『ONE PIECE』の物語において、主人公モンキー・D・ルフィの宿敵として描かれる四皇黒ひげことマーシャル・D・ティーチ。
彼はヤミヤミの実とグラグラの実という、世界を揺るがす二つの最強能力を持つ異例の能力者です。
その彼が、ルフィが四皇カイドウを倒した後の最終章で、「海賊女帝」ボア・ハンコックが持つメロメロの実を強奪しようとアマゾン・リリーを襲撃したことは、多くの読者に大きな衝撃を与えました。
なぜ、すでに二つの最強能力を持つ黒ひげが、メロメロの実という一見すると異質な能力を狙ったのでしょうか。
本記事では、黒ひげがメロメロの実を狙った真の理由を、「王国創り」や「世界の国宝」との関連性から深く考察していきます。
さらに、メロメロの実の能力や覚醒の可能性、そしてハンコック以外でもその能力が使えるのかどうかについて、最新情報を交えながら徹底的に分析していきます。
黒ひげとは？
ワンピースの作品情報
ワンピースの概要
黒ひげがメロメロの実を狙った目的や、その能力について考察する前に、まずは『ONE PIECE』の基本情報を改めて確認しましょう。
『ONE PIECE』は、尾田栄一郎が1997年から「週刊少年ジャンプ」で連載している、世界的な人気漫画です。
1999年にはアニメシリーズの放送がスタートし、2023年時点での全世界累計発行部数は5億1000万部を超えています。
作者の尾田栄一郎は、熊本県出身で、高校生時代には「月火水木金土」というペンネームで投稿していたエピソードも知られており、そのユニークな感性は物語にも色濃く反映されています。
彼は「キャラクターの死亡シーンをなるべく描かない」というこだわりを持っており、過去にはエースの死の描写に深く悩み、そのシーンは読者に計り知れない衝撃を与えました。
尾田栄一郎の徹底した世界観構築とキャラクターへの愛が、『ONE PIECE』の奥深い魅力を支えているのです。
ワンピースのあらすじ
物語の主人公はモンキー・D・ルフィ。
ルフィは幼少期にシャンクスと出会ったことをきっかけに海賊に憧れ、ゴムゴムの実を食べたゴム人間として、海賊王を目指す旅に出ます。
故郷を出てからシェルズタウンで最初の仲間ゾロと出会い、その後も個性豊かな仲間たちと「麦わらの一味」を結成し、「ひとつなぎの大秘宝（ワンピース）」が眠るとされる新世界へと向かいます。
ワノ国では四皇カイドウを倒し、「五皇」から「四皇」へと昇り詰め、最終章へと突入しました。
ルフィが夢やロマンを追い求める王道の海賊像であるのに対し、黒ひげは「夢」を語りながらも「悪の道」を突き進む、ルフィにとっての「影」のような存在として描かれています。
黒ひげのプロフィール
| 本名 | マーシャル・D・ティーチ |
| 異名 | 黒ひげ |
| 所属 | 黒ひげ海賊団（提督）、四皇 |
| 元所属 | 白ひげ海賊団 |
| 身長 | 344センチ |
| 能力 | ヤミヤミの実（自然系）、グラグラの実（超人系） |
黒ひげことマーシャル・D・ティーチは、黒ひげ海賊団の提督であり、現在四皇の一角を占める大海賊です。
344センチというビール樽のような体躯を持つ巨漢で、本編が始まる前は白ひげ海賊団に所属していました。
しかし、ヤミヤミの実への異常な執着から、親友である四番隊隊長サッチを殺害して実を奪い、白ひげ海賊団を離脱し、後に王下七武海を経て四皇にまで上り詰めます。
彼の行動原理は、凶悪な海賊としての側面と、ルフィと共通する「夢」や「ロマン」を追い求める側面という、相反する要素を併せ持っています。
ワンピース読者の間では、「黒ひげには複数の人格がある」という説が非常に有力です。
例えば、ルフィと初対面した際にはロマンを追い求める陽気な性格を見せていましたが、頂上戦争では白ひげを惨殺する凶悪さを露呈しています。
さらに、青雉の愚痴に共感する人間的な一面も描かれており、彼の「多面性」や「複数の人格」の背景には、彼の「体の秘密」や「悪魔の実の能力」に関する重大な伏線があるのではないかと考える読者が多いようです。
黒ひげがメロメロの実を狙っていた？理由を考察
黒ひげがメロメロの実を狙った理由
黒ひげは、自然系のヤミヤミの実と、世界を滅ぼす力を持つ超人系のグラグラの実という、二つの最強能力を既に持っています。
そのため、彼がボア・ハンコックのメロメロの実を三つ目の能力として狙った理由は、当初謎に包まれていました。
