
【ブラッククローバー】の世界において、フィンラル・ルーラケイスは、主人公アスタが所属する「黒の暴牛」のムードメーカー的存在として知られています。
彼は極度の女好きで、任務中にまでナンパを繰り返すという、一見すると上っ調子なキャラクターとして描かれていました。
しかし、物語が進むにつれて、彼の陽気な態度の裏に隠された壮絶な過去が回想シーンで明らかになります。
特に、天才の弟ランギルス・ヴォードとの複雑な関係は、フィンラルの優しい性格や、彼が空間魔法を攻撃ではなくサポートに徹して使うという特殊なスタイルに深く影響していることが判明しました。
本記事では、このフィンラルと弟ランギルスの悲劇的な過去を詳細に掘り下げ、フィンラルが使用する空間魔法のルールやその真の強さ、そして彼の人としての魅力までを徹底的に考察していきます。
仲間たちからの愛と信頼を集めるフィンラルが、どのようにして名門貴族の光と影を乗り越え、最強のサポート魔導士へと覚醒したのかを解説いたします。
フィンラルとは?黒の暴牛の「アッシー君」の正体
フィンラルは、黒の暴牛の中でも比較的「まともな性格」と評される青年です。
しかし、その実態は極度の女好きであり、魔法騎士団員としての任務よりもナンパを優先し、ことごとく失敗するという残念な一面も持ち合わせています。
一方で、彼が操る空間魔法は非常に希少で、団長のヤミ・スケヒロからは「俺のアッシー君」として日常的にこき使われるも、その能力は黒の暴牛にとって不可欠な存在となっています。
ブラッククローバーの作品詳細
フィンラルが登場するブラッククローバーは、田畠裕基先生による魔法ファンタジー漫画です。
2014年の『少年ジャンプNEXT!!』での読み切り掲載を経て、2015年から『週刊少年ジャンプ』で連載が開始されました。
連載開始直後から異例の2連続センターカラーを獲得するなど、そのポテンシャルは高く評価され、既刊20巻(2019年6月時点)で高い人気を誇っています。
作中では、話数単位が「ページ〇」と表記され、略称は「ブラクロ」としてファンに親しまれています。
フィンラルのプロフィールと基本設定
フィンラルは、空間魔法の使い手を多く輩出する名門貴族ヴォード家の長男として生まれます。
彼の基本情報は以下の通りです。
| 名前 | フィンラル・ルーラケイス |
| 誕生日 | 2月6日(21歳) |
| 身長 | 173㎝ |
| 血液型 | A型 |
| 所属 | 黒の暴牛 |
| 魔導書 | 三つ葉のクローバー |
| 階級 | 一等下級魔法騎士 |
彼は空間魔法という希少な能力を持つにもかかわらず、その才能を攻撃ではなく移動やサポートに特化させています。
貴族の家柄でありながら、最下位の一等下級魔法騎士の階級に留まっていることからも、彼の「戦闘からの逃避」という姿勢がうかがえますが、これには後述する複雑な過去が深く関わっています。
普段の人物像と戦闘への姿勢
フィンラルは、個性豊かな黒の暴牛メンバーの中では比較的まともな常識人ですが、その本質は極度の女好きで、臆病な面も持ち合わせています。
戦闘が始まるとすぐに逃げたり泣き言をわめいたりする傾向がありましたが、海底神殿での三魔眼ヴェットとの激戦を経て、その姿勢は大きく変わります。
この戦いで、彼は空間魔法を駆使したアスタとの協力戦で大活躍し、自らの居場所である黒の暴牛を最強の団にするという固い決意を抱くことになります。
また、黒の暴牛内では古参の先輩であるにもかかわらず、メンバーから雑な扱いを受けると先輩であることを主張するも、その優しい性格ゆえに無視されてしまう場面が多いという、愛されキャラの一面も持っています。
フィンラルの声優:福山潤の主な出演作
フィンラルの声優は、実力派人気声優の福山潤が務めています。
1997年にデビューを果たした後、数々のアニメで主要な役を演じてきました。
その出演作は多岐にわたり、「キングダム」の嬴政や、「青の祓魔師」の奥村雪男、「暗殺教室」の殺せんせーなど、クールな役からコミカルな役まで幅広く演じ分けることで知られています。
フィンラルのナンパな軽いノリと内に秘めた優しさという二面性を見事に表現し、キャラクターの魅力を高める重要な役割を果たしています。
