
ファンタジー世界を描いた『オーバーロード』は、ゲームの世界に転移したサラリーマンが、魔導王アインズ・ウール・ゴウンとして生きる物語です。
主人公アインズが拠点とするナザリック地下大墳墓には、アルベドやシャルティアといった強力な階層守護者たちが存在しますが、彼らが口を揃えて「避けたい」「気持ち悪い」と恐れる存在がいます。
それが、ナザリックの「五大最悪」と呼ばれる5人のNPCたちです。
本記事では、この五大最悪とは一体どのようなキャラクターたちなのかを徹底解説します。
メンバーの醜悪な外見や歪んだ性格、ナザリックにおける拷問官としての役割、そして意外な強さと正体について、ネタバレを交えながら深掘りしていきます。
さらに、アニメで五大最悪の一部を演じた豪華声優陣のプロフィールもご紹介します。
オーバーロードの作品概要とあらすじ
五大最悪という異様な存在を知る前に、まずは『オーバーロード』の基本情報を確認しておきましょう。
オーバーロードの概要
『オーバーロード』は、2010年から連載されている小説が原作で、2012年7月に書籍版が発行されました。
当初は「むちむちぷりん」の名義で連載されていましたが、途中で作者名が「丸山くがね」に変更されています。
Web版がベースになっていますが、書籍版の10巻以降はWeb版とは異なる独自のストーリーが展開されており、読者の間で大きな話題となりました。
アニメ化も大ヒットのきっかけとなり、ダークファンタジーの金字塔として国内外で高い人気を誇っています。
オーバーロードのあらすじ
物語の主人公は、普通のサラリーマンだった鈴木悟です。
彼は、全盛期を過ぎたVRゲーム「ユグドラシル」のギルド「アインズ・ウール・ゴウン」に所属し、ギルドの運営終了を一人待っていました。
しかし、サービス終了と同時に、鈴木悟は自身の分身であるアバターモモンガ(後のアインズ)の姿で、ゲームの世界に転移してしまいます。
ナザリック地下大墳墓のNPCたちは自我を持ち、アインズを絶対の支配者として崇拝します。
現実世界に戻れなくなったアインズは、ギルドの名を広めるため、そして元の世界から転移してきたかもしれない仲間を探すため、「魔導王」として異世界を席巻していくことになります。
「五大最悪」とは?ナザリックの面々から避けられる存在
ナザリック地下大墳墓には、守護者統括のアルベドをはじめ、デミウルゴス、コキュートスなど、レベル100に達する強力なNPCたちがいますが、五大最悪は彼らとは少し異なる意味で恐れられています。
ナザリックの面々から避けられる「最悪」という通称
オーバーロードの「五大最悪」とは、ナザリックの5人のNPCに付けられた通称です。
プレアデスのようにチームで行動しているわけではなく、守護する階層もバラバラであるため、共通点は見られません。
しかし、その通称が示す通り、彼らは醜悪な外見や歪んだ性格、そして倫理観の欠如から、ナザリックの面々、特に女性守護者たちから避けられる存在となっています。
「最悪」という言葉は、彼らの戦闘能力ではなく、生理的な嫌悪感や精神的な不快感を引き起こすという点で付けられていると考察されます。
読者の間でも、五大最悪の存在はナザリックの倫理観の闇を象徴しているという見方が強いです。
五大最悪の意外な側面:仲間意識と団欒
ナザリックの面々から避けられている五大最悪ですが、彼ら本人たちは仲間意識を持っており、時折集まって談笑をしているという、意外な側面も作中で描かれています。
「最悪」と呼ばれる者たち同士で、共通の価値観や孤独感を分かち合っているのかもしれません。
この「気持ち悪いけど仲良し」というギャップが、五大最悪というキャラクター群の特異性を際立たせています。
五大最悪メンバーの強さ・能力・醜悪な正体
五大最悪は、戦闘能力では階層守護者に劣るものの、ナザリックにおける非常に重要な役割を担っています。
ここでは、メンバーそれぞれの詳細なプロフィールと、その歪んだ個性を深掘りします。
五大最悪メンバー① 恐怖公:紳士的なゴキブリの領域守護者
五大最悪の中でも、特にその外見で有名なのが恐怖公(コキュートス)です。
| 正体 | 第二階層「黒棺」の領域守護者 |
| 外見 | 体長30cmほどのゴキブリ(貴族然とした振る舞い) |
| カルマ値 | -10(中立) |
| 能力 | 支援魔法、眷属のゴキブリ召喚 |
| 特筆事項 | ほとんどの女性守護者から嫌悪されるが、コキュートスとは盟友 |
恐怖公は、第二階層の「黒棺」の領域守護者を務めています。
外見は体長30cmほどの巨大なゴキブリであり、その姿はナザリックのほとんどの女性守護者から嫌悪されています。
プレアデスでさえ、彼が触れたものは全て処分するほどの徹底ぶりです。
