身はおっさん」という噂が立ち、これが彼の最大の「かわいい」かつ「面白い」魅力の一つとなっています。
エリザベスの正体と中身はおっさん?真実の解説
エリザベスの中身については様々な説があり、物語でも複数の「正体」が明かされています。
正体①:幻の傭兵部族「蓮蓬(れんほう)」
エリザベスの「中身」の謎に初めて深く切り込んだのが、アニメ第232話からの「蓮蓬篇」です。
この篇では、エリザベスが地球侵略を企む幻の傭兵部族「蓮蓬」のリーダー(もしくは、リーダーに近い人物)であることが明かされました。
蓮蓬はエリザベスと同じ姿をしており、彼らはスパイとして地球に潜入していたのです。
| 時期 | 「蓮蓬篇」 |
| 正体(仮) | 幻の傭兵部族「蓮蓬」 |
| 目的 | 地球征服のための潜入捜査 |
| 中身が変わる説 | 「レギュラー(エリザベス)」と「ヘルプ(エリザベス)」が曜日ごとに交代していた |
このエピソードでは、「月曜日はヘルプ(エリザベス)、それ以外はレギュラー(エリザベス)が担当している」という設定が登場し、中身の人物が交代していることがギャグ的に描かれました。
「ヘルプ」の正体は、蓮蓬の将軍「江蓮(えれん)」だと明かされており、彼は桂小太郎たち人間と関わるうちに絆を深め、最終的には仲間を裏切って地球を守る道を選びます。
正体②:央国星三皇子の長男「ドラゴニア」
さらに、「蓮蓬篇」の終盤や、物語の深い部分で、エリザベスの真の正体が示唆されます。
エリザベスの「レギュラー」の正体は、宇宙の央国星三皇子の長男であり、「戦闘の天才」と呼ばれた伝説の皇子「ドラゴニア」だというものです。
| 正体(真実) | 央国星三皇子の長男「ドラゴニア」 |
| 別名 | 九龍公子ドラゴニア |
| 血縁関係 | ハタ皇子の兄 |
| 背景 | ある事件で記憶を失い、現在のエリザベスに |
ドラゴニアは、数々の問題行動を起こしているハタ皇子の兄であり、崖から転落した際に瀕死の状態で遭遇したエリザベスそっくりの生物を誤って殺害してしまいます。
その影響で記憶を失った彼が、現在の桂小太郎の相棒である「エリザベス」として生きているという設定です。
「中身がおっさん」という噂は、蓮蓬というエイリアンの正体や、中身の山田孝之さんの話題と相まって定着したギャグ要素ですが、物語では、彼の正体は「幻の傭兵部族」や「伝説の皇子」という壮大なものとして描かれているのです。
エリザベスの「かわいい」と「かっこいい」ギャップの魅力
エリザベスの人気の秘密は、その可愛らしい見た目と、時折見せる戦闘の天才としての一面との「ギャップ」にあります。
魅力①:癒し系外見と高い戦闘能力の両立
エリザベスは、ペンギンのような癒し系の外見と、裏腹に驚異的に高い戦闘能力を兼ね備えています。
| カテゴリー | 具体的な能力 | 特筆すべき点 |
| 戦闘能力 | ドリル、大砲、高速移動 | 着ぐるみというハンデを負いながらも俊敏 |
| 身体能力 | 腕力と脚力 | 神楽と新八を両脇に抱えて高速で走る |
| 特殊能力 | 記憶消去薬「ワスレール」 | 科学的な知識も持っている可能性 |
| 芸術的才能 | 芸術家並みの絵 | 変なペット選手権で披露 |
攘夷志士が集結したシリアスな戦闘シーンでも、エリザベスは主戦力の一人として敵をなぎ倒し、桂小太郎の右腕としての実力を証明しています。
この「ゆるキャラ」と「戦闘のプロ」という二面性こそが、エリザベスの魅力を際立たせているのです。
魅力②:桂小太郎との固い絆と「同志」としての信頼
エリザベスは、単なる「ペット」としてではなく、桂小太郎にとって「家族であり、友であり、戦友」という唯一無二の存在です。
桂は、エリザベスを溺愛しており、その可愛らしい見た目を信じて疑いません。
一方、エリザベスは桂の純粋さと優しさに触れたことで、スパイとしての任務を放棄し、地球を守る道を選びます。
彼が放った「俺は桂さんの友として死ねるならそれでいい」という名言は、普段プラカードで会話する彼が、命を懸けた状況で初めて口にした言葉であり、二人の熱い絆を示しています。
魅力③:すね毛とおっさん的な欲望のギャグ要素
エリザベスの代名詞とも言える「すね毛」は、当初は正体不明の不気味さを強調する要素でしたが、次第に「チャームポイント」へと昇華しました。
