【聲の形】なぜ川井みきは嫌われる?「クズだけどかわいい」と言われる理由と彼女の深層心理を徹底考察

漫画

【聲の形】なぜ川井みきは嫌われる?「クズだけどかわいい」と言われる理由と彼女の深層心理を徹底考察

 

2015年に「このマンガがすごい」オトコ編で第1位を獲得し、社会現象を巻き起こした『聲の形』は、聴覚障害といじめという重いテーマを扱いながら、多くの読者や観客に深い感動を与えました。

この作品に登場するキャラクターたちは、それぞれが複雑な内面を抱え、視聴者の感情を揺さぶります。

中でも、学級長として登場する川井みきは、その言動から「クズ」という辛辣な評価を受ける一方で、「かわいい」という声も聞かれます。

なぜ彼女は、これほどまでに賛否両論を巻き起こすのでしょうか。

この記事では、川井みきの性格や行動の背景にある深層心理を、作品全体を通して考察していきます。

 

川井みきが登場する聲の形とは?

川井みきというキャラクターを深く理解するためには、まず『聲の形』という作品の全体像を把握しておく必要があります。

漫画やアニメ映画で描かれた、その物語の概要を振り返ってみましょう。

 

聲の形の作品情報

『聲の形』は、大今良時による漫画作品です。

最初は読み切りとして掲載されましたが、その反響の大きさから「週刊少年マガジン」での連載が決定しました。

「人と人が互いに気持ちを伝えることの難しさ」をテーマに、人間関係の複雑さや成長が繊細に描かれています。

原作は累計発行部数300万部を突破し、「このマンガがすごい!」オトコ編で1位を獲得するなど、高い評価を得ています。

 

聲の形の原作情報

『聲の形』は、元々「別冊少年マガジン」に読み切りとして掲載されました。

「進撃の巨人」などの看板作品を抑えてアンケート1位を獲得するほどの人気ぶりでした。

いじめというデリケートな題材を扱っているため、当初は連載が危ぶまれましたが、その大きな反響を受けて連載が決定しました。

2015年には「マンガ大賞2015」で3位、第19回手塚治虫文化賞新生賞を受賞するなど、数々の賞に輝いています。

全日本ろうあ連盟が監修した実写版DVDが道徳教材として使用されるなど、社会的な影響力も大きな作品です。

 

聲の形のアニメ映画情報

2016年には、原作を基にした長編アニメ映画が公開されました。

監督は山田尚子、制作は京都アニメーションが手掛け、その美しい映像と丁寧な演出は高い評価を得ました。

第40回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞をはじめ、数々の賞を受賞しています。

興行収入は23億円を突破し、2016年度の日本映画全体の興行収入ランキングで第10位にランクインする大ヒットとなりました。

 

聲の形のあらすじ

物語は、過去にいじめの加害者だった石田将也が、聴覚障害を持つ元クラスメイトの西宮硝子を探すところから始まります。

将也は小学校時代、悪ふざけの延長で西宮をいじめていました。

しかし、西宮の補聴器を破損させたことがきっかけで、いじめの責任を全て将也に押し付けられ、今度は将也がいじめの標的になってしまいます。

孤独な中学時代を経て、高校生になった将也は自殺を考えるほど追いつめられますが、贖罪のために西宮に再会することを決意します。

再会した将也は西宮に過去を謝罪し、友人になりたいと告げます。

しかし、西宮の母親は将也が持参した「筆談ノート」を川に投げ捨ててしまいます。

将也は西宮と一緒に川に飛び込んでノートを探し、再び生きることを決意するのでした。

 

川井みきのクズだけどかわいい魅力

川井みきは、その言動から「クズ」と称されることが多いキャラクターです。

しかし、一方で「かわいい」という声が聞かれるのも事実です。

彼女が持つ、一見矛盾した魅力の背景には何があるのでしょうか。

 

かわいい魅力①真面目な委員長

川井みきは、小学生から高校生まで常に学級長を務める、真面目で優等生なキャラクターとして描かれています。

人を引っ張っていくリーダータイプではありませんが、そのしっかりした性格からクラスメイトの信頼を集めていました。

この優等生的な側面は、彼女が持つ「かわいらしさ」の一因と言えるでしょう。

 

かわいい魅力②メガネをやめる

真面目な委員長だった川井みきは、小学生時代は眼鏡をかけていました。

しかし、高校生になってコンタクトレンズに変え、見た目が一変します。

この変化は、彼女が自分の容姿に自信を持ち始めたことの表れでもあり、眼鏡を外した姿が「かわいい」と評価される理由の一つになっています。

内面の変化だけでなく、外見にも気を使い始めた彼女の行動は、多くの共感を呼びました。

 

かわいい魅力③植野直花の関係

川井みきと植野直花は、小学生時代にいじめに加担していたにもかかわらず、高校生になっても友人関係を続けています。

真逆な性格を持つ二人ですが、互いに本音で語り合う姿は、友情の深さを感じさせます。

この複雑でリアルな人間関係もまた、川井みきの魅力を引き立てていると言えるでしょう。

 

川井みきのクズ・嫌いだといわれる性格

川井みきは、その「かわいい」魅力とは裏腹に、多くの視聴者から「嫌い」「クズ」と評価されています。

その理由を、彼女の言動から詳しく見ていきましょう。

 