弟ランギルスのプロフィールと傲慢な人物像
フィンラルの弟、ランギルス・ヴォードは、兄とは対照的な魔法の天才として描かれています。
ランギルスのプロフィールは以下の通りです。
| 名前 | ランギルス・ヴォード |
| 誕生日 | 9月27日(20歳) |
| 身長 | 166㎝ |
| 血液型 | O型 |
| 所属 | 金色の夜明け団 |
| 魔導書 | 三つ葉のクローバー |
| 階級 | 一等上級魔法騎士 |
ランギルスは幼少期から圧倒的な魔法の才能を開花させ、名門ヴォード家の当主候補となっています。
兄フィンラルが最下級騎士であるのに対し、ランギルスはエリート集団「金色の夜明け団」の副団長にまで上り詰めるという、まさに「エリート中のエリート」です。
しかし、その性格は尊大で傲慢であり、非常時には市民を犠牲にしようとするなど、冷酷な一面も持ち合わせています。
この性格の難しさゆえに、ランギルスは周りから好かれないという事実があり、「周りから愛される」兄フィンラルに対して深いコンプレックスを抱き続けています。
フィンラルと弟ランギルス:貴族ヴォード家の悲劇的な過去
フィンラルとランギルスの間の確執や複雑な兄弟関係は、単なる凡人と天才という対比だけでは語れません。
彼らの過去には、名門貴族ヴォード家の残酷な現実と、愛情の欠如から生じた悲劇的な背景が存在していました。
過去①:フィンラルとランギルスは異母兄弟なのか?母親からの衝撃の一言
フィンラルとランギルスの過去は、単行本14巻で詳細が明らかになりました。
作中の描写から、二人が異母兄弟である可能性が高いと考えられています。
フィンラルが家を出るまでの間に、ランギルスの母親(フィンラルの継母)から「あなたはね私の子じゃないの」という衝撃的な一言を投げかけられたことが、その根拠となっています。
フィンラルは、運動も魔法も全てにおいて弟ランギルスに勝てず、継母や実の父からも「使えない」とバカにされ続けました。
この貴族社会における能力至上主義と愛情の欠如が、フィンラルの上っ調子な性格や、戦闘への逃避という形で後の人格形成に深く結びついています。
過去②:天才と凡人の対比が生んだランギルスのプレッシャー
ヴォード家の両親は、魔法の才能を開花させたランギルスだけを当主候補として過度な期待をかけ、一方のフィンラルは徹底的に軽視しました。
しかし、ランギルス自身も、両親が愛しているのは自分自身ではなく「自分の能力」だけであることに気づいていました。
さらに、能力を抜きにすれば周りからの評価が低いため、友達もいないという孤独を抱えていました。
この孤独と、「能力でフィンラルに勝ち続けなければ、両親から愛されることがない」という根深い恐怖が、ランギルスに強烈なプレッシャーを与え、彼の傲慢でトゲトゲしい性格を形成する原因となりました。
ランギルスの傲慢さは、自信から来るものではなく、「愛されるために勝たなければならない」という強迫観念の裏返しだったと分析されています。
過去③:許嫁フィーネスが決定づけたランギルスのコンプレックス
ランギルスのフィンラルに対するコンプレックスを決定的に増大させたのが、ヴォード家の許嫁であるフィーネスの存在でした。
フィーネスに惚れていたフィンラルに対し、ランギルスはフィーネスのことをよく思っていませんでした。
しかし、ランギルスが偶然、フィンラルとフィーネスの会話を聞いてしまったことで状況が一変します。
フィーネスは、「フィンラルの方が優しくて素敵な騎士だ」という趣旨の発言をしており、魔法の才能では遥かに勝る自分が、人としては兄に劣っているという事実を突きつけられました。
この出来事が、ランギルスにとって能力以外の全てでフィンラルに負けているという劣等感となり、兄への憎しみを増大させるきっかけとなりました。
過去④:バカにされても優しさを貫くフィンラルの「イケメン」な本質
フィンラルは、ランギルスや両親にバカにされながらも、決して弟を憎んだり、優しさを失ったりすることはありませんでした。
彼は周りに対して優しく接するからこそ、黒の暴牛のメンバーや友人たちから愛されています。
