
賀来ゆうじが描く『地獄楽』の単行本第8巻は、島の中心である蓬莱(ほうらい)に突入した画眉丸(がびまる)たち人間と、最強の天仙様(てんせんさま)たちとの戦いが激化し、それぞれの「心」の在り方が問われるクライマックスへと突入する巻です。
圧倒的な力を持つ天仙を相手に、画眉丸は極限の選択を迫られ、一方の天仙たちにも、人間と変わらない、あるいはそれ以上の悲しい「想い」があったことが描かれます。
本記事では、画眉丸が繰り出した凄絶な「二の手」の詳細と、剣豪・巌鉄斎(がんてつさい)が見せた剣術の極意、そして天仙たちの秘められた背景について、徹底的に解説します。
【地獄楽】画眉丸・杠の命を懸けた決戦—鬼尸解した蘭との死闘
不老不死の仙薬と脱出口を求め、蓬莱に突入した画眉丸たち九人の人間は、天仙たちに全て行動を読まれていました。
三方に分断された九人の前に立ちはだかるのは、自分たちを修行の贄に変えんとする天仙たちであり、画眉丸と杠(ゆずりは)の前には鬼尸解(きしかい)—怪物化した蘭(ラン)が立ちふさがります。
鬼尸解した蘭は、体術の達人でありながら無機物を自在に操り、その巨大さと異形ぶり、そして即死攻撃と異常な回復力は、天仙の中でも最初に撃破されたムーダンすら、人間たちが一人犠牲を出してようやく倒せたほどです。
この怪物に挑む画眉丸と杠は、ともに忍びでありながらも、ストイックな画眉丸と快楽主義者の杠という、水と油の二人です。
しかし、九人の中でも最強クラスの能力の持ち主であり、真っ先に「氣(タオ)」に目覚めた二人だけに、相手が氣の扱いに長けるのを利用した「一の手」でダメージを与え、鬼尸解に追い込むまでは早かったのですが、そこからは蘭の桁違いの強さによって、一方的に嬲られるような攻撃を食らい、二人とも致命傷を食らうほどの危機に陥ります。
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画眉丸の極限の覚悟と「二の手」
蘭は、タオの相性が悪い火のタオを持つ画眉丸と、土のタオを持つ杠の連携攻撃を「未熟」「無駄なあがき」と散々な評価をしながらも、その戦いを「美しい」と褒め称えます。
蘭を煽り、興奮状態に陥らせる画眉丸の策によって、タオを消費しすぎた蘭は鬼尸解が解けて老人のような姿になり、画眉丸は杠へ蘭の丹田への攻撃を指示します。
深手を負っている杠は、タオを武器に集めたら死ぬと蘭に指摘されるものの、手に持っていた武器に再び思い切りタオを集め、蘭へ突撃するという決死の覚悟を見せます。
そして、二人ともほとんど致命傷を食らった身で、画眉丸が繰り出した「二の手」とは、持っていたムーダンの触手のトゲを掌に突き刺し、天仙と同じ再生力を得るために自ら「花化」するという、凄絶きわまりないものでした。
画眉丸は、この凄絶な「二の手」を使ってみせる直前に、「生きて妻に会うために命を懸けるつもりなど毛頭ない」「だから命以外は全て懸ける」と迷いなく告げます。
この選択は、ある種逆説的な意味合いを持ちながら、愛する妻に会うという目的のためには、自分の肉体や人間性すらも道具として使いこなすという、画眉丸の極めて「人間的」な執念と覚悟を表していると読者は感じたでしょう。
この一連の決戦を経て、画眉丸は上手く花化して再生力を得たものの、火のタオを持つ画眉丸はタオの属性が水である蘭へ決定的なダメージを与えられず、最終的に身体の樹化が進み、妻のことを思いながら倒れてしまうという、先行き不安な状況が描かれます。
【地獄楽】巌鉄斎・付知コンビVS菊花・桃花—異次元の集団戦
画眉丸と杠の戦いが大波乱のうちに決着した後、物語は巌鉄斎・付知(ふち)・桐馬(とうま)組と、天仙の菊花(ジュファ)・桃花(タオファ)、そして賊王・弔兵衛(ちょうべい)の一戦へと移ります。
天仙の仲間についたかに見えた弔兵衛ですが、弟もろとも世界を花に変えようという天仙たちにつくはずもなく、この集団戦は、巌鉄斎・付知組と桃花の対決から始まります。
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バトルマニアと解剖マニアの意外な連携
