
ファンタジー小説、アニメとして絶大な人気を誇る『オーバーロード』。
主人公アインズ・ウール・ゴウンが支配するナザリック地下大墳墓には、強力で個性的なNPCたちが多数存在します。
しかし、その中でも特に異彩を放ち、多くのナザリックメンバーから生理的な嫌悪感をもって避けられる存在がいます。
それが、五大最悪の一人、恐怖公(コキュートス)です。
恐怖公は、その驚愕の「ゴキブリの姿」と、ナザリックで最も善良な部類に入るという強烈なギャップで、読者や視聴者に強いインパクトを与えました。
本記事では、恐怖公の巨大ゴキブリという見た目の衝撃や、拠点最悪と呼ばれる理由、そしてその意外な強さと能力を徹底的に深掘りします。
さらに、アニメで恐怖公の声を担当したのが、『進撃の巨人』のリヴァイ役などで知られる人気声優・神谷浩史であることのインパクトについても詳しく解説していきます。
オーバーロードの作品概要とあらすじ
まずは、恐怖公が登場する『オーバーロード』という作品がどのようなものか、改めて確認しましょう。
オーバーロードの概要
『オーバーロード』は、丸山くがねによるライトノベル作品を原作としています。
元々は小説投稿サイト『Arcadia』で2010年5月9日に連載が開始され、後に『小説家になろう』にも投稿されました。
原作小説だけでなく、コミカライズ版やスピンオフギャグ作品『オーバーロード 不死者のOh!』も人気を博しており、シリーズ累計発行部数は1400万部を突破する大ヒット作です。
アニメシリーズも第4期まで放送されており、重厚な世界観と最凶のダークファンタジーとして、国内外で熱狂的なファンを獲得しています。
オーバーロードのあらすじ
物語は、VRゲーム「ユグドラシル」のプレイヤーであるモモンガ(後のアインズ・ウール・ゴウン)が、ゲームのサービス終了を待つところから始まります。
しかし、終了時刻を過ぎてもログアウトできず、モモンガは自らの意思を持つようになったゲーム内の登場キャラクターたち、つまり忠実な部下たちと共に、異世界へと転移してしまいます。
彼は、不用意に口にした「世界征服」という言葉を忠実な部下たちに真に受けられ、自らの運命を決定づけることになります。
アインズは、ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」の名を世界に広めるため、そして元の世界からの仲間を探すために、魔導王として異世界を舞台に圧倒的な力を行使していくのです。
オーバーロードの恐怖公は五大最悪の巨大ゴキブリ?
ナザリック地下大墳墓の中でも、その異様な外見と設定で読者に強烈な印象を与えるのが、五大最悪の一人、恐怖公です。
五大最悪の”拠点最悪”と呼ばれる理由
オーバーロードに登場する五大最悪とは、「醜悪」や「邪悪」といった”最悪”とされる事象に基づいた特徴を持つ5人のNPCの通称です。
恐怖公はそのうちの一人で、ゴキブリのような見た目から「外見最悪」と予想されることもありますが、実際には「拠点最悪」と呼ばれています。
この拠点最悪という異名は、彼が守護している領域、黒棺(ブラック・カプセル)の恐ろしい実態に由来しています。
黒棺は、第2階層・墳墓の一角に存在しており、その名の通り、大量のゴキブリを寄せ集めるための場所です。
恐怖公以外のゴキブリが大量に生息するその環境は、一般人にとってはまさに地獄であり、ナザリック地下大墳墓で最も嫌悪される「最悪の拠点」となっているのです。
この設定は、ナザリックの創造主である至高の四十一人の歪んだユーモアが色濃く反映されている部分であり、「巨大ゴキブリの巣窟」という生理的な嫌悪感を利用したトラップとも言えるでしょう。
恐怖公の驚愕の見た目と意外な社交性
恐怖公は、体長がおおよそ30センチにもなる巨大なゴキブリの姿をしています。
しかし、単なる虫ではなく、名前の”公”の字が示す通り、貴族然とした振る舞いを見せます。
彼は赤いマントを羽織り、頭には王冠を乗せ、手には宝石のはめられた杖を持っています。
さらに、直立二足歩行が可能で、相手と目を合わせて会話することもできるという、人間に近い知性と社交性を持っています。
