
大人気ダークファンタジー作品オーバーロードの根幹を成す舞台といえば、主人公アインズ・ウール・ゴウンが本拠地とするナザリック地下大墳墓です。
この合計10階層からなる巨大なダンジョンには、各階層の守護者をはじめ、強力なNPCたちが配置されています。
中でも、ナザリックの最終防衛ラインである第八階層には、「転移後最強」とまで謳われる謎の存在「あれら」が配置されています。
その正体は作中でも一切不明とされており、読者の間で常に様々な考察が飛び交う、ナザリックの最大の謎の一つです。
本記事では、この第八階層の「あれら」について、その正体、最強といわれる理由、そしてアインズやルベドといったナザリックのトップ戦力と比較した際の真の実力を、原作の記述を基に徹底的に掘り下げて考察していきます。
ウェブ小説版と書籍版の情報も交えながら、「あれら」がナザリックの切り札としてどのような役割を担っているのか、その戦慄すべき全貌に迫りましょう。
八階層の「あれら」が支配するナザリック地下大墳墓とは?
まず、「あれら」という存在を理解するために、作品の概要と、彼らが守るナザリックの基本的な構造について確認します。
オーバーロードの作品概要と転移のあらすじ
本記事の主役である八階層の「あれら」が登場するオーバーロードとは、2010年からWEB小説投稿サイト「Arcadia」で連載されていた同名小説に改変を加えて、2012年に刊行された丸山くがねによるライトノベル作品です。
ライトノベル作品オーバーロードは、ロールプレイングゲームの世界を舞台にした作品となっており、剣と魔法の世界とファンタジーを軸に、魔王を主人公としたアンチヒーローの姿を描いた物語となっています。
元々オーバーロードはWEB小説投稿サイト「小説家になろう」でも連載されていた作品であり、ライトノベルとして刊行される前から多数の人気を集めていました。
その人気からオーバーロードは2015年から漫画が制作されることになり、2017年には外伝が制作されました。
またオーバーロードはゲームも制作されており、多数のメディア展開が行われています。
そんな現在人気を集めるオーバーロードですが、ここまで人気を集める原因となったのがアニメ化です。
そして物語のあらすじは、現実世界において大流行していたVRMMORPG「ユグドラシル」がサービス終了を迎えるところから始まります。
プレイヤーの一人であるモモンガは、ゲーム内において「アインズ・ウール・ゴウン」という最強のギルドに所属しており、サービス終了を迎えることで、ギルドの本拠地であるナザリック大墳墓で最後の時を待っていました。
しかしサービスが終了しても、モモンガはゲームからログアウトすることはなく、ゲームの世界に取り残されてしまいます。
さらにモモンガが取り残されたゲームの世界では、NPCが意思を持って行動を開始します。
この驚くべき光景を見たモモンガは、自分がゲームの世界のキャラクターであるモモンガになったことに気付きます。
そう、モモンガが所属していたギルドの本拠地であるナザリック大墳墓は、「ユグドラシル」の世界に似た異世界に転移していたのです。
異世界にモモンガとして転移した主人公は「アインズ・ウール・ゴウン」という当時最強を誇っていたギルドの名前を自分に名付けます。
そしてアインズとなったモモンガは、最強ともいえる力を駆使してナザリック大墳墓の勢力を率い、転移された異世界の世界征服に乗り出します。
アインズは自分達の力が転移された世界で最強ということを知っていたのです。
またそれと同時に、最強であるアインズは新たな強敵と出会うことを待ち望んでいました。
しかし転移された異世界にはアインズと同じく人間のプレイヤーが転移された可能性があります。
そこでアインズは新たなプレイヤーと出会うことも視野に入れ、冷静にナザリック大墳墓を拠点として世界征服を開始することにするのでした。
最強の地下迷宮:ナザリック大墳墓の階層構造
ナザリック地下大墳墓は、その名の通り巨大な地下ダンジョンであり、合計10階層で構成されています。
各階層には、階層守護者と呼ばれるレベル100の強力なNPCが配置されており、その防衛力はユグドラシル時代にも難攻不落とされていました。
そして、第八階層は、その階層守護者ヴィクティムが守る領域であり、ナザリックの最終的な防衛機構が集中しています。
この第八階層を突破されるということは、ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」の敗北を意味しており、アインズ自身でも対処ができないほどの非常事態であると設定されています。
そのため、アインズは許可した者以外、第八階層への出入りを禁止しています。
この階層の存在こそが、ナザリックの絶対的な安全を保障しているのです。
八階層の「あれら」の正体と強さに迫る
ここからは、ナザリック最大の謎である八階層の「あれら」の正体について、原作の描写と読者の考察を基に深く分析していきます。
「あれら」の正体はロボット?生命体?:読者の考察
オーバーロードの作中において、八階層の「あれら」は、過去に1500人もの八ギルド同盟や傭兵NPCを討ち破って全滅させたという、戦慄のエピソードが描かれています。
しかし、実際その正体や強さは一切謎に包まれています。
では八階層の「あれら」とはどういった存在なのでしょうか。
オーバーロードの作中において八階層の「あれら」は「1体」と数えられており、人間でないことが分かります。