この「愛される」という事実こそが、ランギルスにとって最も憎むべきコンプレックスの源となりました。
しかし、フィンラルはランギルスを「母親は違うけど…やっぱり俺達は兄弟だ!」と心の底から思っており、「ランギルスは本当は優しいヤツだけど、両親からのプレッシャーのせいでトゲトゲしくなっているだけだ」と、弟の心の内を深く理解し、常に心配し続けていました。
外見がイケメンであることに加えて、この「器の広さ」と「深い優しさ」こそが、フィンラルの真のイケメンたる所以だと言えるでしょう。
彼は自身の抱えた苦難を乗り越え、誰かを大切にすることを選び続けた、魅力的なキャラクターなのです。
ロイヤルナイツ戦での兄弟対決とアスタの介入
フィンラルとランギルスの間の確執は、王撰騎士団(ロイヤルナイツ)選抜試験でついに直接対決という形で爆発します。
過去⑤:ランギルスにトドメを刺されそうになったフィンラル
ロイヤルナイツ選抜試験の団体戦において、フィンラルはランギルスとの一騎打ちに挑みます。
フィンラルがランギルスの超攻撃的な魔法に敗北した後、ランギルスは憎しみに駆られ、兄であるフィンラルにトドメを刺そうとしました。
この殺意に満ちた行動は、ランギルスが抱えるフィンラルへの憎悪とコンプレックスが極限に達していたことを示しています。
この緊迫した瞬間を、アスタと魔法帝ユリウスが間一髪で止め、兄弟の悲劇的な結末は回避されました。
仲間たちの熱い思いとフィンラルへの愛
ランギルスがフィンラルにトドメを刺そうとした際、黒の暴牛の仲間であるアスタ、ラック、マグナが凄まじい剣幕でランギルスを止めに入ったシーンは、読者の間で大きな感動を呼びました。
特に、普段は冷静沈着で戦闘狂な一面を持つラックが、フィンラルのために感情をむき出しにして怒りを露わにしたことは、フィンラルが仲間たちから深く愛されていることの証です。
彼らはフィンラルの優しさや貢献を知っており、「自分たちが守るべき仲間」としてフィンラルを大切に思っているのです。
ランギルスの行動と「無意識の裏切り者」説の関連性
ロイヤルナイツ選抜試験は、「白夜の魔眼」との内通者である「無意識の裏切り者」を見つけ出すという裏の目的も持っていました。
ランギルスが兄に殺意を向けた行動は、その精神の闇が、悪魔の力を使う「無意識の裏切り者」として疑われる根拠となり得ると多くの読者が考察しました。
ランギルスのフィンラルへの憎悪という内的な闇と、作中の悪魔の力との関連性は深く、ランギルスに宿るエルフの魂が、その憎しみを利用して彼を操っていた可能性が高いと考えられています。
アスタは、そんなランギルスに対し、「憎まれ口をたたかれても、なお相手を気遣うフィンラルこそが本物の魔法騎士だ」と断言し、ランギルスはアスタに激昂。
こうして、ランギルスとアスタのバトルが開始されることとなりました。
フィンラルの空間魔法と戦闘における真の強さ
フィンラルが使用する空間魔法は、希少性の高さと戦略的価値において非常に強力です。
彼は自らの過去から攻撃魔法を使うことを避けていましたが、そのサポート能力は戦況を一変させるほどの力を持っています。
空間魔法「堕天使のはばたき」の性能とルール
フィンラルの空間魔法には、球状の空間を飛ばし、食らった対象を別の場所へ強制的に移動させるという技「堕天使のはばたき」があります。
この魔法は、追跡機能や弾数の調整が可能で、一見すると攻撃魔法に分類されるほどの強さを持ちます。
事実、読者からは「堕天使のはばたきは攻撃的空間魔法に分類されるはず」という声も上がっており、フィンラル自身が意識的に戦闘を避けているだけで、そのポテンシャルは高いと評価されています。
しかし、白夜の魔眼のような実力者相手には、別の場所に飛ばしてもすぐに戦場に戻ってくる可能性があり、致命的な一撃とはなりにくいという弱点も存在しています。
空間魔法「堕天使の抜け穴」によるサポート力の分析
ヤミ団長から「俺のアッシー君」として日常的に使われているのが、空間と空間を繋ぎ、移動を可能にする魔法「堕天使の抜け穴」です。
この魔法は、任務の移動だけでなく、戦闘においても戦況を一変させるほどの絶大なサポート力を発揮します。