種族が虫同士ということもあり、ナザリック地下大墳墓の第5階層を守護する階層守護者コキュートスとは仲が良い様子が描かれており、コキュートスにとっては良き話し相手となっています。
一方で、上司であるシャルティア・ブラッドフォールンを含む多くの女性キャラクターからは、その見た目ゆえに徹底的に嫌厭されています。
唯一、蟲使いのエントマ・ヴァシリッサ・ゼータは好意的に接していますが、エントマは恐怖公の眷属ゴキブリをおやつとして捕食しているため、利害関係からの好意の可能性が高いと読者の間では考察されています。
恐怖公の性格:ナザリックで最も人間に近い善性
恐ろしい見た目と住処を持つ恐怖公ですが、その内面はナザリックに在籍するキャラクターの中でも極めて善良な部類に入ります。
ナザリックのキャラクターにはカルマ値という数値が設定されており、マイナスに寄っているほど邪悪な性質を持っています。
アインズやその側近たちのカルマ値が-500という極悪非道な数値であるのに対し、恐怖公のカルマ値は-10と、非常に人間に近い数値で設定されています。
この数値は、彼が善の心も持っていることを示唆しており、作中では礼儀正しい姿勢を見せ、ナザリックに侵入した者を生きて帰した一幕も描かれています。
また、彼はあらゆるマナーや礼儀作法にも詳しく、帝王学を学びたいと思ったアインズが真っ先に頭に思い浮かべた人物でもあります。
原作者の丸山くがねも「彼(恐怖公)は邪悪じゃないです」とコメントしており、ナザリック地下大墳墓という悪の巣窟に存在するキャラクターの中では、作者お墨付きの善人という異質な立ち位置にいます。
この「外見の最悪さ」と「内面の善良さ」というギャップこそが、恐怖公の最大の魅力であり、多くのファンを惹きつける要因の一つとなっています。
オーバーロードの恐怖公のレベルや強さ
その見た目や能力から、敵味方問わず精神的ダメージを与えることができる恐怖公ですが、純粋な戦闘力としてはどの程度の強さを持っているのでしょうか。
恐怖公のレベルは「30」
オーバーロードでは、キャラクターの強さは種族レベルと職業レベルの合計で決まります。
恐怖公のレベルは以下の構成となっており、合計レベルは30です。
| 種族レベル(昆虫の森祭司) | 10.Lv |
| 種族レベル(その他) | 2.Lv |
| 職業レベル(ハイ・ドルイド) | 5.Lv |
| 職業レベル(サマナー) | 3.Lv |
| 職業レベル(ムシツカイ) | 2.Lv |
| 職業レベル(ミニマム) | 3.Lv |
| 職業レベル(その他) | 5.Lv |
| 合計レベル | 30 |
恐怖公は第2階層の一角・黒棺の領域守護者ですが、階層守護者シャルティア(レベル100)やナザリックの多くのNPC(レベル40~100)と比べると、レベル30という数値はかなり低い部類に入ります。
純粋な戦闘能力では他のキャラクターたちに大きく劣っていることが分かります。
これは、彼の役割が前線での戦闘ではなく、特殊な環境を利用したトラップや拷問にあるためだと考察されます。
恐怖公の強さや能力:精神攻撃特化のサモナー
恐怖公の真の強さは、そのレベルや純粋な戦闘力ではなく、精神的な攻撃力と特殊な召喚能力にあります。
彼の持つ「ゴキブリ召喚能力」は、あらゆるサイズのゴキブリを召喚することを可能にします。
現実世界と同様に、オーバーロードの世界でもゴキブリは嫌悪される生き物です。
ナザリック地下大墳墓に侵入した者が、恐怖公が守護する黒棺に閉じ込められた際、彼らは大量のゴキブリに襲われ、阿鼻叫喚の絵図となりました。
この能力は、敵に対して精神的ダメージを与えることはもちろん、物理的な攻撃や、体を這う感触によるトラウマ級の精神的苦痛を与えることができます。
ナザリックにおいては、戦闘能力が低くとも、「恐怖公送り」という言葉が、許されざる者への究極の罰として使われるほど、彼の能力は恐れられています。
唯一、蟲使いのエントマだけは、自身が虫になれているためゴキブリ程度では驚かず、むしろ召喚されたゴキブリたちをおやつとして認識しているという、異質な例外も存在します。
オーバーロードの恐怖公のアニメ声優はリヴァイ役の神谷浩史?
