
『七つの大罪』は、魅力的なキャラクターたちが織りなす壮大な物語で、多くのファンを惹きつけています。
その中でも、リオネス王国の第3王女として登場するヒロイン、エリザベスの存在は物語の核をなす重要なものです。
心優しくも気丈な彼女が、実はただの人間ではないという事実は、物語の核心に深く関わっています。
今回は、エリザベスの謎に包まれた正体と、彼女が背負う悲しい運命について、徹底的に深掘りしていきます。
この記事には、物語の重要なネタバレが含まれますので、まだ原作を読んでいない方はご注意ください。
【七つの大罪】とはどんな作品?
『七つの大罪』は、「週刊少年マガジン」で連載された鈴木央による大人気ファンタジー漫画です。
2014年からテレビアニメ化もされ、原作ファンだけでなく、多くの新たなファンを獲得しました。
この物語の魅力は、登場人物一人ひとりのバックグラウンドが深く掘り下げられていること、そして張り巡らされた壮大な伏線にあります。
読者は常に次の展開を考察し、謎が解き明かされるたびに驚きと感動を味わうことになります。
物語の舞台は、人間と人間ならざる種族が共存していた古の時代、「ブリタニアの大地」です。
伝説の騎士団「七つの大罪」が国を裏切って逃亡したとされる10年後、リオネス王国の第3王女エリザベスが、国を救うため、彼らを探す旅に出るところから物語は始まります。
その旅の途中で、偶然出会った少年メリオダスが、七つの大罪の団長であることを知ったエリザベスは、彼と共に仲間を探す旅を続けることになります。
彼女の旅は、単なる王国救出のためだけでなく、自身の出生の秘密や、遠い過去に隠された真実へと繋がっていきます。
ヒロイン・エリザベスはどんなキャラクター?
| フルネーム | エリザベス・リオネス |
| 年齢 | 16歳 |
| 身長 | 162cm |
| 血液型 | O型 |
| スリーサイズ | 92・56・89 |
| 誕生日 | 6月12日 |
| 出身地 | ダナフォール |
| 闘級 | 1925(魔力:1700/武力:5/気力:220) |
エリザベスは、腰まで伸びた銀髪と青い瞳を持つ、心優しいリオネス王国の第3王女です。
右目には謎の紋章が描かれており、これをコンプレックスに感じて前髪で隠しています。
メリオダス曰く「モチモチプニプニで最高」なスタイルを持つ彼女は、物語が進むにつれてメリオダスからのセクハラにも慣れていく様子を見せます。
普段はおとなしく淑女的な振る舞いをしますが、非道を働く者には決して屈しない強い意志を持っています。
自身の行動で人が巻き込まれることをひどく心を痛める一方、時には無謀な行動で戦況を打開しようとする気丈さも持ち合わせています。
この心根の強さは、七つの大罪のメンバーにも受け入れられ、彼らの信頼を勝ち得ていきました。
料理は苦手で、ホークによると「塩と砂糖を間違えるベタな不味さ」だそうです。
リオネス王国の第3王女、その出生の秘密
エリザベスはリオネス王国の第3王女として知られていますが、実は国王バルトラの実子ではありません。
彼女の出身は、16年前に滅亡した亡国ダナフォールです。
この事実を知る者は少なく、エリザベス本人も幼少期にバルトラから少しだけ聞いたことがある程度でした。
ダナフォールが滅亡した際、メリオダスが赤ん坊のエリザベスを救い出しました。
その場に居合わせたのが、未来視の能力を持つリオネス国王バルトラです。
バルトラの計らいにより、エリザベスはリオネス王国の王女として引き取られ、2人の姉妹と共に育てられました。
この出生の秘密は、物語の初期から多くの読者の間で考察の対象となっており、エリザベスの正体を知る上での重要な鍵となりました。
目覚めた「ドルイドの巫女」の力
物語の序盤、エリザベスは七つの大罪のメンバーに助けられるばかりの存在でした。
しかし、物語が進むにつれて、彼女の中に眠っていた不思議な力が徐々に目覚めていきます。
彼女は無意識のうちに、メリオダスや国王バルトラといった重傷を負った人々を癒す力を発揮しました。
この力は、ヘンドリクセンとの戦いで、ホークがエリザベスとメリオダスをかばって倒れたことをきっかけに完全に覚醒します。
ヘンドリクセンは、その力を「森の賢者(ドルイド)の巫女の血を引く女神族の使徒の力」と呼び、彼女の右目に浮かび上がった謎の紋章が、女神族の印であることが明らかになります。
彼女の持つ「癒やしの超魔力」は、枯れた草花を蘇らせたり、魔神の魔力を押し返したりするほどの強力なものです。
この力は、当初は自分のためには使えませんでしたが、メリオダスからの告白同然の言葉を受けてからは、自在に使えるまでに成長しました。
「生命の権能(ライフ・オーソリティ)」や「聖櫃(アーク)」といった、女神族の強力な魔力も発揮するようになり、彼女は戦いの重要な戦力となっていきます。
エリザベスはリズの生まれ変わりだった
ドルイドのザネリは、エリザベスが「リズ」の生まれ変わりであると語ります。