特に、海底神殿でのヴェット戦では、アスタを八方から出現させることで、俊敏性に優れたヴェットに対して変幻自在の攻撃を可能にし、大活躍を見せました。
この「堕天使の抜け穴」は、味方の能力を最大限に引き出すという点で、間接的ながら最強のサポート魔法の一つだと評価されています。
フィンラルの強さ:サポート特化型魔導士としての実力
フィンラルは、自分自身の移動、仲間の移動、相手を別の場所に飛ばすといった使い方で、戦闘においてサポートに徹するスタイルを取っています。
彼の空間魔法には、「一度足を運んでマーキングが必要」、「他人が作った空間内では空間を繋げない」といったルールが存在しますが、その正確さと瞬発力は、ヴェットも苦戦を強いられるほどです。
特に、相手を別の場所に飛ばす能力は、攻撃魔法に特化していなくても非常に危険な強さを誇ります。
もしフィンラルが、相手の魔法属性や弱点を考慮して危険地帯に飛ばすことができれば、実力者であっても戦闘不能に陥らせるほどの戦略的強さを持っていると考察できます。
読者からは「フィンラルが使う空間魔法はトンデモレベルで超強い」という評価が上がっており、その実力は誰もが認めるところです。
フィンラルは王撰騎士団に入れるか?サポート能力と弱点の考察
王撰騎士団選抜試験は、フィンラルの空間魔法の戦略的価値を証明する場となりました。
王撰騎士団選抜試験での目覚ましい活躍
王撰騎士団選抜試験で、フィンラルはサポート側に徹した戦い方で、その真価を発揮しました。
彼は精確なタイミングで味方を空間移動させ、戦況の把握と味方が全力で攻撃できる状況を作り出すことで、観客からも絶賛されました。
また、弟ランギルスとの戦闘においては、ランギルスの超攻撃的な魔法から魔晶石を死守しようとする姿勢を見せ、騎士としての責任感を強く示しました。
こうした活躍は、フィンラルが戦闘能力ではなく、戦略とサポートにおいてトップレベルであることを証明しています。
致命的な弱点:攻撃魔法の不在と「堕天使のはばたき」の限界
フィンラルはサポート役としてかなりの強さを発揮するものの、致命的な弱点として攻撃魔法が使えないという点が存在します。
彼は「堕天使のはばたき」で弱点を克服しようとしましたが、白夜の魔眼のような強大な敵との戦いにおいては、その魔法で別の場所に飛ばしたとしてもすぐに戦場に戻ってくる可能性が高く、決定的な効果を期待しにくいと言えます。
王撰騎士団は、白夜の魔眼との決戦に臨むための精鋭部隊であるため、攻撃魔法の不在はメンバーを選ぶ上でマイナス評価となる可能性が高いです。
空間魔法の希少性がフィンラル選抜の可能性を高めるか
フィンラルの空間魔法は、ランギルスの攻撃型と並び、非常に強力かつ希少な魔法です。
空間魔法の使い手が限られていることから、その希少性の高さは、フィンラルが王撰騎士団に選抜される可能性を高める要素の一つだと考えられていました。
しかし、選抜試験においてフィンラルはランギルスとの戦いで大怪我を負ってしまったため、最終的に魔法帝に従える人物コブ・ポルタポルトが代わりに入団することとなりました。
結果的に王撰騎士団への入団は叶いませんでしたが、フィンラルのサポート能力が騎士団にとって不可欠であることは、誰もが認めるところです。
まとめ
フィンラル・ルーラケイスは、一見ナンパで上っ調子なキャラクターでありながら、弟ランギルスとの悲劇的な過去を持つ、深い優しさと器の広さを兼ね備えた魅力的な人物です。
名門貴族ヴォード家における愛情のない環境と能力至上主義が、彼を「凡人」として弾き出しましたが、その経験こそが、彼を「誰かのために存在する」という最高のサポート役へと導きました。
彼は黒の暴牛のメンバーからの揺るぎない愛と信頼を獲得し、「黒の暴牛を最強にする」という新たな決意を胸に、戦場に立ち続けています。
フィンラルの空間魔法は、サポートという分野において極めて強力であり、彼の存在なくして黒の暴牛の快進撃はあり得ません。
彼の人間的な魅力と、今後ますます期待される空間魔法の新たな応用が、物語のクライマックスにどのような影響を与えるのか、彼の今後の活躍から目が離せません。
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