恐怖公の巨大ゴキブリという外見設定は、アニメ化される際、誰が声を担当するのかという点で大きな注目を集めました。
神谷浩史が恐怖公役を担当した衝撃
アニメ『オーバーロード』で恐怖公の声を演じたのは、人気声優の神谷浩史です。
神谷浩史は、数々の人気作品で主人公やクールなキャラクターを演じている超人気声優であり、そのキャスティングはアニメファンに大きな衝撃を与えました。
アニメ制作陣が、この醜悪なゴキブリのキャラクターに、『進撃の巨人』のリヴァイや『化物語』の阿良々木暦といった二枚目役で有名な神谷浩史をあてがったことに対し、SNSでは「声優の無駄遣い」「見た目と声のギャップが笑える」という声が多数上がりました。
しかし、恐怖公の礼儀正しい紳士的な性格と、神谷浩史の落ち着いた声質が見事にマッチし、「醜悪な外見だが中身は紳士」というキャラクターのギャップを際立たせることに成功しました。
神谷浩史のプロフィール
恐怖公という異色のキャラクターを演じた神谷浩史のプロフィールを見てみましょう。
| 名前 | 神谷浩史 |
| 生年月日 | 1975年1月28日 |
| 出身地 | 千葉県 |
| 身長 | 167cm |
| 血液型 | A型 |
| 所属事務所 | 青二プロダクション |
| 特筆事項 | 声優アワードで最多得票賞を史上初の5年連続で受賞 |
神谷浩史は、アニメでの演技が非常に高く評価されており、『声優アワード』では第6回から第10回まで最多得票賞を5年連続で受賞するという偉業を成し遂げています。
その実績からも、彼が声優界においてトップクラスの地位を確立していることが分かります。
神谷浩史の主な出演作品や演じたキャラ
神谷浩史が演じた、代表的なキャラクターの一部をご紹介します。
- リヴァイ(進撃の巨人):調査兵団の兵士で、「人類最強の兵士」と呼ばれるクールなキャラクター。
- 夏目貴志(夏目友人帳):妖怪が見える少年で、心優しい主人公。
- 阿良々木暦(化物語):吸血鬼もどきの高校生で、物語シリーズの主人公。
- 松野チョロ松(おそ松さん):六つ子の常識人(自称)のキャラクター。
- 斉木楠雄(斉木楠雄のΨ難):最強の超能力を持つ高校生。
- トラファルガー・ロー(ONE PIECE):新世界の海賊で、「死の外科医」の異名を持つキャラクター。
- 折原臨也(デュラララ‼):新宿を拠点とする情報屋。
これらのイケメンやカリスマ性のあるキャラクターと、恐怖公という巨大ゴキブリのギャップは、まさに『オーバーロード』ならではのキャスティングとして、ファンに語り継がれています。
オーバーロードの恐怖公まとめ
以上、オーバーロードに登場する五大最悪の一人、恐怖公について、その驚愕の正体と能力を詳しく解説しました。
恐怖公は、体長30cmの巨大ゴキブリという醜悪な姿を持ちながら、その住処である黒棺の環境の恐ろしさから「拠点最悪」と呼ばれています。
戦闘能力のレベルは30と低いものの、ゴキブリ召喚能力とトラウマ級の環境を駆使して、ナザリックに侵入した者に絶望的な精神攻撃を加えることができます。
しかし、その内面はカルマ値-10と、ナザリックのNPCの中では最も人間に近く、礼儀正しい紳士という強烈なギャップを持っています。
アニメでは神谷浩史という人気声優が声を演じたことで、その異様なキャラクター性がさらに際立ちました。
恐怖公は、ナザリック地下大墳墓の悪意とユーモアを象徴する、忘れられない異色なキャラクターとして、今後も多くのファンに語り継がれていくでしょう。
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