この「あれら」という複数形のような名称で単数扱いされていることから、「あれら」の正体はロボットや自動人形である可能性があると考察する読者が多いです。
また、ウェブ版の情報では、八階層にいる最強の存在は「浮かぶ巨大な発行体」であると描かれており、機械的な、あるいは概念的な存在である可能性も示唆されています。
書籍版の情報と合わせると、「生命を持った生命体」でありながら、「ロボットのような無感情な殺戮装置」の性質を持つ、異形種の中でも特異な存在だと推測できます。
ヴィクティムの役割と「あれら」の制御システム
オーバーロードの作中の会話の中で、八階層の階層守護者であるヴィクティムが死亡することで、八階層の「あれら」は足止め系のスキルを発動することが出来ると描かれていました。
そのため、ヴィクティムが八階層の「あれら」を制御する大事な存在であることが分かります。
ヴィクティムは、プレプレプレアデス2の中で10台の電話を用いて第8部書から電話をしていました。
これは、ヴィクティムが「あれら」を制御するための「指揮官」のような役割を担っており、その制御の中核であると考えることができます。
ヴィクティム自身が非常に非力なNPCであるにも関わらず、第八階層の守護者に任命されているのは、彼の「犠牲」と引き換えに「あれら」を完全に起動させるというシステムが組まれているためだと推測されます。
つまり、ヴィクティムの存在は、ナザリックの防衛機構の起動スイッチのような役割を果たしているのです。
八階層に存在する「あれら」の個体数とワールドアイテムの併用
ヴィクティムが10台の電話を用いていたという描写から、八階層の「あれら」は合計で10体いると考察できます。
ウェブ版の情報では、「八階層のあれらは複数いる」と明言されており、この考察を裏付けています。
またオーバーロードの作中において、八階層の「あれら」はワールドアイテムと併用することが可能であることも明かされています。
これらのことをまとめると、オーバーロードに登場する八階層の「あれら」の正体とは、ワールドアイテムを併用することが出来る生命体であり、ヴィクティムの生死が大きく関係している複数体の存在であると考察できます。
ワールドアイテムという世界に影響を与えるほどのチート級アイテムを、複数体の「あれら」が連携して使用できるという点で、彼らの戦略的な脅威度は他の追随を許しません。
「転移後最強」といわれる理由と真の実力
八階層の「あれら」が「転移後最強」とまで呼ばれるのはなぜでしょうか。
それは、ナザリックの最強戦力であるルベドとの比較によって示されています。
ルベドの圧倒的な強さとの比較
ライトノベルオーバーロード第7巻の作中において、ルベドの強さについて語るシーンがあります。
ルベドとは、ナザリック大墳墓で最強といえる存在であり、肉弾戦ではセバスやアルベド、コキュートスなどの実力者の上を行くほどの強さを持っています。
またルベドは、オーバーロードの世界で最強の強さを持つ主人公のアインズがフル装備でも勝てない相手であると描かれており、その実力はシャルティアすらも凌駕するそうです。
彼女は、純粋な近接戦闘能力においては、ナザリック内で絶対的な最強であると認識されています。
そんな最強のルベドに勝てるのは、ワールドアイテムを併用して使った八階層の「あれら」のみであると、オーバーロード第7巻で明らかになりました。
あのナザリック大墳墓で最強と謳われるルベドに勝てるというシーンから、八階層の「あれら」はオーバーロードの世界で最強の強さを持つといわれることになりました。
しかし、このシーンの最後で、八階層の「あれら」の1体だけでルベドとまともに戦うことは出来ないと思うと描かれています。
この記述こそが、「あれら」の「最強」という評価に付随する条件を示唆しています。
ワールドアイテム使用が条件:最強の座は条件付き
八階層の「あれら」がワールドアイテムを併用しないとルベドに勝つことが出来ないことも見えてきます。
なので、八階層の「あれら」とは複数体いる存在であり、個人で戦うことはないと考えられます。
またワールドアイテムを併用しないといけないことから、実質的な実力はルベドの方が上であると分かります。
しかし、世界級のアイテムの併用や複数で戦うという条件が揃うと、その実力は世界最強であると断言できます。
つまり、「あれら」の強さとは、「個」の力ではなく、「システム」と「アイテム」を組み合わせた「組織」の力であり、ナザリックの防衛機構の集大成としての最強であると定義できるでしょう。
この条件付きの最強という設定は、読者の想像力を掻き立てる、非常に魅力的な要素となっています。
複数体での戦闘が前提となる「あれら」の戦い方
八階層の「あれら」が複数体であるという事実と、ワールドアイテムを併用することが勝利の条件であるという記述から、彼らの戦い方は極めて戦略的であると推測できます。
「あれら」は、個々の能力でルベドに劣るとしても、連携によってその差を埋める、あるいはワールドアイテムの特殊効果によって、相手をハメる戦術を取るでしょう。
例えば、足止め系のスキル(ヴィクティムの能力)で相手の動きを封じ、その間にワールドアイテムによる「概念的な攻撃」を仕掛ける、といった戦法が考えられます。
彼らは、ナザリックのギミックをフル活用した「防衛システム」そのものであり、純粋な一対一の決闘を想定したルベドとは、戦いの土俵が根本的に異なると考えるのが妥当です。
「あれら」より強い人物は存在するのか?