メロメロの実は、超人系の悪魔の実で、その能力者はボア・ハンコックです。
彼女は王下七武海の庇護を受けていたため、他の海賊が手出しできない存在でしたが、物語途中で王下七武海の制度が撤廃されたため、黒ひげはアマゾン・リリーを襲撃し、メロメロの実の強奪を試みました。
黒ひげは圧倒的な強さでハンコックを追い詰めますが、元ロジャー海賊団のレイリーが姿を見せたことで、戦いを避けるためにハンコックを解放しています。
この際、黒ひげはメロメロの実を奪った場合について、「使うか売るか迷う」という発言をしています。
この発言から、メロメロの実を狙った理由として、以下の三つの考察が浮上しています。
理由①「王国創り」のための資金源とするため
黒ひげは、海賊島ハチノスを世界政府に所属する「王国」にしたいという野望をコビーに語っています。
王国創りには莫大な資金が必要であり、メロメロの実が希少価値の高い悪魔の実である場合、それを高値で売却することで資金を集めようとしたという考察です。
彼はオペオペの実についても「売る」可能性を示唆しており、オペオペの実が不老手術という破格の価値を持つことを考えれば、メロメロの実もまた、特殊な価値を持つ能力である可能性があります。
「ルフィは買う、黒ひげは奪う」という対比が示唆されるように、黒ひげは手段を選ばず、野望の資金を得ようとしていると考えられます。
理由②三つ目の能力として仲間に与えるため
黒ひげ海賊団は「能力者狩り」で他の海賊から能力を奪い、傘下のメンバーに与えるという方針を持っています。
したがって、黒ひげ自身が三つ目の能力として食べるのではなく、黒ひげ海賊団の能力不明のメンバー、例えばラフィットなどにメロメロの実を与える予定だったという考察も有力です。
メロメロの実は、石化という非常に強力ながらも、使用者に特化した能力であるため、ハンコックほどの美貌を持たない者が使えば効果が落ちる可能性も指摘されていますが、黒ひげは何らかの方法でその欠点を補えると踏んでいたのかもしれません。
理由③世界の国宝、あるいは古代兵器に関わるため
かつてドフラミンゴは、マリージョアには世界の実権を握れる「国宝」が存在し、オペオペの実の能力があればそれを手に入れられると発言していました。
「国宝は7つ」という説が浮上していることもあり、メロメロの実がその国宝、あるいは古代兵器ウラヌスといった世界の真実に関わる重要な悪魔の実である可能性も指摘されています。
古代兵器ウラヌスの存在自体が謎に包まれていますが、ドフラミンゴの言う「世界の実権を握れる力」とメロメロの実が結びつく特殊な特性を持つため、黒ひげは世界の支配を視野に入れ、メロメロの実を奪おうとしたのかもしれません。
メロメロの実はハンコック以外でも使える？
メロメロの実の能力は、「魅了した者を石化させる」というものですが、ハンコックは黒ひげに対し「この能力はわらわの美しさあってこそ！」と言い放ちました。
事実、ハンコックは絶世の美女として世界中に知られており、彼女の美貌が能力を最大限に引き出していることは間違いありません。
美貌の必要性とアルビダとの比較
ハンコックの妹であるサンダーソニアとマリーゴールドは、ハンコックと容姿が似ていないことから、三姉妹は血の繋がりがないという考察がされていますが、ハンコックが幼い頃から整った顔立ちをしていたことは、映画でも判明しています。
アルビダはスベスベの実を食べて美貌を手に入れましたが、メロメロの実はハンコックを美人にした能力ではなく、ハンコックの美貌があって初めて真価を発揮する能力だと考えるのが自然です。
つまり、魅力がないキャラクターが使った場合、魅了が発動せず、能力を有効活用できない可能性があるということです。
血統因子による能力継承の可能性
しかし、ハンコック以外でもメロメロの実の能力が使える強力な実例が登場しています。
それは、新型パシフィスタ「セラフィム」の一体、S-スネークです。
S-スネークはハンコックと瓜二つの容姿を持ち、メロメロの実の能力者の「血統因子」を使って作られました。
彼女はアマゾン・リリーを強襲し、ハンコックの妹たちを圧倒する強さを見せつけ、メロメロの実と同質の石化能力を使用しました。
このS-スネークの登場は、「悪魔の実の能力」が「血統因子」によってコピーされ、能力者以外でも能力を使えるという重大な事実を示唆しています。
したがって、黒ひげがメロメロの実を奪った場合、それを血統因子として利用したり、あるいはメロメロの実を誰かに食べさせ、その者の血統因子を採取したりするなどの、特殊な目的があった可能性も否定できません。