しかし、彼のカルマ値は「-10」の中立であり、外見とは裏腹に貴族然とした振る舞いを見せ、他者に対しては紳士的な態度を取ります。
この「醜悪な外見と紳士的な内面」というギャップが、彼を五大最悪の中でも特異な存在としています。
戦闘では支援魔法を使用し、眷属のゴキブリを召喚する能力を持ちます。
この眷属は、ナザリックに連行された現地人に精神的な拷問を加える役割を担っており、ナザリックに侵入したワーカーたちの悲惨な最期を描く上で、重要な役割を果たしました。
ちなみに、プレアデスのエントマ・ヴァシリッサ・ゼータは、この眷属をつまみ食いしているという、さらに恐ろしい一面も持っています。
五大最悪メンバー② ニューロニスト・ペインキル:甘ったるい拷問官
恐怖公と並んで、その歪んだ性格と外見が知られているのがニューロニスト・ペインキルです。
| 正体 | 第五階層「真実の部屋」の拷問官 |
| 外見 | 溺死体に触手が生えたような姿(女性的とされる) |
| 話し方 | 甘ったるい口調のオネエ言葉 |
| 役割 | 捕虜からの情報収集(拷問) |
| 特筆事項 | 「自分はシャルティアやアルベドよりも美しい」と自負 |
ニューロニスト・ペインキルは、第五階層の「真実の部屋」に住む拷問官です。
溺死体に触手が生えたような不気味な外見をしており、甘ったるい口調のオネエ言葉を使用します。
彼は捕虜から情報を得るための拷問を担当しており、口から出した触手で卵を産み付けるという、さらに不気味な能力を持つとされています。
彼の創造主は、過去に尿道結石で苦しんだ経験があり、その経験を活かして拷問を行うキャラクターを創造したという、創造主の歪みがそのまま反映されています。
拷問は彼の職務であると同時に趣味でもあり、五大最悪のチャックモールと並ぶほどの性格の歪みを持つキャラクターです。
にもかかわらず、本人は「自分はシャルティアやアルベドよりも美しい」と考えているという、強烈なナルシストである点も、読者の間で話題となっています。
五大最悪メンバー③ チャックモール:性格最悪の楽師
五大最悪の中で最もその性格の悪さが知られているのが、ナザリックの楽師であるチャックモールです。
| 通称 | 性格最悪 |
| 種族 | チャウグナー種 |
| 役割 | ナザリックの楽師 |
| 特筆事項 | プレアデスのルプスレギナに嫌われている |
| モデル | クトゥルフ神話の邪神か |
チャックモールは「性格最悪」の異名を持つキャラクターであり、その性格の悪さはプレアデスのルプスレギナ・ベータが彼を嫌っているほどです。
彼の種族は「チャウグナー種」とされており、この名前からクトゥルフ神話の邪神がモデルになっているのではないかという考察も読者の間でなされています。
ユリ・アルファからは「チャウグナー種の中ではまとも」と発言されていることから、彼の同種族の恐ろしさも示唆されています。
楽師という一見無害な役割を持ちながら「性格最悪」の異名を持つというギャップが、彼を五大最悪たらしめている大きな要因です。
五大最悪メンバー④ 餓食狐蟲王:姿が描かれていない「外見最悪」の領域守護者
五大最悪の中には、まだ詳細が不明なメンバーも存在します。その一人が餓食狐蟲王です。
| 通称 | 外見最悪 |
| 正体 | 第六階層「蟲毒の大穴」の領域守護者 |
| 外見 | 醜悪(恐怖公並みの嫌悪感と予想される) |
| 役割 | ナザリックに侵入したワーカーを巣の材料にする |
| 特筆事項 | 「蟲毒」という名前から呪いの能力や寄生虫のような外見が予想されている |
餓食狐蟲王は、第六階層の「蟲毒の大穴」に住む領域守護者です。
彼の異名は「外見最悪」であり、書籍版やアニメではまだ姿が描かれていません。
しかし、その異名や住まいの名前から、恐怖公並み、あるいはそれ以上の生理的嫌悪感を抱かせる外見だと予想されています。
「蟲毒」という名前から、呪いの能力を持つ、あるいは寄生虫のような外見をしているのではないかという考察が読者の間で盛んに交わされています。
彼は、ナザリックに侵入したワーカーを巣の材料にするという、恐ろしい役割を担っています。
五大最悪メンバー⑤ エロ最悪:名前と担当領域が不明な紳士
五大最悪の最後のメンバーが、エロ最悪です。
| 通称 | エロ最悪 |
| 正体 | 五大最悪の一人 |
| 性格 | 紳士的(チャックモールよりは好かれている) |
| 役割 | 不明 |
| 特筆事項 | 女性の天敵と予想されている |
エロ最悪は、五大最悪の1人ですが、名前や担当領域は不明です。
しかし、彼の性格は紳士的であるとされており、性格最悪のチャックモールよりは好かれているとされています。