また、中身が人間であることを示唆する描写として、キャバクラの看板に興味を示したり、花屋のお姉さんの太ももをじっと見つめたりという「おっさん的な欲望」が露呈するシーンが多く描かれています。
これは、エリザベスの内面に潜む「人間らしい俗っぽさ」と、外見の純粋さとの対比が、『銀魂』らしいギャグとして機能しています。
エリザベスの実写キャスト:山田孝之の貢献
エリザベスは、アニメや原作以外に、実写映画でも独特な存在感を放ちました。
実写版キャストの山田孝之と裏話
実写映画『銀魂』で、エリザベスの「中身」を演じたのは、俳優の山田孝之さんです。
山田孝之さんは、映画公開までその正体が明かされず、舞台挨拶で隅でプラカードを振るという徹底した演出の後、本人であることが公表されました。
着ぐるみの中で演技を行った山田さんは、劇中でごく短い言葉を発した際に「断ればよかった」というユーモア溢れる発言をし、会場を沸かせています。
このキャスティングは、「中身はおっさん」というエリザベスの最大のギャグ要素を、日本を代表する俳優が演じるという形で昇華させた、『銀魂』らしい見事な演出として評価されています。
アニメ声優の意外な正体
エリザベスの声は滅多に聞くことができませんが、彼が発言した際の声優は度々変更されています。
| 声優(CV) | 担当者 | 特筆事項 |
| 基本的な声 | 高松信司 | 『銀魂』アニメの元監督・音響監督 |
| 蓮蓬篇(ヘルプ) | 神谷明 | 伝説の声優 |
| アニメ版(特定の回) | 栗山千明 | 実写版のフミ子役 |
エリザベスの基本的な声は、アニメ『銀魂』の監督や音響監督を務めた高松信司さんが担当していることも有名な裏話です。
プロの声優ではなく、制作サイドの人間が担当するという点も、エリザベスが持つ脱力系の魅力を一層高めています。
エリザベスの未来:5年後と家族の姿
エリザベスは、物語の未来を描いたエピソードで、さらに予想外な姿を披露しています。
劇場版『完結篇』のマッチョな姿
『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』で描かれた「5年後の未来」において、エリザベスは、今までの着ぐるみ姿とは全く異なる容姿で登場しました。
彼は、全身が人間のようなシルエットの「マッチョな体型」となり、凛々しい姿を見せました。
この姿のエリザベスは、プラカードを使わずに普通に会話をし、「マヨラー」という新たな個性まで披露しています。
高い戦闘能力を持っていた彼が、その体に見合ったマッチョな姿で登場したことは、ファンにとっても納得の展開でした。
人間の妻と子供を持つエリザベス
エリザベスは、地球での生活に馴染み、人間の妻と子供を持っていることが一部のエピソードで描かれています。
彼の子供もまた、父親そっくりのエリザベスの着ぐるみを着て登場しており、その家庭もまたギャグ的に描かれていました。
家庭では威厳ある父親としての一面を見せる一方で、看護婦との浮気やキャバクラへの興味など、「おっさん」としての欲望丸出しの姿も描かれており、その自由奔放な生き方がエリザベスの魅力を形成しています。
エリザベスの「かわいい」は「信頼」の証
エリザベスは、謎の宇宙生物として地球にやってきましたが、桂小太郎をはじめ万事屋や真選組のメンバーたちとの交流を通して、地球を愛するようになりました。
彼の「かわいい」という見た目と、プラカードで会話する律儀さが、周囲に無害だという安心感を与え、彼がスパイとしての真実を隠して行動する助けとなりました。
しかし、最終的に彼の「かわいい」は、「偽り」ではなく、桂小太郎との間に築いた「信頼」と「絆」を守るために命を懸けるという「本物のかっこよさ」へと繋がっています。
エリザベスの存在は、『銀魂』のテーマである「バカバカしい日常の中にこそ、譲れない魂の絆がある」というメッセージを体現していると言えるでしょう。
その正体が「蓮蓬」であれ「ドラゴニア」であれ、エリザベスは桂小太郎の隣に立つ、かけがえのない相棒として、永遠にファンの心に残り続けることでしょう。
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