リズは、亡国ダナフォールの聖騎士で、もとは敵国の奴隷でした。
処刑されそうになったところをメリオダスに助けられ、共に過ごすうちに恋人となります。
リズは愛称で、本名はエリザベスでした。
リズとエリザベスは顔も声も瓜二つで、リズがフラウドリンに殺された16年前に、エリザベスが生まれたことから、二人が同一人物の生まれ変わりであることが示唆されます。
リズの遺品である短剣は、殺生を嫌うメリオダスに渡すことができませんでしたが、エリザベスを通じてメリオダスの手に渡りました。
また、エリザベスが癒しの力を持っているのに対し、リズにはその力がなかったという違いは、彼女が単なる人間ではなかったことを物語っています。
読者の間では、この設定は物語に深い悲劇性を与え、メリオダスとエリザベスの関係をより一層切ないものにしたと評価されています。
エリザベスの正体は女神族
キングとディアンヌが3000年前にタイムスリップしたことで、彼らはその時代にもエリザベスという女神族の少女が存在していたことを知ります。
この女神族のエリザベスは、魔神族のメリオダスと共に「光の聖痕(スティグマ)」として魔神族と戦っていました。
彼女は、種族の枠に囚われず、どんな人物とも分け隔てなく接する性格で、魔神族にも寛大でした。
メリオダスとの関係も親密で、そのために他の女神族からは疎まれていました。
現在のエリザベスは、マーリンを呪いから救うために癒しの力を使います。
その際、マーリンにかけられた魔力に潜んでいたゼルドリスの口から、彼女が3000年間転生を繰り返していること、そして転生する度に記憶を失い、メリオダスと出会っては記憶を思い出していることを知らされます。
これにより、エリザベスの正体が3000年前の女神族であったこと、そしてメリオダスとの間には深い因縁があったことが明らかになります。
この事実は、物語の急激な展開を呼び、多くの読者に衝撃を与えました。
呪われたメリオダスとエリザベスの関係
エリザベスとメリオダスは、3000年前の世界で恋人同士でした。
しかし、二人は最高神と魔神王を統べる者によって、それぞれ呪いをかけられます。
メリオダスは、女神族と結ばれ、同胞である魔神族を裏切った罪で「永遠の生」という呪いをかけられました。
彼は歳を取ることもなく、死んでも蘇る身体となり、愛するエリザベスの死を永遠に見続けることになります。
一方、エリザベスは、魔神族と結ばれ、敵を救った罪で「永劫の輪廻」という呪いをかけられました。
彼女は女神族だったにもかかわらず、人間として短い生を生き、転生する度に記憶が消えます。
そして、メリオダスと出会い、前世の記憶を思い出したら最後、どのような力が働こうとも必ず三日後に死んでしまうという恐ろしい呪いでした。
メリオダスは、この呪いをいつか解くことを最初に転生したエリザベスと約束しました。
しかし、これまでに106人のエリザベスが、彼の目の前で命を落としています。
この悲しい宿命は、メリオダスがエリザベスに過剰な信頼を預けている理由であり、読者の心を強く揺さぶる要素となりました。
エリザベスの今後と物語の結末
エリザベスは、ゼルドリスとの対峙をきっかけに記憶を取り戻しましたが、同時に呪いの発動条件を満たしてしまい、彼女の命は残りわずかとなります。
メリオダスと七つの大罪のメンバーは、彼女の命を救うため、そして呪いを解くために、魔神王との最終決戦に挑みます。
メリオダスはエリザベスを呪いから救うため、そして魔神王になるために、一度は七つの大罪から離反する道を選びました。
しかし、七つの大罪の仲間たちとの絆、そしてエリザベスへの愛が、彼を再び戦いへと駆り立てます。
最終的に、彼らは魔神王との戦いを制し、メリオダスとエリザベスにかけられた呪いは解かれました。
聖戦後、二人は晴れて結婚し、息子トリスタンをもうけ、幸せな家庭を築きました。
続編『黙示録の四騎士』でも、リオネス王国の王妃として登場し、戦いに赴く息子トリスタンを温かく見守る姿が描かれています。
彼女の物語は、悲劇的な宿命を乗り越え、真の幸せを手に入れたハッピーエンドとなりました。
まとめ
今回は、『七つの大罪』のヒロイン、エリザベスの正体と、彼女が背負う壮大な運命について解説しました。
彼女は、心優しい人間の王女でありながら、3000年を生きる女神族の王女であり、メリオダスとの悲しい宿命を背負っていました。
自身の出生の秘密や隠された能力が明らかになるにつれて、物語の展開は大きく動き出しました。
メリオダスと共に、幾度となく転生を繰り返す中で、彼らはお互いの絆を再確認し、運命を切り開いていきました。
彼女の物語は、ただのヒロインの物語ではなく、愛と希望、そして運命に立ち向かう強さを描いた、深く感動的なものでした。
この記事を読んで、もう一度『七つの大罪』を読み返してみると、また新たな発見があるかもしれません。



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