この島に送り込まれた当初の死罪人と浅ェ門の組み合わせで、二人が生きて行動を共にしているのは巌鉄斎と付知のみであり、バトルマニアと解剖マニアという無茶苦茶な組み合わせです。
そんな二人と、天仙の中でも賑やかしとお色気担当であった桃花との異次元対決が繰り広げられます。
露出が多い身軽な姿になった桃花を見て巌鉄斎は大興奮し、桃花はタオを巧みに使って巌鉄斎を軽くあしらい続けますが、意外にも連携が上手くとれている巌鉄斎と付知は、桃花を追い詰めていきます。
特に巌鉄斎は、タオの概念が登場してから誰もがタオを用いて戦うことで、バトルの興が削がれるのではという読者の懸念を吹き飛ばすように、タオを上手く扱えない中でも、あくまでも自分らしさを発揮して戦う姿を見せます。
巌鉄斎は、戦っている間に感じた不思議な感覚によってタオを感じ取り、桃花の攻撃を避けて傷つけることに成功します。
その極意とは、若い頃に師匠から教わった「強さ」の本質を理解することであり、巌鉄斎は洞窟で聞いた士遠(しおん)の言葉を思い出すと、なんと己の左目を抉るという、凄まじい行動に出ます。
この行為は、外部の視覚に頼るのではなく、真の「眼」すなわちタオを見切る力を得るための覚悟の表明であり、「八洲無双の剣龍」としての彼の揺るぎない信念を示すものでした。
一方、タオの攻撃を食らいまくる危険な状態に陥った付知は、巌鉄斎が改めてタオを感じ取れるようサポートしつつ、ある策を思いつき、桃花と巌鉄斎の戦いへ突入します。
【地獄楽】天仙の人間的な「想い」と菊花・桃花の過去
巌鉄斎と付知は、桃花を追い詰めることに成功しますが、その戦いを通じて、少々意外とも思えるものが描かれることになります。
それは、味方側でも一番目に見えるものしか信じないように思われた付知の意外な「心」と、そしてそれ以上に尋常な心などないように思われた桃花、そして菊花(ジュファ)の中の「心」です。
天仙にも子供の頃があり、菊花と桃花は蓮(リエン)に「お前たちは2人で1人」と言われて育ちました。
天仙は、決して名乗っているほどの絶対的な存在でも、迷いのない存在でもないことはこれまでもほのめかされていましたが、この巻では、菊花が仲間たちに対し、島の状況が悪化しても延々と続けられる徐福の所業について疑問を抱き、声を荒げる場面が描かれます。
そんな状況下でも、菊花は大切な桃花の笑顔を守ろうと努力しており、天仙たちの背負う人間的な「想い」が真っ正面から描かれます。
敵の背負うものが明らかになったことで、読者は戦いがより盛り上がることを確信したでしょう。
しかし、その一方で、桃花と菊花は合体し、鬼尸解してしまいます。
これは、巌鉄斎と付知にとって最大の危機であり、この新たな絶望的な状況を、弔兵衛と桐馬を含めた四人で力を合わせないと勝てないのではないかという見方が読者の間で強まります。
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【地獄楽】まとめ
漫画『地獄楽』第8巻は、画眉丸が自らの肉体を賭けた「二の手」によって鬼尸解した蘭との死闘に辛くも勝利したものの、自身も樹化が進んで倒れてしまうなど、先行きが不安な状況で幕を開けました。
続く巌鉄斎と付知の戦いでは、巌鉄斎が左目を抉るという凄絶な覚悟を見せ、「八洲無双の剣龍」としての極意を開花させます。
そして、天仙である菊花と桃花にも、人間的な悲しい「想い」があったことが描かれ、物語に深みを与えますが、最終的には二人は合体して鬼尸解するという、さらなる絶望的な局面を迎えます。
画眉丸の生死が不明、杠の生死も不明、そして巌鉄斎と付知の前には新たな鬼尸解という最強の敵が立ちはだかり、この混沌とした戦いが今後どう展開するのか、読者の期待は高まるばかりです。
激しい戦闘が続いたため、今回は追加上陸組は登場しませんでしたが、9巻ではこの追加上陸組を交えて戦いがさらに激化するのか、あるいは画眉丸が新たな形で再起を果たすのか、目が離せない展開が続くでしょう。
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