「あれら」が条件付き最強であるならば、それを上回る存在はナザリックに存在するのでしょうか。
全装備のアインズ:策略とアイテムでルベドをも凌駕
オーバーロードの主人公であるアインズは、フル装備になるとスキル・能力・アイテムが全て揃った最強の存在となります。
アインズは勝利のためなら方法を厭わない性格をしており、ルベドには及ばないものの、八階層の「あれら」よりかは格上だと考えられます。
オーバーロードの作中において、アインズは様々なアイテムを使い尽くしてシャルティアと戦い、見事にアインズがシャルティアに圧勝することになりました。
アインズは戦場となる場所や相手に合わせてアイテムを使用することが出来ます。
おそらく個々の武ではルベドに敵うことはありません。
しかし、アイテムやスキルなど全ての戦力が揃った状態であれば、アインズはルベドを凌駕する存在だと考えられます。
現にアインズはルベドへ見込みを感じ、ルベドを自由にさせました。
このことから、アインズと八階層の「あれら」がフル装備で激突したとすると、アインズに軍配が上がると想像できます。
アインズの真の強さは「課金アイテム」と「知略」であり、「あれら」のシステムの生みの親として、その弱点をも知り尽くしていると推測されます。
同条件での一対一ならルベドに軍配
八階層の「あれら」は、複数体でワールドアイテムを使用することでルベドに勝てるとオーバーロード第7巻に描かれていました。
このシーンを見ると分かる通り、一対一の戦いやワールドアイテムを併用しない状況であれば、ルベドが八階層の「あれら」に勝利すると考察できます。
仮に八階層の「あれら」が優れた魔法体体性を持っていたと仮定したとしても、ワールドアイテムを併用しない八階層の「あれら」はルベドにとって敵ではありません。
またオーバーロードの作中において、ルベドは何度も個人の武ではナザリック大墳墓で最強であると語られています。
何度も描かれていることからルベドが最強であることは間違いないと考えられ、決して八階層の「あれら」が「無条件」の最強の強さを持つとは考え辛いです。
なので、オーバーロードで最強の存在はアインズ(フル装備時)とルベド(純粋な戦闘能力)と考察できます。
しかし八階層の「あれら」が弱い訳ではなく、その実力はトップクラスであると推測できます。
「あれら」が待ち構える第八階層「桜花聖域」の情報
八階層の「あれら」が配置されている場所は、第八階層の「桜花聖域」と呼ばれる特別な領域です。
この聖域に関する情報には、書籍版とウェブ版で、一部異なる描写が見られます。
書籍版における第八階層の脅威とヴィクティムの役割
オーバーロードの書籍版で、八階層の討伐に向かった1500人の集団が八階層で全滅したと語られており、その八階層はヴィクティムが階層守護を務めていることが明らかになっています。
どうやらこの八階層は、非常事態が起こるとアルベドでも対処が出来ないそうで、アインズが許可した者以外八階層への出入りは禁止しています。
そんな誰も入ることが出来ない八階層には、最強の存在達が配置されているそうです。
最強の存在達を配置している八階層は、大切な存在であるヴィクティムを移動することが出来ず、ヴィクティムが死亡すると非常に強い足止め系のスキルが発動してしまいます。
また八階層にはオーレオール・オメガという指揮官系スキルに特化した者がおり、普段ヴィクティムは生命の樹で暮らしているそうです。
そんな八階層にいる八階層の「あれら」は、ワールドアイテムを併用することでルベドを凌駕する強さを誇ることが判明しています。
書籍版では、この第八階層が「究極の要塞」として、ナザリックの防衛における揺るぎない最終ラインとして描かれています。
オーレオール・オメガと「あれら」の連携
第八階層の領域守護者オーレオール・オメガは、指揮官系スキルに特化したNPCであり、八階層の「あれら」と密接な連携を取っていると推測されます。
彼女は普段「スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン」の守護を担当していますが、その真の役割は、第八階層における防衛部隊の「司令塔」であると考えることができます。
オーレオール・オメガは、ギルド全体への強力なバフ効果を持つとされており、彼女の指揮下で「あれら」が動くことで、その戦闘力は理論上の最大値にまで引き上げられるでしょう。