五大最悪には女性に危害を加えるキャラクターが多いことから、エロ最悪も女性の天敵となるような特殊な役割を持つのではないかという予想が読者の間で囁かれています。
その詳細が明かされていないため、読者の間では「ルベド」「第八階層のあれら」などと並んで「姿が見たいキャラクター」として常に上位にランクインしています。
五大最悪メンバーの声優:見た目とのギャップが話題
五大最悪の一部メンバーはアニメで登場しており、その豪華なキャスティングが、見た目や設定との強烈なギャップを生み出しました。
恐怖公役:神谷浩史のプロフィールと主な出演作品
ゴキブリの領域守護者である恐怖公を演じたのは、人気声優の神谷浩史です。
| 名前 | 神谷浩史 |
| 生年月日 | 1975年1月28日 |
| 出身地 | 千葉県 |
| 所属事務所 | 青二プロダクション |
| 愛称 | かみやん、ヒロC |
| 受賞歴 | 声優アワードで何度も賞を受賞(2008年~2020年) |
神谷浩史は1994年から声優活動を行っており、学生時代に演劇部に参加したことが演技に興味を抱いたきっかけです。
青二塾を卒業後にプロデビューし、当初は端役が多かったものの、「デジモンフロンティア」「機動戦士ガンダム00」の出演で知名度を上げました。
主な出演作品
神谷浩史は、数多くの人気作品で主人公や重要キャラクターを演じています。
- 物語シリーズ / 阿良々木暦:主人公であり、吸血鬼もどきの高校生。ヒロインと関わる様々な怪異と戦います。
- 進撃の巨人 / リヴァイ・アッカーマン:「人類最強の兵士」と呼ばれる調査兵団の兵士。人間を超越した身体能力を持ちます。
- 斉木楠雄のΨ難 / 斉木楠雄:主人公で、最強の超能力を持つ高校生。
恐怖公という醜悪なゴキブリに、数々のイケメンキャラクターを演じてきた神谷浩史の声をあてたことに対し、ファンからは「声優の無駄遣い」「見た目と声のギャップが笑える」という感想が多数寄せられ、大きな話題となりました。
ニューロニスト・ペインキル役:玄田哲章のプロフィールと主な出演作品
溺死体のような外見を持つ拷問官、ニューロニスト・ペインキルを演じたのは、声優界のレジェンド、玄田哲章です。
| 名前 | 玄田哲章 |
| 生年月日 | 1948年5月20日 |
| 出身地 | 岡山県 |
| 所属事務所 | 81プロデュース |
| 特筆事項 | 洋画作品でアーノルド・シュワルツェネッガーの吹き替えを担当し公認されている |
| 受賞歴 | 2010年 声優アワードで功労賞を受賞 |
玄田哲章は1972年から声優活動を行っていますが、元々は俳優としてキャリアをスタートさせました。
24歳の時に同業者に勧められ、声優活動を開始し、その渋いバリトンボイスと重厚な演技で、数多くのキャラクターに命を吹き込んできました。
主な出演作品
玄田哲章は、重厚な役柄や豪快なキャラクターを多く演じています。
- シティーハンター / 海坊主(伊集院隼人):元傭兵の日本人。本名は伊集院隼人。冴羽獠と手を組むこともある、喫茶キャッツアイの店主です。
- 幼女戦記 / クルト・フォン・ルーデルドルフ:帝国軍参謀本部の軍人。機動戦と兵站の権威として主人公ターニャからも評価されています。
- トランスフォーマー / コンボイ:アニメ史に残る名キャラクターです。
ニューロニスト・ペインキルの甘ったるいオネエ言葉を、渋いバリトンボイスで定評のある玄田哲章が演じたことも、恐怖公と同様に強烈なギャップとして話題となり、「なるほど気持ち悪いが、いいキャラだ」と読者から評価されています。
まとめ
本記事では、『オーバーロード』に登場する五大最悪について、その醜悪な外見、歪んだ性格、そしてナザリックにおける特殊な役割を解説してきました。
彼らは、戦闘能力では階層守護者に劣るものの、拷問や精神的な嫌悪感という点で、ナザリックメンバーから最も避けられる存在です。
しかし、その異様さの裏側には、アインズ・ウール・ゴウンというギルドの至高の四十一人が持つ歪んだユーモアや遊び心が垣間見えます。
恐怖公とニューロニストを演じた神谷浩史や玄田哲章といった豪華声優陣の起用も、彼らのキャラクター性を際立たせました。
Web版と書籍版では内容が異なっている部分もあるため、今後、餓食狐蟲王やエロ最悪といった未登場のメンバーがどのような姿で描かれ、どのような最悪な役割を果たすのか、読者の間では大きな期待が寄せられています。
五大最悪の存在は、ナザリック地下大墳墓という場所が、単なる最強の集団ではなく、常識や倫理観からかけ離れた異形の空間であることを、最も雄弁に物語っていると言えるでしょう。
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