嫌いだといわれる性格①いじめを見てみぬふり

川井みきが嫌われる最大の理由は、西宮へのいじめを見て見ぬふりをしたことです。

当初は学級長として西宮のサポートを試みますが、将也たちによるいじめが激化すると、その行為が「自分の善意」から「義務」へと変わっていきます。

そして、次第に西宮へのサポートが辛くなり、いじめを見て見ぬふりをするようになります。

さらに、校長による学級会で将也が責任を追及された際には、自分が関わっていないかのように涙を流し、潔白を主張しました。

この偽善的な態度は、多くの視聴者の反感を買いました。

 

嫌いだといわれる性格②責任転嫁をする

川井みきの性格の狡猾さは、高校生になっても変わりません。

彼女は自己保身のためなら、平気で嘘をついたり、他人に責任を転嫁したりします。

小学生時代に将也がいじめの責任を追及された際、彼女は「やめてって言ったのに」と涙ながらに語りますが、それはあくまで形式的なもので、本当にいじめを止めようとしたわけではありませんでした。

このように、自分の非を認めず、他人のせいにする姿は、多くの視聴者から「クズ」と評価される要因となっています。

 

嫌いだといわれる性格③自分が好き

川井みきが嫌われるもう一つの理由は、その極端な自己愛です。

作品中では、彼女が自分自身のことを「かわいい」と思っている描写が描かれています。

この自己愛は、彼女が常に自己保身に走り、他人を犠牲にしてでも自分を守ろうとする行動に繋がっています。

このような自己中心的な性格は、彼女が持つ「かわいらしさ」を打ち消し、多くの視聴者から嫌悪感を抱かれる要因となりました。

彼女は、自分をかわいく見せるための言動や行動を無意識に行う「あざとい」キャラクターとして描かれており、その心理描写が視聴者に近しいと感じられることも、反発を招く理由の一つだと考察できます。

 

川井みきの声優

『聲の形』のキャラクターに命を吹き込んだ声優陣も、作品の大きな魅力の一つです。

特に川井みきという複雑なキャラクターを演じた声優は、その高い演技力で視聴者を物語に引き込みました。

 

川井みきの声優は潘めぐみ

映画版『聲の形』で川井みきを演じたのは、声優の潘めぐみです。

彼女は声優だけでなく女優としても活動しており、その確かな演技力で川井みきというキャラクターの複雑な内面を見事に表現しました。

また、彼女の母親は同じく声優・女優の潘恵子です。

項目内容
名前潘めぐみ
生年月日1989年6月3日
出身地東京都
事務所アトミックモンキー

 

潘めぐみの主な出演作

潘めぐみは、2011年に『HUNTER×HUNTER』の主人公、ゴン=フリークス役で声優デビューを果たしました。

2017年には第11回声優アワードで助演女優賞を受賞するなど、その実力は高く評価されています。

彼女の主な出演作品には、『HUNTER×HUNTER』のゴン=フリークス役のほか、『ちはやふる』の花野菫役、『僕のヒーローアカデミア』の芦戸三奈役など、多数の人気作があります。

 

川井みきと真柴の関係

川井みきは、高校で知り合った真柴智に片思いをしています。

この二人の関係性も、彼女のキャラクターを深く掘り下げる上で重要な要素です。

 

川井みきの片思いの相手・真柴

真柴は、常に笑顔で人当たりの良い人物として描かれていますが、その笑顔の裏に何を考えているかわからない不気味さを秘めています。

教師を目指す理由も、「過去に自分をいじめた人間がどんな大人になるか見たい」という歪んだものであり、彼の性格は川井みきと同様に複雑です。

川井みきの真柴に対する一途な思いは、彼女の人間性を多角的に捉える上で重要なポイントとなります。

 

川井みきと真柴に進展はある?

物語の進行と共に、川井みきと真柴の関係性は変化していきます。

当初は互いの腹を探り合うような関係でしたが、次第に本音を話せる親密な友人へとステップアップしていきます。

川井みきのアプローチも、恋愛感情をあからさまにアピールするものへと変わり、二人の関係性の進展が描かれています。

しかし、互いの心の闇を共有するような二人の関係は、果たして純粋な恋愛へと発展するのか、それとも別の結末を迎えるのか、多くのファンの間で様々な考察がなされています。

 

川井みきに関する感想や評価は?

川井みきは、作中でも特に賛否両論が分かれるキャラクターです。

彼女に対する感想や評価は、多岐にわたります。

「声の形」の登場人物の中で一番嫌いという声がある一方で、「彼女の性格は一番現実に近い」という意見も多く見られます。

彼女の自己保身や責任転嫁の行動は、多くの人が人間関係で経験する「嫌な部分」を凝縮したキャラクターとして描かれているため、視聴者は彼女の言動に共感ではなく、むしろ嫌悪感を抱くことが多いようです。

また、自分をかわいく見せるための計算された言動は「あざとい」と指摘されており、彼女の心理描写の巧みさが、視聴者の感情を強く揺さぶる要因となっています。

 

まとめ

『聲の形』に登場する川井みきは、真面目な優等生でありながら、いじめを見て見ぬふりをし、自己保身のために責任を転嫁する狡猾な一面を持つ、非常に複雑なキャラクターです。

その二面性から「クズ」と評価される一方で、眼鏡を外した姿や、植野、そして真柴との関係性に見える人間らしい一面に「かわいい」と感じる人もいます。

彼女の性格は、人間の「嫌な部分」を象徴しているとも言え、だからこそ多くの視聴者が彼女に強い嫌悪感を抱くのだと考察できます。

ぜひ、改めて『聲の形』をご覧になって、川井みきというキャラクターの複雑な人間性を考察してみてはいかがでしょうか。

 

コメント