最強の防衛システムである「あれら」を、最強の指揮官であるオーレオール・オメガが動かすことで、初めて「転移後最強」という称号が実現すると考えられます。
WEB版で描かれた「あれら」のチート級の実力
WEB版では少し変わっており、八階層の「あれら」はアインズの最後の切り札であると描かれています。
過去に八階層の「あれら」は、レベル100のプレイヤー150人を全滅させたらしく、チート級のワールドチャンピオンですらも勝つことが出来ないそうです。
かつて1500人の討伐隊が全滅した映像を見た人間達は絶叫し、違法改造と訴える苦情メールが大量に寄せられたと明かされています。
この描写は、第八階層の防衛システムが、ゲームの枠を超えた「理不尽」なほどの強さを持っていたことを示しており、読者から「運営側も対処できないチート級」と評価されています。
どうやら八階層にいる1体の存在は浮かぶ巨大な発行体であり、アインズがフル装備しても勝率30%しかないそうです。
なので、八階層にいる最強の存在はアインズより強いと考えられており、アインズは課金の大半を八階層へ投資したようです。
また八階層の「あれら」は複数おり、たった41人で1500人の討伐隊を全滅したそうです。
しかしアインズは、八階層を完全に起動すると非常に消耗するため、波状攻撃には弱いことが分かっています。
WEB版での描写は、書籍版以上に「あれら」の絶対的な強さを強調しており、ナザリックの防衛力の異常さを読者に植え付けました。
八階層の「あれら」に関する読者の感想や期待
登場回数が極端に少ないにも関わらず、「あれら」は常に読者の間で議論の的となっています。
「あれら」の登場シーンと謎の多さへの期待
オーバーロードに登場する八階層の「あれら」に関する感想では、八階層の「あれら」がどこで出るのか疑問に感じる感想が多く寄せられていました。
オーバーロードの作中において八階層の「あれら」は他のキャラクターと比べて謎が多く、最強の存在であるとしか語られていません。
おそらく八階層の「あれら」は、アインズがここぞという時に使う存在だと考察できます。
なのでまだまだ登場しない可能性も非常に高いと考えられますが、読者はそのベールに包まれた正体が明かされる日を心待ちにしています。
この「最強の存在がまだ登場しない」という設定は、物語に絶えず緊張感をもたらし、今後の展開への期待感を高める重要な要素です。
アインズの最終兵器としての「あれら」の役割
オーバーロードに登場する八階層の「あれら」に関する感想では、上記のように様々な考察も多数寄せられていました。
八階層の「あれら」はアインズにとって切り札的存在であると語られています。
例えば、「アインズが味方に裏切られたとすると、さすがのアインズも対処が出来ません。その時アインズが八階層のあれらを解放し、八階層のあれらの最強といえる強さが明らかになるといった可能性も十分にある」と考察する読者もいます。
実際に、「味方の裏切り」や「至高の四十一人の帰還」といった、想定外の事態が発生した際に、ナザリックを内側から守るための最終兵器として機能するのではないか、という見方もあります。
「最強の守護者」ルベドすらも警戒する存在として、物語のクライマックスで、八階層の「あれら」がどのような役割を果たすのか、読者の想像は尽きません。
まとめ
本記事では、オーバーロードに登場する八階層の「あれら」について、その正体や強さなどをまとめてご紹介しました。
残念ながら八階層の「あれら」の正体は一切不明となっており、複数体いる存在であることしか分かっていません。
また最強といわれているものの、その強さはワールドアイテムの併用や複数体での戦闘という「条件付き」のものでした。
しかし、ルベドをも凌駕するその戦力は、ナザリックの絶対的な防衛力の象徴であり、アインズがギルドの全てを懸けた究極の切り札であることは間違いありません。
今後八階層の「あれら」は、物語の根幹を揺るがすような事態が発生した際に登場する可能性が非常に高いので、読者の皆様はオーバーロードの今後の展開にご注目ください。
その時こそ、彼らの「転移後最強」と呼ばれる真の力が、読者の目の前に明らかになることでしょう。
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