なお、S-スネークは、血統因子が頂上戦争の頃に採取されたとすれば、その時点でハンコックがルフィに惚れているため、命令に背いてルフィの味方をするかもしれないという伏線も張られており、物語の展開に注目が集まっています。
黒ひげが狙っていたメロメロの実の強さや能力を考察
メロメロの実の強さは？弱い？
メロメロの実は、石化という非常に強力な特殊能力を持つため、読者からは「チート能力」という意見も多く挙がっています。
この能力の真の強さは、相手に攻撃が当たった時点で石化させ、戦闘不能に追い込むという「必殺性」にあります。
海軍中将ヤマカジがメロメロ甘風によってコロッとやられた事実や、黒ひげが「男なら回避不可能」と発言していることからも、その能力の脅威がわかります。
しかし、石化を無効化できる方法も存在します。
海軍のモモンガ中将は、自らの手にナイフを刺し、痛みによって煩悩を打ち消し、メロメロの実の魅了効果を防いでいます。
また、覇気が強力なキャラクターは、能力を無効化できるという考察もあります。
ガープがハチノスで青雉の能力を無効化していたように、覇気が優る者はメロメロの実の効果も無効化できると予想されています。
ハンコック自身も高い身体能力と格闘技術を持ち、覇王色の覇気の資質を持つことから、「女帝は名ばかりではない」と称されており、彼女の強さは能力だけに頼ったものではありません。
メロメロ甘風が効かない相手は誰？
メロメロの実の能力が発動する絶対条件は、「魅了」です。
そのため、魅了が発動しない、あるいは精神力によって魅了を跳ね除けることができる相手には、メロメロ甘風は効果がありません。
作中で効果がなかった明確な例は、モンキー・D・ルフィです。
ルフィは「女性に特別な感情を抱かない」という無垢な性格から、ハンコックの美貌に一切動じず、メロメロの実の能力が発動しませんでした。
これと同様に、硬派な相手や強い精神力を持つ相手には効かないと予想されています。
例えば、ゾロやガープのような求道的なキャラクターには効果がないと考える読者が多いようです。
また、メロメロの実は視覚が重要な能力であり、盲目の藤虎や、ハンコックの美貌を見ることができないキャラクターには効果がない可能性も指摘されています。
モモンガ中将のように、強い精神力で煩悩を打ち消すことができれば、能力を防ぐことは可能であるため、メロメロの実は絶対的な能力ではないと言えます。
メロメロの実の覚醒は？
悪魔の実には「覚醒」という次の段階が存在し、超人系の能力が覚醒すると、「周囲の物体に自身の能力の性質を付与して操る」という効果が現れるとされています。
2023年5月時点では、メロメロの実の覚醒が明確に描かれていません。
読者の間では、覚醒した場合の能力について様々な考察がされています。
覚醒による石化能力の拡張
イトイトの実のように、周囲の建物や大地を「糸」に変えて操るような超人系の覚醒をメロメロの実で考えた場合、「周囲の物体を石化の性質を持つものに変える」、あるいは「周囲の人間を一瞬で魅了状態に変える」といったチート級の能力が発動する可能性が考えられます。
しかし、メロメロの実はゴムゴムの実やイトイトの実のように体が変化する能力ではないため、「覚醒しても周囲には影響がない」、あるいは「覚醒しない」という予想もされています。
既に覚醒している可能性
一方、メロメロの実は既に覚醒しているという衝撃的な考察も浮上しています。
ハンコックは12歳で天竜人の奴隷になり、天竜人の宴の余興でメロメロの実を食べさせられました。
この幼い頃のトラウマが能力に影響を与え、「周囲の人間に、自分を極上の美女だと思い込ませる」という精神的な作用を無意識下で発動しているのではないか、という説です。
もしこれが覚醒だとすれば、メロメロの実は超人系ではなく、ヒトヒトの実 幻獣種のように本当の名前があり、「周囲の精神に影響を与える」という特殊な能力を持つ動物系の能力である可能性も考えられます。
黒ひげの悪魔の実の能力
黒ひげの悪魔の実の能力①ヤミヤミの実
黒ひげが最初に手に入れた悪魔の実が、自然系のヤミヤミの実です。
ヤミヤミの実は「闇を操る能力」を持つ悪魔の実で、食べた者は「闇人間」となります。
この能力の最大の特徴は、「相手の悪魔の実の能力を無効化する」という対能力者において絶大な効果を発揮する強力な技を持つことです。
