
賀来ゆうじによる和風ダークファンタジー『地獄楽』の単行本第6巻は、島の支配者である「天仙様」との死闘が続く一方で、主人公・画眉丸(がびまる)に起こった恐るべき異変が事態をさらに混沌とさせる巻です。
この巻では、人間でありながら怪物と化しつつある二人の強者が激突し、さらに物語の根幹に関わる「神仙郷」の創造主の正体と、天仙たちが企むタオの研究の真の目的が明かされます。
本記事では、この緊迫した状況を詳細に解説し、読者の考察を基に、画眉丸の異変と弔兵衛(ちょうべい)との死闘が物語に与える影響、そして新たなる来訪者の参戦がもたらす波乱について深掘りします。
怪物二人の死闘—画眉丸VS弔兵衛
不老不死の仙薬が眠る孤島に送り込まれた死罪人と山田浅ェ門(やまだあさえもん)たちは、異形の怪物たちが徘徊する魔境で、桁外れの力を持つ天仙様たちとの戦いを強いられています。
佐切(さぎり)、杠(ゆずりは)、仙汰(せんた)たちは、死闘の末に天仙の一人・ムーダンをようやく倒しますが、その代償として仙汰が命を落とすなど、状況は決して好転していません。
一方、佐切たちとはぐれて行動していた画眉丸とめいの一行は、巌鉄斎(がんてつさい)と付知(ふち)と合流しますが、うち続く激戦の中でタオを消費した画眉丸の身には恐るべき異変が生じていました。
画眉丸の記憶は混濁し、かつて感情を排した殺人機械「がらんの画眉丸」だった頃の人格が甦ってしまうのです。
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理性(たが)の外れた「最強」同士の激突
そんな状況で画眉丸が遭遇したのは、「賊王」亜左弔兵衛とその弟・桐馬(とうま)でした。
弔兵衛は、島の異形に寄生されて半ば怪物と化しつつあり、その再生能力は凄まじいものがあります。
言葉を交わすこともないまま戦い始めた画眉丸と弔兵衛は、ともに作中の人間の中では最強クラスの戦闘力・生命力の持ち主であり、展開されるのは凄惨とも壮絶とも言うべき「怪物二人の死闘」です。
画眉丸は情け容赦なく弔兵衛の急所を狙うものの、花と混ざった弔兵衛の身体は、傷ついてもすぐに再生してしまうという、絶望的な状況が続きます。
この戦いは、理性の箍(たが)が外れかけた画眉丸と、異形の力に身を委ねつつある弔兵衛という、二人の「怪物」の潰し合いであり、巌鉄斎(がんてつさい)も画眉丸の戦い方に冴えがないと分析するほどでした。
画眉丸がこの島で手に入れた力は、単なる「強さ」のみで発揮できるものではなく、「強さ」の種となる「弱さ」すなわち陰と陽が一つとなって初めて得られるものです。
タオの使い方と共に妻との思い出も忘れ、理性と感情を失った画眉丸が、更なる怪物化をみせる弔兵衛に勝てるのかという問いは、読者に緊張感を与えますが、その答えは残念ながら明確な敗北を意味するものでした。
身を挺して弔兵衛の暴走を止めた桐馬の行動も虚しく、タオを全て解放した弔兵衛は、身体のあちこちから触手が生え、化物のような姿に変貌します。
画眉丸は火を使った捨て身の攻撃で挑みますが、暴走した二人は本能的に殺し合っている状態となり、最終的にめいの術によって画眉丸と弔兵衛は分断され、弔兵衛は谷底へと落下します。
徐福の存在とタオの研究の恐るべき目的
意外な展開の連続の末に、谷底へ落下した弔兵衛以外の生存者である画眉丸サイドと佐切サイドは、図らずもあっさりと合流/再会を果たします。
両者が合流して一行は九名となり、一気に戦力が増強された感がありますが、それでも天仙様を倒すにはまだまだ足りないことは言うまでもありません。
戦いが続き、タオを使いすぎた画眉丸は未だに記憶が混乱したままですが、タオの相性が良い佐切の献身的な対応によって、徐々に記憶が回復してきます。
一方、この合流によって、一行は情報を交換し、天仙を打倒し、この島から脱出するために、ある者は力を求め、ある者は知識を求めることになります。
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島を作り出した歴史上の人物・徐福
知識を求める中で、めいの口から、この島と天仙を作り出したのが、大陸の方士(ほうし)・徐福(じょふく)であること、そして徐福が千年以上前の人物であるにも関わらず、今も島のどこかで仙薬を研究していると語られます。
蓬莱をはじめとする東方三神山の名が物語に登場した時点で、その名が登場するのは半ば約束されたようなものだと考える読者も多かったでしょうが、なるほど、こういう形で関わってくるとはと、ここでの徐福の登場は大きなサプライズとなりました。
この先、本当に徐福本人が登場することになるのか、だとすればその役割はどうなるのかと、物語は予想もしない方向に転がっていく予感を抱かせます。
天仙・蓮が語るタオの研究の真の目的
一方、谷底に落ちた弔兵衛は、異形の姿から元に戻り、身体も完全に再生します。
この適応能力の高さこそが弔兵衛の真骨頂ですが、そこで彼は天仙の一人である蓮(リエン)と遭遇します。
蓮は、人間を丹(たん)にする「外丹花(げたんか)」に侵蝕されても自我を保っていられる弔兵衛を「面白い」と評価し、タオによる攻撃を仕掛けます。
弔兵衛は蓮に勝つ為に、今度は己の意志で異形の姿へと変化しますが、蓮によって捕らえられ、全裸の女性の姿になった蓮から「房中術(ぼうじゅつ)」を施されようとします。
全裸の女性に圧し掛かられても、弔兵衛の興味は島の存在に向いており、蓮へ島と天仙の存在、そして仙薬の研究について質問します。
蓮は、タオの研究の恐ろしい目的を、包み隠さず素直に弔兵衛へ語ります。
それは、人間を丹として取り込むことで、自身らの不老不死を完成させるという、人間たちにとっては絶望的な目的でした。
このタオの研究の恐ろしい目的が明らかになったことで、人間たちの行動原理は、「脱出」だけでなく「生存」と「打倒天仙」へと強く収束していくことになります。
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新たな来訪者の参戦と激化する戦場
画眉丸と佐切が再会し、弔兵衛以外の生存者が合流したことで、集団になった人間たちは情報交換やタオの利用方法を学ぶための修行ができるようになり、仙薬を手に入れて島を脱出する公算が少し高まった気がします。
しかし、物語はまたしても新たな波乱を迎え入れます。
この巻のラストでは、ついに巻末組と言いたくなるようなこれまでの出番だった山田浅ェ門追加チームがついに島に上陸します。
新たに島に現れたのは、殊現(しょうげん)、十禾(じっか)、清丸(きよまる)、威鈴(いすず)といった、明らかに尋常ではない使い手である四人の浅ェ門です。
そしてさらに、画眉丸を狙う石隠れ衆の精鋭たちも島に現れたことで、再び人間同士の死闘が繰り広げられるのかという予感が高まります。
一つだけ間違いなく言えるのは、この先ますます戦いは激化するであろうということです。
弔兵衛は天仙に捕らわれてしまいましたが、その適応能力の高さと蓮に気に入られたことで、とりあえずは大丈夫そうであり、彼の行動が今後の展開にどう影響するのかも注目されます。
より一層、混沌とした展開を予感させて、物語は第7巻へと続きます。
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