しかし、自然系でありながら体を流動化することができず、攻撃を引き寄せてしまうため、他の能力者よりもダメージを受けやすいという致命的な欠点も持っています。
黒ひげは、白ひげ海賊団の四番隊隊長サッチがヤミヤミの実を手に入れた際、親友であるサッチを殺害して実を奪い、白ひげ海賊団から追われる身となりました。
このヤミヤミの実への異常なまでの執着は、黒ひげの行動原理の根幹をなすものであり、最終章の鍵を握る能力だと考えられています。
黒ひげの悪魔の実の能力②グラグラの実
黒ひげが白ひげから奪った能力が、超人系のグラグラの実です。
グラグラの実は「振動を起こし操る」能力を持ち、白ひげが使用していた頃から海軍に「世界を滅ぼす力」と恐れられていました。
大津波を起こしたり、島一つを簡単に沈めることができたりするほどの破壊力を持ちます。
黒ひげが、ヤミヤミの実の能力で白ひげの能力を無効化した状態で、能力を奪ったとされていますが、能力者が死ぬことで近くの果実に能力が転移するという悪魔の実の法則を、黒ひげがどのように破ったのかは、作中の大きな謎の一つです。
この二つ目の能力を得た経緯こそが、黒ひげの体の秘密、あるいはヤミヤミの実の特殊な能力によるものだと考える読者が多いようです。
白ひげが能力者の時には覚醒が描かれていませんが、黒ひげがグラグラの実を覚醒させた場合、超人系の覚醒能力により、周囲の環境を「震動」の性質を持つものに変え、世界中に甚大な被害をもたらすことが予想されます。
黒ひげに関する感想や評価
感想：メロメロの実を狙った理由が気になる！
黒ひげがメロメロの実を狙ったという衝撃の展開は、読者に熱狂的な考察を巻き起こしました。
「なぜヤミヤミとグラグラを持つ男がメロメロの実を？」「誰に与えようとしたのか？」という疑問は、ファンにとって最大の関心事の一つです。
特に、覇気で石化攻撃を防げないというメロメロの実の特殊性に着目し、「黒ひげの攻撃で一時的に能力を無効化しても、石化は解けないからこそ狙ったのではないか」という、メロメロの実の永続性に着目した考察も多く見られます。
また、黒ひげが「オペオペの実を売る」と発言していたことから、「メロメロの実を売る相手」や「売却によって得た資金の使途」についても、最終章の展開を占う重要な要素として注目が集まっています。
感想：3つ目の能力が気になる！
黒ひげの海賊旗には「3つのドクロ」が描かれており、「黒ひげは3つの能力を得る」という説は、連載初期から根強く存在しています。
「黒ひげの最後の能力が気になる」という感想は、多くの読者が抱く共通の期待です。
彼の寝ない理由について「3つのドクロ的に、3人分の魂を持っていて、1人あたり8時間ずつ起きてるから寝る必要がないのではないか」という、体の構造と能力の数を結びつけたユニークな考察も浮上しています。
また、黒ひげ海賊団の幹部であるラフィットなど、能力が不明なキャラクターもいるため、「ラフィットの能力」や「黒ひげ海賊団全体の能力構成」についても、ファンの関心が高まっています。
メロメロの実の強奪未遂は、黒ひげが「3つの能力」、あるいは「それ以上の目的」のために、手段を選ばず動いていることを明確に示しており、ラスボス候補としてルフィの前に立ち塞がる日が近いことを予感させています。
まとめ
本記事では、四皇黒ひげがボア・ハンコックのメロメロの実を強奪しようとした理由と、その能力について多角的に考察してきました。
黒ひげの目的は、メロメロの実を三つ目の能力として自身または仲間に与えること、「王国創り」の資金源とすること、あるいは「世界の国宝」や古代兵器ウラヌスといった世界の真実に関わることなど、単なる強さの追求に留まらない壮大な野望に基づいている可能性が高いことが分かりました。
メロメロの実は、ハンコックの美貌あってこその能力ですが、セラフィムであるS-スネークの登場により、血統因子による能力のコピーという新たな可能性も示されました。
ハンコックはルフィに恋心を抱いており、最終章で麦わらの一味と共闘する展開も考察されていますが、黒ひげの謎の能力や体の秘密が解明される時、物語は最終決戦へと大きく加速するでしょう。
黒ひげとメロメロの実に関する今後の展開から、片時も目が離せません。
以下の強さランキングも是非ご覧ください！
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